アロサウルス科の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 16:51 UTC 版)
「アロサウルス」の記事における「アロサウルス科の歴史」の解説
アロサウルス(属)は、分類学的には大型獣脚類カルノサウルス類に属するアロサウルス科の一つに位置付けられている。アロサウルス科は1878年にオスニエル・チャールズ・マーシュによって創設されたが、1970年代まではメガロサウルス科(en:Megalosaurid)(メガロサウルスをはじめとする獣脚類が属するとされた旧分類)というタクソンの方が好んで使用された。また1930年頃〜1980年頃には属名としてアロサウルスの代わりにアントロデムスが使用され、アロサウルスという学名を復権した1976年のジェームズ・マドセンのモノグラフ以前の出版物を読む場合は注意が必要である。アロサウルス科の代わりにメガロサウルス科を記載している著名な刊行物はチャールズ・W・ギルモアの1920年の論文、フリードリヒ・フォン・ヒューネの1926年の論文、アルフレッド・シャーウッド・ローマーの1956年と1966年の論文、R・スティール(R. Steel)の1970年の論文、アリック・ウォーカー(en:Alick Walker)の1964年の論文である。 1976年のマドセンのモノグラフの影響により、獣脚類恐竜をアロサウルス科へ再分類する動きが生じた。この再分類は必ずしも厳密な検証を行っていない場合もあり、定義そのものにも曖昧さがあるが、結果的に科名として一般化的に使用されるようになった。再分類の過程でアロサウルスとの系統的な関連が考えられた属としてインドサウルス、ピアトニツキーサウルス、ピヴェテアウサウルス、ヤンチュアノサウルス、アクロカントサウルス、キランタイサウルス、コンプソスクス(en:Compsosuchus)、ストケソサウルス(en:Stokesosaurus)、スゼチュアノサウルス(en:Szechuanosaurus)が挙げられる。しかし、21世紀初頭の獣脚類の進化・系統に関する研究によれば、上記の属はいずれもアロサウルス科には含まれていない。ただしアクロカントサウルスやヤンチュアノサウルス等はアロサウルスの近縁属であると考えられている。 アロサウルス科はカルカロドントサウルス科(代表属:カルカロドントサウルス)、シンラプトル科(代表属:シンラプトル)と共にカルノサウルス類を構成する一つの系統(アロサウルス上科(en:Allosauroidea))を作る (ただし議論中のベックレスピナクス科(en:Becklespinax)は除く)。アロサウルス科はカルノサウルス類の中では属の数が少なく、20世紀末のレビュー(研究分野の動向をまとめた論文)ではサウロファガナクスとフランスで発見された化石種のみがアロサウルスと共に同科を構成する属であるとされていた。また、従来エパンテリアスもアロサウルス科の属の候補として扱われてきたが、いくつかの証拠からサウロファガナクスやエパンテリアスはアロサウルスの大型の個体ではないかと疑う意見も多くなっている。21世紀初頭の論文ではサウロファガナクスを一つの属として扱い、エパンテリアスをアロサウルスの一種としているものが多い。かつてアロサウルス科はティラノサウルス科の先祖的タクソン(側系統群)に位置すると考えられたことがあり、1980年代にはグレゴリー・S・ポールが著作中でそのような主張を行っている。しかし、1990年代にはその説は否定され、ティラノサウルス科はコエルロサウルス類に属するものとされた。 21世紀初頭の通説を基にした上科から属までの分類のまとめ .mw-parser-output table.clade{border-spacing:0;margin:0;font-size:100%;line-height:100%;border-collapse:separate;width:auto}.mw-parser-output table.clade table.clade{width:100%}.mw-parser-output table.clade td.clade-label{width:0.7em;padding:0 0.15em;vertical-align:bottom;text-align:center;border-left:1px solid;border-bottom:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width{overflow:hidden;text-overflow:ellipsis}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.first{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel{padding:0 0.15em;vertical-align:top;text-align:center;border-left:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.last{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar{vertical-align:middle;text-align:left;padding:0 0.5em;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar.reverse{text-align:right;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf{border:0;padding:0;text-align:left}.mw-parser-output table.clade td.clade-leafR{border:0;padding:0;text-align:right}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf.reverse{text-align:right}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkA{background-color:yellow}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkB{background-color:green}アロサウルス上科 アロサウルス科 アロサウルス属 サウロファガナクス属 エパンテリアス属 ? 他 カルカロドントサウルス科 アクロカントサウルス属 ギガノトサウルス属 他 シンラプトル科 ヤンチュアノサウルス属 他 ベックレスピナクス科? unnamed
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