エビ類との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 08:29 UTC 版)
シャコ類の大まかな姿は、一見して同じ軟甲綱の甲殻類であるエビ類にも似る。特にエビ類の中にはアナジャコ類(アナジャコなど)という、似た名を付けられるほどシャコ類に似た体型(腹部は大きく、胸部との境目はくびれる)をもつものも知られ、混同されることもある。しかし、エビ類はカニ類・ヤドカリ類などと共に十脚目、これは更に等脚目(ダンゴムシ、ワラジムシなど)・端脚目(ヨコエビ、ワレカラなど)などとともに真軟甲亜綱という別亜綱に属しており、軟甲類の中でシャコ類(トゲエビ亜綱シャコ目、後述参照)との類縁関係はかなり遠い。両者の各細部も軟甲類全般の共通点以外では根本的に異なり、比較的明瞭な相違点は次の通りに挙げられる。 分類群 特徴 シャコ類エビ類先頭の体節と複眼 複眼は先頭に突出した体節で背甲からやや離れ、Y字状に集約される 先頭に突出した体節はなく、複眼の付け根は背甲に隣接する 第1触角鞭状部 3本 2本 第2触角鱗片 ヘラ状に発達して頭部左右にぶら下がる 常に前方に畳まれる 額角 背甲と関節して上下に可動(額板) 背甲と一体化して不動 胸部の分節 後4節が明らかに分節し、頭部の背甲と癒合しない 胸部は完全に頭部と一体化した頭胸部を構成し、単一の背甲に覆われる 胸肢の構成 顎脚5対、胸脚/歩脚3対 顎脚3対、胸脚/歩脚5対 強大化した胸肢 現生群では常に第2胸肢(=第2顎脚)で、逆さまに折りたたんだ鎌状の捕脚 第1-3胸脚(=第4-6胸肢)のいずれかに該当し、原則として鋏状の鋏脚、強大化しない場合がある 鰓と遊泳肢 遊泳肢は外部に露出した毛束状の鰓がある 鰓は羽毛状で胸肢の付け根から背甲に格納され、遊泳肢に鰓はない 抱卵行動 卵を第3-5顎脚で抱えて保護する 卵を遊泳肢に付けて保護する
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