『月姫』以降、商業作品並のヒットも(2000年〜)
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同人サークル「TYPE-MOON」が2000年コミックマーケット夏に体験版『月姫(半月版)』、同年コミックマーケット冬に完全版『月姫』を頒布。 商業化された、あるいは商業ゲーム並のクオリティの同人ゲームは過去にも少なからずあったが、CD-ROMによる大容量化でメーカーが莫大な作業量と開発費を投入するようになった時代以降に、質的にも販売本数でも商業作品に遜色無いという点で『月姫』は歴史的な作品と言える。 『月姫』はインターネットや同人活動により話題が広まり、一次創作の同人ゲームとしては異例の話題作となり、さらに同人作品を題材にした二次創作物も多数生まれる現象まで起こった。その後、『月姫』はアニメ化・漫画化もされ、商業の場においてメディアミックス展開を見せることにもなった。 2002年コミックマーケット冬、「渡辺製作所」と共同開発する形で『月姫』の公式同人対戦型格闘ゲーム『MELTY BLOOD』を頒布する。『MELTY BLOOD』はアーケードゲーム化・コンシューマゲーム化・漫画化など、こちらも同人の枠を越えるヒットとなる。 「TYPE-MOON」は同人ゲーム第2段『Fate/stay night』の制作を発表したが、制作規模が大きくなり過ぎたために法人化(有限会社ノーツを設立)して商業作品第1段『Fate/stay night』として発売した。法人化により、サークルとしての「TYPE-MOON」は休止する(それ以降はノーツのアダルトゲーム用ブランドとして残されている)。 一方、「上海アリス幻樂団」は弾幕系シューティングゲーム『東方Project』と呼ばれる一連の作品群を1996年から継続して発表していた。継続的に発表するうちに、商業作品に劣らない本数を売り上げるシューティングゲームとして徐々に話題になる。2004年コミックマーケット冬に、「黄昏フロンティア」と提携し、格闘ゲーム『東方萃夢想 〜 Immaterial and Missing Power.』を頒布する。 「07th Expansion」は2002年コミックマーケット夏より『ひぐらしのなく頃に』シリーズを発表し始める。当初は同人ショップ委託をしなかったために話題にならなかった。2004年5月に体験版として第1話『ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編』を丸ごとダウンロードできるようにすると、インターネットと口コミにより話題になる。『ひぐらしのなく頃に』は、アニメ化・漫画化・コンシューマゲーム化・ドラマCD化・書籍化・実写映画化され、同人の枠を飛び出たヒットに繋がる。『ひぐらしのなく頃に』は、性的な描写を含むアダルト作品が多い同人ゲーム界において、あえて性的描写を廃した一般向けとして扱い、ヒットした異色の作品であった。なお、性的描写は無いものの殺傷描写が多く含まれている。 2006年コミックマーケット冬に、「黄昏フロンティア」と提携し、対戦アクションゲーム『ひぐらしデイブレイク』を頒布する。2007年コミックマーケット夏より、「07th Expansion」はノベルゲームシリーズ第2段『うみねこのなく頃に』シリーズを発表中。 『月姫』の商業的成功以後、漫画業界でのそれと同じく、市販ソフトのメーカーで働くプロが副業として同人ゲームを制作販売する例も見られるようになった。2006年、「FLAT」の『キラークイーン』は、シナリオにプロの健速、声優もプロを起用し、話題になった。2008年『キラークイーン』はコンシューマ化された。
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