『Gears of War』へのこだわり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/03 08:41 UTC 版)
「クリフ・ブレジンスキー」の記事における「『Gears of War』へのこだわり」の解説
彼はテレビゲーム以外にもエアガンを使ったサバイバルゲーム(ペイントボール)が好きらしく、よくアウトドアさながらに外で遊ぶという。このことは『Gears of War』の説明書でも本人が語っている。しかし、その後でテレビゲームをして彼は「キャラクターの動きに大きな違和感」を感じたのだという。映画や漫画などで見かける普通の銃撃戦は物陰などのカバー・ポジションに隠れて戦うが、テレビゲームの銃撃戦というのは『マトリックス』さながらに飛び跳ねたり、サイドステップで横滑りしながら銃を撃つなど、実際の銃撃戦ではあり得ない光景であった。 そこでクリフは『Gears of War』に「カバー・ポジション」と呼ばれるシステムを採用した。これは文字通り物陰などに隠れる(カバーする)アクションであり、している間は敵の銃撃から身を隠せる上に周囲を簡単に見回すことが出来るというアドバンテージが得られる。というよりは、このゲームは「立ち止まっての銃撃」を基本としているので、敵と戦う際は必ずカバーをしなければ「蜂の巣」にされるのである。よって必然的に『Gears of War』の銃撃戦はスピーディーかつリアルなものとなった。『Gears of War』はこのカバー・ポジションとリアルなグラフィック、洗練されたデザインのおかげで開発側の予測を遥かに超えるメガヒットを記録した(ちなみにE3で公開された際はビル・ゲイツ本人から激励を受けた)。このゲームはオンライン対戦も大変好評で、当時王者だった『Halo 2』をも上回ったという。 元々『Gears of war』(以下『ギアーズ』)はUnrealシリーズのひとつ『アンリアル・ウォーフェア』(Unreal Warfare)として開発されていたらしい。しかし、彼は気晴らしに遊んでいたナムコホームテック(バンダイナムコゲームス)のアクションゲーム『キル・スウィッチ』(Kill Switch)に大きなインパクトを受けた。上記にもあるようにゲームの銃撃戦に違和感を抱いていたクリフだが、このゲームではレインボーシックス ベガスやウィンバックのように『物陰に隠れる』などのカバー・アクションを採用しており、まさにシネマティックな光景を映し出していた。更に当時、『バイオハザード4』が大ブレイクしており、元々ファーストパーソン・シューティングゲームだった『ギアーズ』もこれの影響を受けサードパーソン・シューティングとなった。 その『ギアーズ』の最大の象徴といえるのは、チェーンソーつきのランサー・アサルトライフルである。しかし、日本より暴力表現規制が明確にゾーニングされているアメリカとはいえ、『テキサス・チェーンソー』さながらに「人体を切断する」というのはかなり問題視されていたようである。そして一時期はその表現の問題からチェーンソーをやめて、一般的なグレネード・ランチャーやショットガン・ユニットをランサーの下に取り付けることも考えられた。しかし、ライフルとチェーンソウという誰も考え付かないようなシュールなコラボレーションをどうしても実現したかったらしく、苦労の末現在のランサーが誕生したのである。この件も『ギアーズ1』の特典映像からの出展である。
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