『東潜夫論』
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幕末の時代に、萬里が社会経済、国防の改革を論じた書が三巻からなる『東潜夫論』である。その内容は、王室、覇府、諸侯の三項で構成されている。 王室第一では、朝廷が文教と礼楽を主導して、文教では儒学をはじめ蘭学、仏教学、国学の振興に努めることを主張している。 覇府第二は、幕府が政刑を担当し、強力な中央集権制を確立するために譜代大名の配置、貢租制、貨幣制度、都市計画、学制、寺院対策、外国貿易、蝦夷と樺太の開拓など、諸改革および新政策採用と、積極的な外国の侵略防備策を主張している。侵略防備策として、西力東漸に備え洋式大艦建造、大砲・鉄砲の充実と訓練、大名城郭の石造、南北国境に大名を封じ防御体制を充実すべきことを説いている。 諸侯第三では、不正と賄賂の横行により乱れた藩政の刷新を行う必要があること、さらには武士土着と江戸留守居・大坂蔵屋敷もの留守居の廃止などを勧告している。
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