まちづくりの考え方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 03:26 UTC 版)
開通している日本の鉄軌道(JR・民鉄・公営交通)全線を完乗(2007年3月現在)。ただ乗ることに興味があるわけではなく、鉄道というシステムやどんな人が乗っているのかに興味がある。また、都市の起源や歴史、盛衰に関しての興味を持ち、受験生時代には受験科目に関係ない「地理」の独学に励み、すでに彼の出身地である山口県、中国地方での高速道路や鉄道整備によるストロー現象を発見していたという。全国の都市への訪問はそうした好奇心が動機となって始まったものであり、当初はほとんどが私費旅行であったという。この経験が彼のまちづくりの考え方の原点になっている。 全国各地に無数の定点観測点を持ち、市町村関係の最新の統計数字や地域特性を踏まえた上で分析するのが最大の特徴である。地域経済、観光、人口動態を詳細に調査し、全国各地で年間400回以上の講演会をこなしている。 藻谷は日本全国のほとんどの都市を旅行した経験から、現地を歩いて回り、また市町村関係の統計数字や地域特性を詳しく把握した上で、その都市の抱える問題点を解析し、現場の実例も紹介しながらその都市の中心市街地活性化などまちづくりのあり方を提言している。その主張の特徴は、生産人口が激減するという時代の大きな変わり目にあっても、なおバブル時代に夢みた高地価を前提にまちづくりを考えていては、失敗は避けられないことを看破した点にある。 中心市街地に必要なのは、まず人が住んでいること、次に職場があること、それから公共施設あるいは病院といったコミュニティー機能があることであり、最後に商業があることだとし、そのためには住居を好き放題に郊外に分散させてきたやり方を改めるだけではなく、地権者自らが家賃を下げ新しい住人を受け入れていけるような仕組みをつくり、商売を続ける意欲のない商店主は、むしろ割り切って若者が住み、新しい商売をできるようにすることが大切だと主張している。
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