アジア人の臨死体験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 02:19 UTC 版)
臨死体験研究の多くはアメリカで行われている。後にイギリスやオーストラリアでも調査が行われたが、調査結果はアメリカの臨死体験とほぼ同じ内容を示していた。現在のところ、非キリスト教圏であるアジアでは本格的な調査は殆ど行われていない。 日本では立花隆が243件の臨死体験例を収集し分析している(統計学的な手法によるものではない)。それによると、体外離脱やトンネル体験など、ある程度は欧米の臨死体験と同様の内容であった。ただし日本人の場合は三途の川やお花畑に出会う確率が高く、光体験に出会う確率は比較的低いという結果が出た。同じく、1976年の中国における調査では、欧米とほぼ同じ現象が確認されたものの、光体験や体外離脱体験の頻度はやや低かった。また、昔の日本人の臨死体験には閻魔大王がよく登場したが、現在は殆ど見られない。 スーザン・ブラックモアはインドで12例の臨死体験を収集したが、うち8例が西欧のものと同じだったと述べている。しかし、インドと欧米の体験には相違点も見られている。バージニア大学で生まれ変わりを研究したイアン・スティーヴンソンのグループはインド人の臨死体験を45例収集した。それによると「ヤムラージ」と呼ばれるヒンドゥー教の神が現れる体験が多くを占めた。カーリス・オシスらによるインドでの調査でも同様の現象が見られている。こうした文化による体験の違いについては長く議論の焦点となってきた(→#宗教によるイメージ説)。 文化的影響の少ない子供を対象とした研究から、「体外離脱」「トンネル」「光」の3つの要素のみが普遍的な「コア体験」で、残りは文化的な条件付けを受けた体験であると考える研究者もいる。
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