ウィキペディアタウンとは? わかりやすく解説

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ウィキペディアタウン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/26 07:05 UTC 版)

世界初のウィキペディアタウンとされるモンマス。町の案内板にウィキペディアのロゴが付いている。
QRコードにて携帯端末に情報を得る

ウィキペディアタウンとは、その地域にある文化財観光名所などの情報をインターネット上の百科事典「ウィキペディア」に掲載し、さらに掲載記事へのアクセスの容易さを実現した)のことである[1][2]

また日本においては街(町)そのものを指す語句よりも、「ワークショップやイベント形式で地域の文化財や観光名所などの情報を調べて、その成果をウィキペディアの記事にまとめる[3]エディタソンの取り組みを「ウィキペディアタウン」と呼ぶことがある。

町としてのウィキペディアタウン

世界初のウィキペディアタウンは、2012年のイギリスウェールズにある人口9,000人弱のモンマスという町とされ、町中に無料のWi-Fiを設置し、博物館や学校など1000カ所の建造物・展示物に、ウィキペディアへの検索が行えるQRコードがあり、これを用いて携帯電話、スマートフォンなどでアクセスできるようになっている[4][5]

この町はウィキペディアの編集者の提案で始まり、「モンマスペディア」という名のプロジェクトがたちあがり、町議会の協力の元、ボランティアが新たに約500項目の記事を執筆し、また、QRコードのプレート、シールを各所に取り付けるなど、6か月かけて準備をしたという[4]

これについて、ウィキペディアを運営するWikimedia財団は、「紙のガイドブックや地図は情報が古くなってしまうが、Wikipediaの記事は常にアップデートされている点がエキサイティングだ」〔ママ〕としている[4]

日本でのイベント

プロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウンも参照)

2013年(平成25年)2月、神奈川県横浜市において、横浜オープンデータソリューション発展委員会が、一般社団法人SoLaBoの協力の元、ウィキペディアタウンの立ち上げを企画しイベントを開催した[6][7][8]。同年6月、東京都世田谷区において、クリエイティブ・シティ・コンソーシアムが、「二子玉川をウィキペディア・タウンにしよう」という催しを行い、約30人が参加した。また、ウィキペディアの地図版といわれる「オープンストリートマップ」へも情報を掲載した[1][2][9]

2014年(平成26年)2月16日および2月22日の「インターナショナル・オープンデータ・デイ in 京都」の取り組みの一環として、京都府京都市において、オープンデータ京都実践会がウィキペディアタウンを開催している[10][リンク切れ][11]。その後、京都では定期的なウィキペディアタウン開催が行われている。同年11月、宮城県仙台市において、「仙台駅エリアマネジメント協議会」が同駅周辺で「ウィキペディアタウン」イベントを初開催した[12][リンク切れ]2015年(平成27年)1月、北海道森町において、北海道オープンデーターワークショップ森町による第1回ウィキペディアタウンもりまちが行われ、約10名の参加があった[13]

2019年3月21日、静岡県沼津市の史跡である神明塚古墳の案内看板に、ウィキペディア日本語版の神明塚古墳の記事へのリンクにアクセスが可能なQRコードが貼り付けられた。日本において文化財と対応したQRコードが設置されるのは初めてであり、もともとの意味での「ウィキペディアタウン」の第一歩となった[14]

その後、日本各地でウィキペディアタウンが活発に開催されている。これまで行われた取り組みはプロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウン/アーカイブにまとめられ、これから行われる予定の取り組みはプロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウンに記載されている。

ウィキペディアタウンの主なねらい

  • ウィキペディアに掲載することで地域の情報が世界中に公開され、地域の活性化につながる可能性[1]
    • 観光や地域ガイドアプリへのスポットの情報提供という二次利用[9]
  • 多くの人の情報の活用で、副産物が産まれ、新しい価値の創造が期待される[1]

脚注

  1. ^ a b c d ウィキペディアタウンを作ろう NHKニュース”. web.archive.org (2013年6月25日). 2023年5月28日閲覧。
  2. ^ a b 二子玉川を「ウィキペディア・タウン」に-駒沢給水塔など、地元保存会らと連携”. 二子玉川経済新聞. 2023年5月28日閲覧。
  3. ^ 資料発掘で地域の歴史・文化の掘り起こし―国立国会図書館が所蔵データの活用を考えるワークショップ開催”. MdN Design Interactive. 2017年6月9日閲覧。
  4. ^ a b c 世界初“Wikipediaタウン”が誕生”. ねとらぼ. 2023年5月28日閲覧。
  5. ^ カレントアウェアネス・ポータル (2012年5月21日). “ウェールズの小さな街・モンマスが世界初の「Wikipediaタウン」に”. カレントアウェアネス・ポータル. 2023年5月28日閲覧。
  6. ^ 横浜をWikipediaタウンに!5/25(土)13:00〜予定 2013年5月11日 SoLaBo.net
  7. ^ オープンデータ社会(52)自治体のオープンデータの取り組み(横浜市):『ビジネス2.0』の視点:ITmedia オルタナティブ・ブログ 林雅之 2013/05/21 5:26:54
  8. ^ [横浜・分科会3] 横浜をWikipediaタウンにしよう!街歩き 2013 International Open Data Day Japan
  9. ^ a b 2013年度「二子玉川をウィキペディア・タウンにしよう!」ワークショップを開催しました |”. Creative City Council. 2023年5月28日閲覧。
  10. ^ 開催地リスト:2/22(土)オープンデータ運動に参加しよう! International Open Data Day in Japan 2014
  11. ^ リンクト・オープン・データ・イニシアティブの活動:機関紙KIIS vol.150 特集「オープンデータ」 小出誠二,高橋徹 2015/01/15
  12. ^ 仙台駅東口の魅力 ウィキペディアで発信河北新報 2016年12月27日)
  13. ^ 第1回ウィキペディアタウンもりまちを終えて”. HOW Mori Local (2015年1月17日). 2023年5月28日閲覧。
  14. ^ スマホで名所・旧跡の情報 沼津・神明塚古墳看板に専用コード|静岡新聞アットエス”. web.archive.org (2019年3月22日). 2019年3月22日閲覧。

参考文献

  • 伊達深雪『ウィキペディアでまちおこし みんなでつくろう地域の百科事典』紀伊國屋書店、2023年12月26日。ISBN 978-4314012027 
  • 青木和人『ウィキペディアタウン・ハンドブック 図書館・自治体・まちおこし関係者必携』文学通信、2024年12月25日。ISBN 978-4867660690 

関連項目

外部リンク


ウィキペディアタウン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 15:21 UTC 版)

地域おこし」の記事における「ウィキペディアタウン」の解説

2012年以降では、自治体住民ボランティアが街の名所・施設などを積極的にWikipedia上で記事化充実化することで、地域振興を図る動きもある。

※この「ウィキペディアタウン」の解説は、「地域おこし」の解説の一部です。
「ウィキペディアタウン」を含む「地域おこし」の記事については、「地域おこし」の概要を参照ください。

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