イヌとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 03:20 UTC 版)
詳細は「イヌの起源」を参照 従来はオオカミの近縁種とされていたイヌ(イエイヌ)は、近年ではオオカミの一亜種 Canis lupus familiaris とする見方が主流になりつつある。ただし、日常語としての「オオカミ」には通常、イヌは含まれない。イヌはオオカミが飼い馴らされて家畜化したものと考えられている。 アメリカアカオオカミ、コヨーテ、アビシニアジャッカルとは相互に交配可能で、野生下でも雑種個体が生じ、繁殖力も有しているため生物学的種の定義に照らせば亜種であり、別種ではない。種と亜種の区分は慣習的不合理性が残存していることの一例である。亜種によっては絶滅が危惧される。日本で古来「狼」と呼ばれてきた動物は絶滅したとされるニホンオオカミであり、タイリクオオカミの一亜種と見なされる。ニホンオオカミは、12万 - 13万年前に枝分かれした亜種であり、ハイイロオオカミと同じ種であるとの遺伝子解析結果を、岐阜大学の石黒直隆教授と松村秀一教授らのチームがまとめた。 今泉忠明はイヌとオオカミの違いが出る部分として胸郭を挙げる。オオカミの胸郭はイヌの胸郭よりも幅が狭く、深い(上下の高さが高い)。それはオオカミの胸郭が深いのは肋骨が比較的長く、狭いのは肋骨が後方に寝ているためだという。具体的には肋骨頸(肋骨上部の胸椎と関節する部分)が前方に曲がっているために、肋骨体(肋骨の主部)が立ち上がっている形状になっているイヌの胸郭に対して、オオカミの胸郭は肋骨頸の曲がりが殆どないため後ろに寝てしまうのだという。オオカミの胸郭は幅が狭くても深さがあるためにイヌの胸郭と容積的には大差がないが、深呼吸をする際にはオオカミの胸郭は普段は肋骨を寝かせている分だけ、一層胸郭の容積を大きくすることができ、イヌよりも深い呼吸が出来るのだという。
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