エゾシカ肉の安全性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 05:15 UTC 版)
鹿肉は肝蛭、E型肝炎、食中毒などを引き起こす健康に悪影響のある病原体を保有していることがある。しかし、エゾシカは家畜ではなく野生動物であるため、屠畜場法の対象動物ではなく、個体ごとの検査が義務付けられていない。ハンター個人が捕獲し処理した鹿肉の場合はとくに注意が必要で、生肉の摂食は絶対にしてはいけない。北海道庁では、エゾシカの捕獲から解体に至るまでの衛生的な処理の方法について具体的な基準を定めたエゾシカ衛生処理マニュアルを2006年より作成・公表している。また、エゾシカ協会では、安全な鹿肉を流通させるためエゾシカ肉推奨制度を発足させ、厳しい衛生基準をクリアした処理工場の製品にのみ推奨マークの使用が認められている。 なお、エゾシカは草食性なので、北海道でみられるエキノコックスの心配はない。エキノコックスは基本的に、餌となる肉を経由して肉食動物や雑食動物に寄生する。したがって草や木の皮を食べるエゾシカにはエキノコックスが感染する可能性は考えにくい。キタキツネなど感染した動物の糞尿がついた植物を口にする可能性は有るが、これまでに牛やエゾシカにエキノコックスが感染した例は無い。もし仮に感染したとしても、エキノコックスは肝臓に寄生するので、肝臓を食さなければ問題は無いとする見解もあるが、肝臓には肝蛭が寄生していることがあり、十分な加熱調理が必要である。
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