アゴダ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/17 15:42 UTC 版)
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種類 | 子会社 |
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本社所在地 | ![]() 049712 30 Cecil Street#19-08 Prudential Tower, Singapore 北緯01度16分58秒 東経103度50分59秒 / 北緯1.28278度 東経103.84972度座標: 北緯01度16分58秒 東経103度50分59秒 / 北緯1.28278度 東経103.84972度 |
設立 | 2005年 |
法人番号 | 7700150008360 |
事業内容 | オンラインホテル予約 |
代表者 | オムリ・モーゲンシュテルン(CEO) |
従業員数 | 4,000人以上[1] |
主要株主 | ![]() |
外部リンク | Agoda.com |

アゴダ(英: Agoda.com)は、アジアを中心としたオンラインホテル予約を扱う、ウェブサイトおよびアプリ。
また、Agoda Company Pte. Ltd.は、シンガポールに本社を置く、同サービスを運営するオンライン・トラベル・エージェンシー(Online Travel Agency, OTA)であり、ブッキングドットコムで知られるアメリカ合衆国のブッキング・ホールディングス (NASDAQ: BKNG) の一部門を構成している。
沿革
アゴダ設立まで
1998年に、創業者マイケル・ケニー(Mr.Michael Kenny)によって、PlanetHoliday.comが設立された。初期のコンセプトは、急成長を遂げている検索エンジンを利用して、ホテル及び観光に関する情報を提供することにあった。 PlanetHolidayは、ホテル予約サイトを始めた数少ない企業の1つであり、後には何十億ドルのビジネスへと発展した。
ケニーは、ニューヨークのロングアイランド出身で、1990年初期にタイ王国へと移住し、プーケット島を拠点とし、小規模なウェブサイトを立ち上げた。ウェブサイトと企業は、2000年から2001年にバブルがはじけたインターネット・バブル、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ、2003年に発生したSARSなど、いずれも観光業に大打撃を与えた予期せぬ大惨事を乗り越えて発展している。
2002年に、プーケットからバンコクへと移動し、2003年には、アフィリエイトのウェブサイトを通して予約販売するために、パートナーウェブサイトとして PrecisionReservations.com が加わった。2005年後期に、 PlanetHoliday.comとPrecisionReservations.comが、Agoda Company Pte.Ltd.(アゴダ・カンパニー株式会社)として1つになった[2]。
発展
2007年11月、アゴダ社は、アメリカのプライスラインドットコムにより買収され、3番目の国際的合併となった[3][4](その後の親会社の組織変更に伴い、現在はブッキング・ホールディングスの傘下)。2008年には、Travelmole Web Awards Asia のベストアコモデーションサイトのカテゴリーで賞を獲得した[5]。
2010年4月、本拠地をバンコクからシンガポールに移転[6](ただし最大オフィスは2018年現在も1,000人近い従業員を持つバンコク[7])、また日本に事務所を開設した[8]。CEOは、2010年11月以降、ロバート・ローゼンスタイン(Robert Rosenstein)が務めてきたが[9]、2018年5月、ジョン・W・ブラウン(John W. Brown)が新たにCEOとなった[10]。
2016年時点で、80万軒以上の宿泊施設を掲載している(直接契約分は16万軒)[8]。バンコク、クアラルンプール、東京、シドニー、香港、ブダペストを主な拠点とし、3700人以上の雇用者がおり、日本語を含む40以上の言語で、空室確認・即時予約などができるサービスを提供する[1]。民泊物件に関しては2017年以降、アゴダホームズ(Agoda Homes)の名称でサービス提供を行っている。
日本では、東京や大阪など5か所に拠点を持つ。日本語対応のカスタマーサポートがある。2016年12月、JTBとアゴダ日本法人の業務提携が発表され、2017年1月から、アゴダのウェブサイト上で、JTB取扱のホテルが予約可能となった[11]。2018年7月、楽天のグループ会社の楽天ライフルステイと提携し、楽天ライフルステイの民泊在庫のアゴダへの提供を開始することを発表した[12]。現在は[いつ?]観光庁長官の登録を受けた住宅宿泊仲介業者となっている[13]。
日本の航空会社では、日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)が、アゴダを利用した宿泊施設予約により、マイルが貯まるサービスを行っている。アゴダ専用のバナーを経由し予約するとマイルが貯まる。2016年1月、ポイントマックスと呼ばれるマイル/ポイント提供サービスを開始[14]、同年6月、トップページから航空券の検索が可能となり、同じブッキング・ホールディングスの企業であるKAYAKの航空券情報を参照できる仕様となった。2019年7月、同一ホテルに連泊の場合に各日の安い空室を組み合わせて一括予約可能とするサービス「Mix & Save」を開始した[15]。
ブッキングドットコムとの相違点
アゴダでの検索結果に表示される一部の宿泊施設は、実際には、同じブッキング・ホールディングスの企業であるブッキングドットコムでの契約となる。
アゴダとブッキングドットコムは、決済の形式が異なる。アゴダでは、クレジットカードによるアゴダへの前払いで、ホテルで宿泊料金の支払が不要なのに対し、ブッキングドットコムでは、予約保証のためにクレジットカード番号を通知するものの、決済自体は各宿泊ホテルでされる形式である(ブッキングドットコムにも先払い形式のプランがあるが、その場合でも、決済はホテルの名義で行われる)。このため、アゴダから検索を行い、実際にはブッキングドットコムでの契約となった場合、自動的にブッキングドットコムに予約情報が記録され、料金の請求はホテルが行うことになる。欧米では、アゴダ型のビジネスモデルはマーチャントモデル、ブッキングドットコム型のそれはエージェンシーモデルと呼ばれている[16]。
転売・予約トラブル
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2024年11月18日、ルートインホテルズはAgoda等の海外予約サイトから販売された空室枠について、予約の確認ができないことや、予約情報に相違があること、ホテルで設定した宿泊料金よりも大幅に高い料金で販売されていることなどがあるとして、注意を呼び掛けた[17]。
2025年6月16日、東横インは提携サイトに提供しているホテル空室枠が一部、Agoda等の海外予約サイトで転売され、トラブルが生じているとして公式サイトで注意を呼びかけた[18][19]。6月19日には、フジドリームエアラインズからも旅客取扱代理店契約のないAgodaでの航空券購入のトラブルが生じているとして注意喚起がなされた[20]。
また、Agodaが宿泊施設側に無断で宿泊プランを「1泊夕食付き」から「1泊2食付き」に変更する、全館禁煙の施設に喫煙室での予約を成立させる、宿泊料金が上乗せされる等のトラブルも確認され[21]、これに対して観光庁は債務不履行と判断し、2025年3月に業務改善を要請していた[22]。
この他に、予約情報が宿泊施設側に通知されず、あるいは誤った予約情報が通知され、正しい部屋が確保されていない問題や、ホテルで設定した宿泊料金よりも大幅に高い料金で販売されている、キャンセル不可で販売されている、宿泊数日前にAgoda側からキャンセルされる等の問題も確認されている[23]。
6月24日、星野リゾート代表の星野佳路がXで、観光庁がアゴダに改善要請を行ったという共同通信の報道[24]を引用し、「星野リゾートは、オンラインの旅行エージェントであるAGODAとは契約していないが、AGODAで予約した方が到着し、お部屋を確保できないケースが頻発している。先日もメンテナンス休館していたホテルにAGODA経由の予約者がいらした。AGODAのシステムには何らかの問題がある」[25]とコメントしている[26][27]。
7月17日、オムリ・モーゲンシュテルンCEOは声明を発表し、この"空売り問題"に対する取り組みの一環として、トラブルの要因となった特定の第三者サプライヤーの客室在庫の取り扱いを停止したことや、AIによる事前監視システムの導入や第三者サプライヤーの管理体制の強化を行うことなどを表明した[28]。観光庁の村田茂樹長官は、前日7月16日の記者会見でトラブルの発生状況や改善策の進捗状況の確認を続けると述べている[29]。
脚注
- ^ a b “About Agoda” (英語). Agoda Company Pte. Ltd.. 2023年1月14日閲覧。
- ^ この節全体に関して、以下も参照。“Agoda Company Co-founder Celebrates 10 Years as Travel Entrepreneur” (英語). Agoda Company Pte. Ltd.. 2015年2月1日閲覧。
- ^ “Priceline.com acquires asian online hotel reservation service co Agoda” (英語). ロイター. (2007年11月8日) 2015年2月1日閲覧。
- ^ “Priceline acquires Asian online hotel reservation service Agoda” (英語). domain-b.com. (2007年11月15日) 2015年2月1日閲覧。
- ^ “Agoda Awarded 'Best Accommodation' Website in Asia by TravelMole” (英語). Agoda Company Pte. Ltd.. (2008年3月19日) 2015年2月1日閲覧。
- ^ “Agoda in the News” (英語). Agoda Company Pte.Ltd.. 2016年8月27日閲覧。
- ^ “Agoda Names New CEO as It Aims to Go Global” (英語). Skift (2018年5月9日). 2018年5月10日閲覧。
- ^ a b “アジア大手の旅行予約「アゴダ」の日本戦略とは? 日本人の海外旅行市場からインバウンドまで、責任者に聞いてみた”. トラベルボイス (2016年8月25日). 2016年8月27日閲覧。
