『塩と硫黄』とは? わかりやすく解説

『塩と硫黄』(1960)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 14:32 UTC 版)

アンナ・ラングフュス」の記事における「『塩と硫黄』(1960)」の解説

次作『砂の荷物』共通の主人公マリア作者ラングフュスの分身であり、また、「マリア」ゲットーまたは強制収容所亡くなった彼女の母の名前であり、娘の名前でもある。本作品は、ワルシャワ・ゲットー隔離されユダヤ人女性とその夫が、逃亡中にポーランド人の裏切りに遭いスパイ容疑逮捕されユダヤ人であることを認めた夫は処刑され、対独抵抗運動であったマリアゲシュタポにより刑務所収監されるといった、ラングフュスの戦争体験に基づく自伝的な小説である。本書には(ワルシャワ・ゲットーからトレブリンカ強制収容所移送するユダヤ人集めた)ウムシュラークプラッツ(集荷場)の様子描かれている。ルブリン地区親衛隊警察統括責任者オディロ・グロボクニクのもと、この大規模移送準備命じられたのはアダム・チェルニャクフユダヤ人評議会であったマリアは、ウムシュラークプラッツの監視当たっていたユダヤ人警察官に助けられ、無事、両親のもとに帰りつくが、これがゲットー脱出契機になっている書名の「塩と硫黄」は、次の申命記2923節によるものであり、「ユダヤ人対す憎悪人間残虐性人間道徳尊厳崩壊」を暗示している。 全地は硫黄となり、塩となり、焼け土となって、種もまかれず、実も結ばず、なんの生じなくなって、むかし主が怒り憤りをもって滅ぼされソドムゴモラアデマゼボイム破滅のようである。

※この「『塩と硫黄』(1960)」の解説は、「アンナ・ラングフュス」の解説の一部です。
「『塩と硫黄』(1960)」を含む「アンナ・ラングフュス」の記事については、「アンナ・ラングフュス」の概要を参照ください。

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