ヒート‐ポンプ【heat pump】
読み方:ひーとぽんぷ
水・空気などの低温の物体から熱を吸収し、高温の物体に与える装置。冷暖房や蒸発装置などに応用。熱ポンプ。
[補説] ヒートポンプの内部では、アンモニアや二酸化炭素などの冷媒が、減圧されて低温になる状態と加圧されて高温になる状態を繰り返しながら循環している。これを暖房・給湯に利用する場合は、低温の冷媒を外気や水などと間接的に接触させて熱を取り込み、さらに冷媒をコンプレッサーで圧縮して高温にしてから、室内の空気や給湯用の水を温める。冷房・冷蔵に利用する場合は逆に、高温の冷媒を外気などと間接的に接触させて熱を放出し、さらに膨張弁で減圧して低温にしてから、室内や冷蔵庫内の空気を冷却する。電力などの動力は主にコンプレッサーを駆動するために消費されるが、その消費量に比べてより大きな熱量を得ることができる。このように冷媒を圧縮して循環させる方式(圧縮式)のほか、水などの冷媒が臭化リチウムなどの吸収剤に蒸発吸収されるときの気化熱を利用する方式(吸収式)もある。
ヒート・ポンプ
【英】: heat pump
ヒート・ポンプ(熱ポンプ)は熱エネルギーを低温の熱だめよりくみ揚げ、これを高温の熱だめに移すものである。 代表的なヒート・ポンプとして、沸点が大気温度に近い流体を熱媒体とし、圧縮機を機械的入力とし、低温大気と高温大気とを低温・高温それぞれの熱だめとする暖房または冷暖・冷凍システムがある。ヒート・ポンプは、必要とする入力エネルギーに対してはるかに大きい熱エネルギーを運ぶことができるので、現在有効に利用されないまま大気や川や海に放出されている 90 ℃以下の廃ガスとか冷却廃水を低温側の熱だめとし、ヒート・ポンプにより、より利用価値の高い高温熱を作れば、低温の廃エネルギーを有効に再利用できることになり、省エネルギーを実現することができる。一般に、電気駆動のヒート・ポンプは、高温熱だめと低温熱だめとの温度差が大きくなると省エネルギー効果は薄れ、設備費も大きくなる。新型のヒート・ポンプとして、吸収式ヒート・ポンプがあるが、これは化学物質の溶解熱を応用したものであり、わが国においても工業的に利用されつつある。 |

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