なし崩しとは? わかりやすく解説

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なし崩し

読み方:なしくずし

なし崩しとは、物事徐々に変化し徐々に崩れていく様子を表す言葉である。主に、計画規則制度などが、当初の目的意図から外れて次第形骸化していく様子を指す。また、人間関係状況が、徐々に変化し次第悪化していく様子も表すことがある。この言葉は、漢字の「崩れる」という意味を持つ「崩し」に、「なし」という言葉付いていることから、「何もなしに崩れる」という意味合いがある。

なし崩しは、ビジネス政治人間関係など様々な分野用いられる言葉である。例えば、企業経営方針徐々に変更し従業員働き方組織の構造次第変化していく様子や、政治家政策徐々に変更し国民の生活や社会あり方次第変化していく様子を指すことがあるまた、友人家族など人間関係が、徐々に変化し次第悪化していく様子を表すこともある。

なし崩し

読み方:なしくずし
別表記:済し崩し済しくずしなし崩し的

「なし崩し」とは、「物事少しずつ変えていくこと」「徐々に形勢変えていってその流れ任せて進めようとすること」「理由きっかけうやむやのまま状況変えきってしまうこと」などの意味用いられる表現である。「なかったことにする」という意味で用いられる場合もあるが、これは本来は誤用である。

「なし崩し」と「なし崩し的」

「なし崩し」は、「的」の語をつけて「なし崩し的」の形で用いられることも多い。「なし崩しに変更される」とも「なし崩し的変更される」とも表現できる。意味は同じである。

「なし崩し」の本来の意味

「なし崩し」は漢字では「済し崩しと書く。「済す(な-す)」は「借金返済する」「税を納める」といった務めを果たすことを意味する語である。本来、「なし崩し(済し崩し)」は「借金少しずつ返済していくこと」を意味した

今日では借金返済や税の納付のしかたを指す意味で「なし崩し」と表現することは稀であり、もっぱら流れ任せて状況が変わるところまで進める」「ターニングポイント曖昧なまま事を進める」といった意味合い用いられている。

「なし崩し=無し崩し」は誤用である

借金返し方について「なし崩しに~」と表現する場合、これを「借金を無なかったことにする」「借金がある事実うやむやにする」という意味と解釈される場合がある。恐らく「なし」が「無し」の意と推察されやすいためと思われるが、これは誤用である。「なし崩し」に「無なかったことにする」という意味はない。

「なし崩し」の用例


なし‐くずし〔‐くづし〕【済し崩し】

読み方:なしくずし

物事少しずつかたづけていくこと。「—に努力する

物事少しずつ変化させ、うやむやにしてしまうこと。「企画が—に変更される」「新体制に—的に移行した

借金少しずつ返すこと。

高利にして廿年符の、あたまから—の貸しやうに」〈浮・親仁形気・四〉

[補説] 文化庁発表した平成29年度国語に関する世論調査」では、「借金なし崩しにする」を、「少しずつ返していくこと」で使う人が19.5パーセント、「なかったことにすること」で使う人が65.6パーセントという結果出ている。


「なし崩し」の例文・使い方・用例・文例

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