イスラム世界の占星術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:57 UTC 版)
詳細は「en:Arab and Persian astrology」を参照 ヘレニズム時代に体系化されたシステムは、ほとんどそのままアラブ・ペルシャなどのイスラム世界の占星術師たちに引き継がれた。ダマスカスとバグダードにあった彼らの研究拠点では、ヨーロッパが忘れていた天文学、占星術、数学、医学などのギリシャ語の古典がアラビア語に翻訳され、大いに発展を遂げた。彼らの知識はヨーロッパに逆輸入され、ルネサンスの開始を助けた。 アラブの占星術師たちのなかでは、占星術以外の翻訳でも大いに功があったアル=キンディー(アルキンドゥス)と、その弟子筋にあたるアブー=マーシャル(英語版)(アルブマサル)が特に重要である。後述するように、アブー=マーシャルの著書『大序説』(ラテン語名:Introductorium in Astronomiam)は、のちのヨーロッパに絶大な影響を及ぼした。もう一人重要なのが、ペルシャの数学者、天文学者、占星術師、地理学者アル=フワーリズミーである。彼の名前は「アルゴリズム」の語源としても知られる。 アラブ人たちは、天文学の知識も大いに増大させた。アルデバラン、アルタイル、ベテルギウス、リゲル、ヴェガなどの星々を最初に命名したのも彼らである。 占星術においては、彼らは「アラビック・パーツ(英語版)」として知られる、擬似的な天体を多数作成ないし再発見した。アラビック・パーツは実在天体ではないが、実天体の位置やハウスの境界であるハウスカスプの位置から計算されるポイントとそれに付加された名称、象意の総体である。もっとも有名なアラビック・パーツであるPart of FortuneはASC + Moon - Sunという式で計算される。
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