インフルエンザウイルス感染の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:18 UTC 版)
「抗体依存性感染増強」の記事における「インフルエンザウイルス感染の場合」の解説
2008〜09年の三価不活化インフルエンザワクチン(TIV)接種は、2009年の春から夏に掛けてのカナダでのH1N1パンデミックに関係があるとされるが、選択バイアス、情報バイアス、交絡の発生を完全には否定出来ない。解明にはさらなる実験的・疫学的評価が必要であり、生物学的機序や免疫疫学的意味を考慮しなければならない。 A型インフルエンザウイルスに一次感染した、または弱毒化生ワクチンで免疫された幼児の血清について、ウイルスを中和する抗体反応またはFc受容体を持つ細胞へのウイルス取り込みを促進する抗体応答について調べた処、その数年後に分離された同種ウイルスや別のH1N1ウイルスに対する中和抗体価は、弱毒化生ワクチン接種後よりも自然感染後の方が高かった。自然感染と弱毒化生ワクチンは、数年後に分離された相同ウイルスとH1N1ウイルスの取り込みを促進する抗体を誘導した。これはA型インフルエンザウイルスへの一次感染が感染増強抗体の誘導を齎すことを示す。 H7N9ウイルスの感染流行に関して抗体依存性感染増強の発生が疑われたが、知見は限られている。
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