とぼ・す【▽点す/▽灯す】
とぼす
方言 | 意味 |
とぼす | 「灯(とも)す」のなまり。 |
点
- 同上(※「とる」参照)。「交合(とぼす)」と書きしもあり。『末摘花』には「犯(とぼ)す」と書けり。狂句「とぼさせる招牌、軒に御神灯」「とぼす」の語原不詳なり。或は女陰を「火処(ほと)」と云へるに因るか。
- 点。性交す。俗語。犯(とぼ)す。江戸時代の末年から通人の盛んに用ひし語。女陰を火処(ほと)といへるにより云ひ出でしかとの説あり。「小野股倉噓字尽」に「開へ玉茎を入るをとぼすといふは両方にて気をやりし時ぬらぬらぬらと流れいづる陰水だらうそくの流の如くなればろうそくをとぼすの義によつて号とぞ」とあり。「一休禅師諸色問答」巻下に問「ともしびを消して初めるむつ言をとぼすとぼすと人は云ふなり」答「門(かど)ちがひしたるためしも非ればやみにはあれどとぼすとはいふ」とあり。又「街談文々要集」文化十年の巻に「古法を破り度数をも極めず猥りにとぼし候義有之、自然と淫水をもつかひ過し候やに相当り」とあり。雑誌「芸文」に某氏の説として「古事記に現れたる火の神(?)」とかいふ論文の末に「『とぼす』といふ語は建築上の用語『とぼそ』の転語であつて扉の堅框の上下に突出してゐる部分今は之を軸といふが古語で『とまら』といつたそして其軸のはまる穴を古は『とばそ』又は『とほと』と云つたので右の軸(トマラ)を軸穴(トボソ)に合致させるといふことを男女の性的動作になぞらへて『とぼそ』といふ語が性交の意を表はすに至り、後転じて『とぼす』といふ動詞に変化したのである」との意を記載しありたり。「とぼさうといへば消しなと女房いひ」「とぼしたであかりのたたぬ居候」「とぼさせて胸のやけるに下女こまり」「とぼさせる招牌軒に御神燈」。
- 交会すること。建築用語の「トボソ」の転訛。
- 男女交接のこと、燃やす意から心を燃やす意味にしたもの。
「とぼす」の例文・使い方・用例・文例
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