その他の小道具・タイアップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 04:33 UTC 版)
「拳銃は俺のパスポート」の記事における「その他の小道具・タイアップ」の解説
宍戸はラストで「冬のハエ」を出すことを提案したのは自分であったと語っている。宍戸自身、撮影中のシーズンが冬であったので無理な提案だったかとも考えたが、意外にもスタッフは大量のハエを造作なく調達してきた。彼らは日活撮影所食堂の厨房に飛ぶハエを捕まえてきたのである。 作中で上村はスイス製の超高級腕時計バセロン・コンスタンチンを着用しており、幾度かクローズアップで登場するが、これは宍戸の私物であった。この時計は宍戸が所蔵していた多くの映画関係資料と共に、2012年の宍戸宅全焼で失われたという。 冒頭の暗殺で使用したライフルの処分に利用されたスクラップ工場「日本カーベキュー」は千葉県船橋市に工場のあった実在の企業で、1965年創業。自動車の廃車体を回転させながらバーナーにかけ、余分な付属品を焼き落としてからスクラップ処理する、日本独自の「カーベキュー」方式のはしりとなった企業であった(後年、自動車スクラップ処理の技術は、加工後の鉄材品質に勝るシュレッダー方式が導入され、現代まで主流となっている)。映画では短いシークエンスながらバーナー焼却→圧縮→ブロック状のスクラップ化、という過程をたどる同社の加工処理が描写されており、タイアップ的な意図があったことがうかがわれる。同社の工場はほかにもテレビドラマなどでの協力事例がある。 犯罪証拠物の隠滅シーンにスクラップ会社がタイアップしたことは、大和運輸のマーク入りトラック強奪と並んで後年の常識では考えにくいが、1960年代当時のプログラムピクチャーでは「製作主任が作品内容は精査せずに外部企業とタイアップの渡りをつけてくる」「演出側がタイアップ企業の設備・看板・商品類を無茶苦茶な形で用いる」ことは枚挙にいとまのないことであった。
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