アイザック・ブロックの戦死
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 06:51 UTC 版)
「クィーンストン・ハイツの戦い」の記事における「アイザック・ブロックの戦死」の解説
ジョージ砦では、ブロックがクィーンストンの大砲の音で目覚めていた。ブロックはこれを陽動作戦の一つに過ぎないと考え、少数の分遣隊にクィーンストンに向かうように命じたが、彼自身も数人の副官を連れて早駆けで向かった。ブロックは夜明けごろ村落を通過し、凸角堡に上がって戦場を眺めようとした。 一方、アメリカ軍のウール大尉は、凸角堡にあるイギリスの大砲がアメリカの船に大打撃を与えており、そこは防御が薄いことを見て取ったので、ヴァン・レンセリア大佐と相談して土地の者から聞いていた漁師道を辿って攻撃を掛ける提案をした。ヴァン・レンセリアは傷のために退避してはいたが同意し、ウールが川岸を伝って移動しうまく高地の上まで上り詰めた。ウール隊はブロックが到着したまさにその時に攻撃を開始した。ブロックの少数の部隊と砲兵は村落まで逃げ落ちるしかなかったが、素早く大砲を使えなくしておいた。ブロックはジョージ砦のシェフに使いを送り、できるだけ多くの部隊を連れてクィーンストンに駆けつけるように命じた。続いて援軍を待つよりも即刻凸角堡を奪い返すことに決めた。 ブロックの最初の攻撃は第49連隊のデニスとウィリアムスの中隊および民兵2個中隊で行われた。ウール隊を排除できそうになったが、素早い反撃に逢って一旦後退した。ブロックは最初の攻撃の際に手を負傷したが、副官に「続けよ、勇敢なヨークの雄志よ」と伝えさせた。続いて2回目の攻撃を掛けた。ブロックの軍服の金色の紐飾りや肩章(およびテカムセから贈られた派手なスカーフ)がついた赤色、および長身で活力ある振る舞いは、人目に付きやすく格好の目標になった。ブロックはアメリカ軍狙撃兵の銃弾に倒れた。ブロックの副官マクドネル中佐は元々弁護士で軍隊経験がほとんどなかったが、次の攻撃を率いた。ウール隊は高地への道を上がってきた増援隊に援護され、マクドネル隊の数を上回った。マクドネルの攻撃は失敗し瀕死の重傷を負った。ウィリアムズ大尉も重傷を負い、デニス大尉は軽傷を負った。ブロックとマクドネルの体を引き摺って、イギリス軍はクィーンストンを通り1マイル(1.6キロメートル)北のダーラム農園まで後退した、 伝説によれば、ブロックの最後の言葉は「続けよ、勇敢なヨークの雄志よ」と伝えられている。しかし、ブロックが倒れた時、近くにヨーク兵は居なかったので、ありそうにない話である。歴史家のJ・マッケイ・ヒッツマンによれば、クィーンストンに付いたばかりのヨーク志願兵を勇気付けるために語った言葉であり、後に伝説に置き換えられたと言う。
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