- ^ “Interview with CEO of Agoda (Acquired by Priceline)” (英語). Tech Cocktail (2012年2月29日). 2015年2月1日閲覧。
- ^ “アゴダの最高経営責任者にジョン・W・ブラウン氏を任命”. 高知新聞 (2018年5月9日). 2018年5月10日閲覧。
- ^ “JTBとAgoda Services Co., Ltd.が業務提携 地方創生の推進を目的とした、訪日外国人旅行者向け宿泊販売で連携”. PR TIMES (2016年12月20日). 2016年12月22日閲覧。
- ^ “楽天LIFULL STAY、オンライン旅行予約プラットフォームを提供するAgodaと民泊事業で業務提携”. 楽天LIFULL STAY、Agoda Company Pte. Ltd. (2018年7月20日). 2018年8月4日閲覧。
- ^ “住宅宿泊仲介業者 その他留意事項”. 観光庁. 2018年11月10日閲覧。
- ^ “Agoda New rewards system: Earn extra miles when you book on Agoda.com” (英語). HotelPromoBook.com (2016年1月14日). 2016年11月20日閲覧。
- ^ “アゴダ、連泊客向けに新機能、安い客室を組み合わせて予約”. トラベルビジョン (2019年7月22日). 2019年8月3日閲覧。
- ^ “Priceline: Why the online agency model still works for us, especially in Asia-Pacific” (英語). Tnooz (2012年6月19日). 2016年8月27日閲覧。
- ^ “【注意喚起】一部の海外予約サイト(agoda等)ご利用時の注意事項に関するご案内 | ルートイン グランティア知床-斜里駅前-(北海道斜里郡斜里町)”. www.hotel-grantia.co.jp. 2025年7月17日閲覧。
- ^ 東横インで空室「転売」トラブル...部屋確保されないことも 異例の予約サイト「名指し」で注意喚起: J-CAST ニュース
- ^ 【東横イン公式】【注意喚起】一部の海外予約サイト(Agoda等)ご利用時のご注意事項|ホテル・ビジネスホテル予約
- ^ Airlines, Fuji Dream. “重要なお知らせ 詳細”. 航空券予約・購入はフジドリームエアラインズ(FDA). 2025年7月14日閲覧。
- ^ “旅館から怒りの声「勝手に内容を変えて販売し、責任とらないってどうなの?」 宿泊予約サイトAgoda問題 取材に対する回答は… | 熊本のニュース|RKK NEWS|RKK熊本放送”. RKK熊本放送 (2025年6月30日). 2025年7月2日閲覧。
- ^ “【独自】宿泊予約アゴダに改善要請 観光庁、部屋確保されずトラブル”. 47NEWS. 2025年7月17日閲覧。
- ^ “アゴダでホテル予約も「予約自体とれてない」「勝手にキャンセル」トラブル続出 背景には空室枠の転売か|FNNプライムオンライン”. FNNプライムオンライン (2025年6月26日). 2025年7月2日閲覧。
- ^ “【独自】宿泊予約アゴダに改善要請 観光庁、部屋確保されずトラブル”. 47NEWS. 2025年7月2日閲覧。
- ^ @skier1960 (23 June 2025). “星野リゾートは、オンラインの旅行エージェントであるAGODAとは契約していないが...”. X(旧Twitter)より2025年7月2日閲覧.
- ^ “【独自】星野リゾートが語った「アゴダ悪質転売」の生々しい実態…星野代表、異例投稿の裏で起こっていた「被害」(BUSINESS INSIDER JAPAN)”. Yahoo!ニュース. 2025年7月1日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 湯田陽子[編集部] (2025年6月30日). “【独自】星野リゾートが語った「アゴダ悪質転売」の生々しい実態…星野代表、異例投稿の裏で起こっていた「被害」”. Business Insider Japan. 2025年7月2日閲覧。
- ^ eguchi (2025年7月17日). “アゴダ、”空売り問題”でCEOが声明を発表 - 観光経済新聞”. 観光経済新聞 - 1950年創刊の観光業界専門メディア。本社テーマは「観光立国の実現は地方(地域)から」. 2025年7月17日閲覧。
- ^ “「アゴダ」不正業者との取引停止 宿泊予約トラブルに関与”. 47NEWS. 2025年7月17日閲覧。
外部リンク
- アゴダ 公式サイト
- agoda (@agodajapan) - X(旧Twitter)
- agoda(アゴダ) (agodajapan) - Facebook
- モバイルアプリ
- Agoda - App Store
- アゴダ - Google Play
- ビジネスデータ
アゴダ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/12 22:56 UTC 版)
「ブッキング・ホールディングス」の記事における「アゴダ」の解説
2007年にグループ参加。アジアを中心とする宿泊施設予約を扱う。 詳細は「アゴダ」を参照
※この「アゴダ」の解説は、「ブッキング・ホールディングス」の解説の一部です。
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