アンデスへの適応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 07:14 UTC 版)
南米に人類が住み始めた痕跡を示す遺跡で最古のものは、1万4000年前という年代測定値を示す遺跡もみられるものの、確実なのはクローヴィス文化に並行する1万1000年前の基部が魚の尾びれのような形状の魚尾型尖頭器を用いた狩人たちの遺跡である。チリの首都サンティアゴの南120kmにあるマストドンの解体処理を行ったタグワタグワのようなキルサイトは、この時代の特色を示す遺跡である。やがて紀元前7500年ころまでに洞窟の開口部や岩陰を利用して生活をする人々が現れ、ペルーのトケパラ洞窟やアルゼンチンのラス・マノス洞窟には、そのような人々の狩猟への願いを表現した洞窟壁画が描かれた。 紀元前5000年頃から農耕・牧畜を行う社会となり、土器の製作、使用を行うようになる直前までを古期という。ペルー北部高地のラウリコチャ遺跡のⅡ期(紀元前6000年~同3000年)に、I期に多かった鹿に替わって、リャマ、アルパカ等のラクダ科動物の骨の出土量の増加が見られ、中央高地のウチュクマチャイ洞窟の5期(紀元前5500年~同4200年)でやはりラクダ科動物の骨の出土量の増加が見られることからラクダ科動物を飼育しようとする試みがなされ始めたと考えられている。また紀元前6000年頃までにはトウガラシ、カボチャ、ヒョウタン、インゲンマメなどの栽培が開始されたことが北高地のギタレーロ洞窟出土の植物遺存体などから確認されている。また、紀元前3000~同2000年頃から綿、カンナなどの栽培が始まったと考えられている。
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