ぬるぽワーム
ぬるぽワームとは、コンピュータワームの一種で、ファイル共有ソフト「Winny」で形成されたP2P(Peer to Peer)のネットワークを通じて感染を広げた、トロイの木馬タイプのワームの通称である。正式には「Antinny.A」と呼ばれている。
ぬるぽワームはWindowsを対象として感染する。実行ファイルの形式になっており、それがぬるぽワームであると知らずに実行すると、偽装としてフォルダの実行エラーを知らせるエラーメッセージを出力しながら、実際には感染活動を成功させる。Winnyのファイルリストから名称をコピーして自らをWinnyのアップロードフォルダに置き、他のWinnyユーザーにダウンロードされる状態にする。これによってネットワーク上に広範に感染することに成功した。
ぬるぽワームは、PCをクラッシュさせるような感染被害は比較的軽微だが、PC内の情報を外部に流出させるという挙動をとり、むしろ社会的に重大な被害をもたらした。とりわけ、一部の官公庁や大企業では、私物のパソコンで保存されていた機密情報がWinnyを通じて暴露され、社会問題にもなった。2003年から2004年にかけてのことである。
ぬるぽワームの名称は、win.iniのセクションに「ぬるぽ」セクションを書き込むことに由来する。「ぬるぽ」とは、プログラミングにおいて遭遇する例外「NullPointerException」(Nullポインター例外)の俗称である。
参照リンク
Winny、Antinnyに関するFAQ - (情報処理推進機構:セキュリティセンター)
Antinny
(ぬるぽワーム から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/09 16:47 UTC 版)
Antinny(アンチニー / アンティニー)は、2003年8月に発見された[1]、Microsoft Windows上でワーム活動を行うコンピュータウイルスである。Winnyなどのファイル共有ソフトの機能を利用して、感染したパソコンに保存されているファイルをインターネット上に公開するように動作するため、暴露ウイルスとも呼ばれる。
- ^ ASCII.jpデジタル用語辞典. “Antinnyとは”. コトバンク. 2021年9月17日閲覧。
- ^ 官房長官発表
- ^ a b 佐々木俊尚 (2004年5月27日). “インターネット事件簿 第12回 Winnyのもうひとつの脅威 個人情報暴露の実態”. INTERNET Watch. インプレス. 2023年3月10日閲覧。
- 1 Antinnyとは
- 2 Antinnyの概要
- 3 概要
- 4 被害の状況
- 5 その他
- ぬるぽワームのページへのリンク