この表記法の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 16:20 UTC 版)
「文化観光部2000年式」の記事における「この表記法の特徴」の解説
韓国では以前から様々な転写方式が試みられていた。言語学など学術分野では、ハングルを厳密に転写するイェール式が用いられているが、綴りと発音の乖離が激しく、読みにくいため、一般に用いられることはない。 一般には、マッキューン=ライシャワー式や、それに近い方式が用いられてきた。ハングルは表音文字だが、朝鮮語の正書法の特性上、綴りと発音の間には複雑な対応規則がある。マッキューン=ライシャワー式は、ハングルの忠実な転写ではなく厳密ではないが、発音を考慮した表記となっているため、英語話者に親しみやすい。しかし、マッキューン=ライシャワー式で用いられる記号(ブレーヴェやアポストロフィー等)が、しばしば省略され混乱をまねくという、中国語のウェード式と同様の問題がある。そのため、この表記法の定められる前に使われていた文教部1984年式(朝鮮語のローマ字表記法も参照)についても、正確な運用がされず1984年以前に用いられていた表記法(文教部1959年式)と混用されていた。また、朝鮮語では音韻的区別のない有声・無声音を書き分けるので、訓練を受けていない韓国人には難しいという不満もあった。このため、1984年以前に用いられていた方式を基に定められたのがこの表記法である。 この表記法は、マッキューン=ライシャワー式と同様、ハングルの忠実な転写ではない。従って、ラテン文字表記から機械的に元のハングル綴りを復元することはできない。マッキューン=ライシャワー式と比べると、ブレーヴェを廃し、記号の使用を限定している。また、子音の規則も単純化している。マッキューン=ライシャワー式が、英語話者に親しみやすいように、有気・無気の対立にくわえて、有声・無声も識別しているのに対し、この方式は、音節頭の無気音をG, B, J、有気音をK, P, CHと機械的に書き分ける。また、"시"は、shi(X-SAMPA:/Si/)に近く発音され、文教部1984年式でもshiと表記されていたが、この方式では朝鮮語の音韻体系に従ってsiと表記する。このように、朝鮮語を知らない外国人を戸惑わせる点が少なくなく、英語話者に不親切な方式だが、かといって音声学的にも音韻論的にも朝鮮語の発音を忠実に反映したものではない折衷方式である。 これについて、この方式の擁護者は、中国語のラテン文字表記法においても、ピンイン表記は欧米人に理解できないという批判が長く続いたが、現在では英語でもピンイン表記が採用されていることを例にあげ、このような問題は、別言語を転写する場合には必ず起こりうることであって、朝鮮語のラテン文字表記が完全に定着するためにはさらに時日が必要だろうと主張している。 また、地名にも徹底して適用することによって「統一」への強い意気込みを示している。第二都市である釜山の表記を「Pusan」から「Busan」へ改めたのはその象徴であろう。ただ、この公示が出される以前に定着していた商標までは改められず「Samsung」や「Hyundai」といったこの表記法を逸脱した運用は解消される見込みはない。また、人名までは徹底されず同じ名前であっても個々人で表記が異なるという問題は解消されていない。
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