アラン・ロブ=グリエ / ヌーヴォー・ロマン
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「深夜叢書」の記事における「アラン・ロブ=グリエ / ヌーヴォー・ロマン」の解説
1953年の『クリティック (批判)』誌にアラン・ロブ=グリエが『ゴドーを待ちながら』の書評を掲載した。同誌はジョルジュ・バタイユが創刊した文学・哲学・芸術雑誌で、1950年以降は深夜叢書から刊行されていた。農業技師であったロブ=グリエはこの優れた書評によって、同年、深夜叢書からヌーヴォー・ロマンの先駆けとされる処女作『消しゴム』を発表する機会を得た。この作品を今度はロラン・バルトが『クリティック』紙上で絶賛。さらに、編集長ジェローム・ランドンと親交を深めたロブ=グリエは1954年末にジョルジュ・ランブリクスの後任として文芸顧問に就任し、彼の主導により深夜叢書は1950年代にヌーヴォー・ロマンの作品を次々と発表した。なお、ロブ=グリエは1985年まで30年にわたって文芸顧問を務めた。 1957年から58年にかけて深夜叢書から刊行されたヌーヴォー・ロマンの作品作家作品邦訳 (括弧は未訳)サミュエル・ベケット Fin de partie 『勝負の終わり・クラップの最後のテープ (ベスト・オブ・ベケット 2)』安堂信也、高橋康也共訳、白水社、1990年。 アラン・ロブ=グリエ La Jalousie 『嫉妬』白井浩司訳、新潮社, 1959年 クロード・シモン Le Vent 平岡篤頼訳『世界の文学 23』(集英社、1977年) 所収。 ナタリー・サロート Tropismes (トロピスム) ミシェル・ビュトール La Modification 『心変わり』清水徹訳、河出書房新社、1959年・1971年; 岩波文庫、2005年。 マルグリット・デュラス Moderato Cantabile 『モデラート・カンタービレ』田中倫郎訳、河出書房新社、1970年、河出文庫、1985年。 ロブ=グリエはもちろん、ビュトール、デュラスの多くの小説、およびクロード・シモンの作品のほとんどが深夜叢書から刊行された。
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