アイレム時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 20:59 UTC 版)
大学を出て10年後、友人の紹介で賭博機事業に関わる。当時は巷ではロタミントというドイツ製のメダル式ゲーム機を輸入して100円玉で遊べるように改造する機械が出回っていた。改造したロタミントは1台1ヶ月150万円の売上を叩き出したという。ところが1年後、風営法が改正されてゲーム機で現金を扱うことができなくなり、ビジネスは終焉へ。そんな違法ゲーム機が置かれていた場所にアーケードゲームが設置されるようになっていったことにゲーム業界の将来性を期待し、知己があったカプコン創業者の辻本憲三が立ち上げたアイ・ピー・エム(後に改名してアイレムになり、その後アピエスとアイレムソフトウェアエンジニアリングに分割)に入社する。最初はゲーム機レンタルの営業に関わり、その後海外販売部を創設。1980年にナナオ(現 EIZO)がアイレムを買収し、1983年に辻本がカプコンを創業した後も社内に残り、取締役ゲーム開発部部長として『Moon Patrol』『10ヤードファイト』『ジッピーレース』『スパルタンX』などを制作。1983年にファミリーコンピュータが登場したことを機に、家庭用テレビゲームソフトの開発に乗り出す。1984年、米国のブローダーバンド社から『ロードランナー』のライセンスを取得し、1984年7月にアーケード版『ロードランナー』を発売。それを機にブローダーバンド社との関係を深め、1985年6月に『スペランカー』のライセンスを取得。1985年12月、ファミコン版『スペランカー』発売。1988年3月には、家庭用ゲームの新しい流れを作るべく、高い演算処理能力や画像表示能力をより必要とするアーケードゲームを、家庭用コンソールへ初めての移植となるPCエンジン版『R-Type』(ハドソン)の実現に協力した。なお、北米のゲームマーケットを凌駕した Nintendo Entertainment System は1985年10月18日に発売されたが、任天堂から同時発売されたソフト17タイトルのうち『Kung-Fu(日本語名:スパルタンX)』と『10-Yard Fight』の2タイトルはアイレム時代に制作したアーケードゲームをライセンスしたもので、他の15タイトルは任天堂の開発作品だった。
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