アジ化鉛(II)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 学問 > 化学物質辞書 > アジ化鉛(II)の意味・解説 

アジ化鉛

分子式N6Pb
その他の名称アジ化鉛、Lead azide、鉛(II)アジド、アジ化鉛(II)、Lead diazide、Lead(II)diazide、Diazidolead(II)
体系名:鉛(II)ジアザイド、ジアジド鉛(II)


アジ化鉛(II)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 10:15 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
アジ化鉛(II)
識別情報
PubChem 61600
特性
化学式 Pb(N3)2
モル質量 291.24 g/mol
外観 白色粉末
密度 4.71 g/cm3, 固体
融点

350 °C(爆発)

への溶解度 2.3 g/100 mL (18 °C)
9.0 g/100 mL (70 °C)[1]
溶解度 酢酸に易溶
アンモニアに不溶
爆発性
衝撃感度 高い
摩擦感度 高い
爆速 5180 m/s
危険性
主な危険性 有害 (Xn)
爆発性 (E)
発火点 350 °C
関連する物質
その他の陽イオン アジ化カリウム
関連物質 アジ化水素
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アジ化鉛(II)(あじかなまり に、: lead(II) azide)とはアジ化物で、爆薬として使用される。現在では DDNP への移行が進みあまり使用されなくなっているが、DDNP に比べて熱に強いため耐熱雷管などには現在でも起爆薬として使用されている。実際に雷管に使用する場合には着火性を良くする為にトリシネートテトラセンを混合する。

近年では鉛による環境汚染の問題から忌避されるようになり、使用されなくなりつつある。

製法

アジ化ナトリウムの希水溶液に酢酸鉛(II)の希水溶液を徐々に加えると、針状晶として沈殿する。

単斜晶系のα型と斜方晶系のβ型があるが、起爆薬として用いられるのはα型アジ化鉛(II)のみである。これはβ型アジ化鉛(II)は物理的刺激に対して極端に敏感であり、取り扱いが危険であることによる。そのため、アジ化鉛(II)の製造・保存に際してはβ型アジ化鉛(II)を発生させないよう特に注意を払う必要がある。

性質

  • 水またはアルコールに対しては不溶である、そのため貯蔵する時は水中またはアルコールの混合液の中に保存する。ただし、長期間保存すると結晶が成長して爆発しやすくなり危険であるため長期間の保存は避けなければならない。
  • と反応し極めて鋭敏で危険なアジ化銅(II)を生成する。そのためアジ化鉛に接触する機器は銅や真鍮の使用が忌避され、主にアルミニウムが用いられる。
  • 着火すると直ちに確実に爆轟を起す。

出典

  1. ^ Pradyot Patnaik. Handbook of Inorganic Chemicals. McGraw-Hill, 2002, ISBN 0-07-049439-8

 関連項目 



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アジ化鉛(II)」の関連用語

アジ化鉛(II)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アジ化鉛(II)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアジ化鉛(II) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS