アウグスチヌスの思想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/12 18:37 UTC 版)
「摂理 (神学)」の記事における「アウグスチヌスの思想」の解説
古代キリスト教の教父、神学者である、司教アウグスチヌスは、森羅万象を貫くその根本にある法則を神の「摂理」と呼んでいる。アウグスチヌスは、世界が神の「摂理」の下にあると信じつつも、ではなぜ世界に悲惨な事象が数多く起こり得るのかについて疑問を感じた。これらの不可解な多くの事象がどのように「摂理」という概念と結びつくのかをアウグスチヌスは探求し、その考察を『神国論』に記した。 歴史学者の近山金次によると、アウグスチヌスは、歴史を神の「摂理」において捉えようとした。アウグスチヌスは『神国論』の記述に当たっても、常に聖書に依拠し、絶えず神の助力を要望したという。アウグスチヌスは歴史哲学の創始者のように見られることが多いが、『神国論』は歴史哲学というより、歴史神学と言うべきであり、アウグスチヌスにとって、歴史は神の「摂理」、神学においてでしか確立し得ないといえる。 また、アウグスチヌスの歴史観は、神の「摂理」の中に歴史の意味を探求するものであり、その意味でヨーロッパの歴史はキリスト教思想抜きに語れないものであり、キリスト教思想の基盤であるキリストの啓示なくしては理解しえないものとして、近山は論じている。
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