エゾシカと植生への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/19 06:08 UTC 版)
「中島 (洞爺湖)」の記事における「エゾシカと植生への影響」の解説
中島には、1957年にオス1頭、1958年にメス1頭、1965年に妊娠したメス1頭の合計3頭のエゾシカが観光資源としてヒトにより導入された。エゾシカの数はその後急激な増加と減少を繰り返しており、1983年には299頭まで増加した後、自然死と森林保護のための間引きが行われたことにより減少したが、2000年には推定456頭と再度のピークを迎え、2004年には100頭以上の大量死が発生している。 中島の植生はエゾシカの増加に伴う強い採食圧によって大きな影響を受けている。1977年に460種類確認された植物は、2004年時点で150種類までに減少していた。特にエゾシカの採食範囲にある低木や草本が著しい影響を受けており、ササ類は島内からほぼ消失している他、高木についてもエゾシカが届く約2mの高さまでの枝が採食により失われる「ディアーライン」の形成や、エゾシカの嗜好性の高いオヒョウ、ハルニレといった種については樹皮はぎの影響により激減するといった影響がある一方で、エゾシカの不嗜好性の高い植物の増加が見られるといった植生の大きな変化が発生している。 大島の中央には樹齢350年以上であるアカエゾマツの巨木があり、林野庁の「森の巨人たち百選」にも認定されたが、平成16年台風第21号の影響で倒木となった。
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