ア・プリオリとア・ポステリオリとは? わかりやすく解説

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ア・プリオリとア・ポステリオリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 01:45 UTC 版)

先天性」の記事における「ア・プリオリとア・ポステリオリ」の解説

ア・プリオリ」はラテン語で、「の前にa priori)」を意味する言葉から来た哲学用語で、「ア・ポステリオリ」すなわち「の後に(a posteriori)」を意味する用語の対語である。ア・プリオリ日本語訳して先天的」とか「先験的」とか云うカント哲学云う先験的」は、a prori のことではなく、「超越論的」とも云う)。これに対しア・ポステリオリ日本語に訳すと、「後天的」または「経験的」と云う。「ア・プリオリ認識」あるいは「ア・プリオリ知識」という風な形で使う。「ア・プリオリ」とは人間主体にとって、経験先立ってすでにその精神のなかに含まれている何かを言う。それは経験しない知っている認識内容であった知識であったりする。 古代ギリシア哲学者であるプラトーンイデア説を主張し人間はこの「事物世界」(Reich der Dinge)に生まれて来る前には、イデア界にその魂が存在したのであり、人間の魂にはイデア界知った知識含まれていると主張した。これは、「この世事物世界」での経験を積む前にすでに知っている知識であり、先天的な知識云うことになる。プラトーンは、数学に関する知識が純粋論理的な知識であり、人間経験学習しなくとも数学的な真理をみずからの純粋思考導入できるとし、これがイデア界に魂がかつて存在した証明であるともした西欧近世ドイツ観念論哲学代表的哲学者であるイマヌエル・カントは、ア・プリオリ知識認識存在するとし、これをプラトーン同様に数学真理に関する人間認識力知識求めた数学公理定理、そして論理学規則は、人間この世での経験通じて学習し見出した知識ではなく経験前に、すなわち先天的ア・プリオリ)に主体知っている知識である。カント超越論的認識論におけるこの「先天的な知識」は、厳密に云えば、生物学的に人間個人が「生まれる前から」持っている知識という意味ではない。 しかし、言語思考論理原型的な構造が、生まれる前から人間精神には備わっているという現代発達心理学言語学知見から云えば、カントア・プリオリ認識知識は、言語論理生成的な先天的な構造存在と同じことを示唆していることにもなる。

※この「ア・プリオリとア・ポステリオリ」の解説は、「先天性」の解説の一部です。
「ア・プリオリとア・ポステリオリ」を含む「先天性」の記事については、「先天性」の概要を参照ください。

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