『神々の評議会』
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「マリー・ド・メディシスの生涯」の記事における「『神々の評議会』」の解説
『神々の評議会』は、マリーが新たな摂政としてフランス政権を引き継いだことを記念する作品で、王室の婚姻政策によってヨーロッパ諸国間に長きにわたる平和をもたらそうとしたことを表現した絵画である。 キューピッドとユノが、平和と愛をそれぞれ象徴する半円球を、二羽のハトとともに一体の円球にしようとしている。当時のマリーはフランスとスペインの関係強化を意図し、息子のルイ13世とスペイン王女アナとの結婚、娘のエリザベートとスペイン王太子フェリペとの二重結婚を望んでいた。マリーにとって、フランスとスペインとの同盟はその治世における最重要事項であり、両国の関係強化を通じてヨーロッパ全体の平和に貢献することがマリーの大いなる目的でもあった。 『神々の評議会』は『マリー・ド・メディシスの生涯』のなかでも評価が低い作品の一つといわれている。『神々の評議会』には、マリーが摂政として政権を担っていた時代に、いかに注意深くフランス王国を運営していたのかが描かれている。反逆や騒乱を乗り越える情景などは、アンリ4世の治世晩年の政策や理想を引き継ごうとしていたことを示唆している。この作品では、特定の場所、時期、出来事ではなく、様々な古代神話の神々で表現された天界が描かれている。このため、この作品の主題を判断することは難しい。描かれている神話上の神々は、擬人化された不和、憎悪、憤激、嫉妬を打ち倒す前景のアポロンとパラス、そして後景には、ネプトゥヌス、プルート、サトゥルヌス、メルクリウス、ファウヌス、フロラ、ユウェンタス、ポモナ、アプロディテ、マルス、ユピテル、ユノ、キューピッド、ディアナである。この神々と天界の情景は、マリーが平和裏にフランス王国を統治していたことを表している。
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