『哲学への寄与論稿』とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 『哲学への寄与論稿』の意味・解説 

『哲学への寄与論稿』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:40 UTC 版)

マルティン・ハイデッガー」の記事における「『哲学への寄与論稿』」の解説

1936-1938年にハイデッガー公表されざる膨大な覚書を残す。あらゆるものや自然が迅速に算定され組織的な操業変えられていくなかで人間自己喪失終わりのない過程となる。この根こそぎ喪失へむけて異様な語彙駆使した思索残した死後にクロスターマン版全集65巻『哲学への寄与論稿』として刊行された。『哲学への寄与論稿』では用語は特異なものになる。そこに書かれたのは神が必需とする存在(他に有・また原存在訳語 Seyn)であり拒絶(Verweigerung)が、存在(Seyn)の呼びかけ現-存在聴従帰属(すなわち呼びかけへの応答)の「対抗躍動」として、底無し深淵Abgrund)として、人間という場において開けていく性起(他に自現の訳語 Ereignis)である。この動態は「開け透かす覆蔵」、「語り拒み語り与え]」といった言い回しあらわされ覆蔵として、また語り拒みとしての贈与とされる。それは単なる自己隠匿ではない、むしろ「自らを覆蔵するものがそのものとして自らを開き明けること」という意味で差し向け親密さであり拒絶差し向けとしての開け・最高の贈与である。また悟性理性といった人間知による確認算出不可能である。存在(Seyn)の開け没落要求し、その者たちは守護された炎の中で焼き尽くされる。その犠牲存在に立ち去られることからの退路であり、それは「反-動的な者たち」の「活動」とは全く別である。「反-動的な者たち」は「近視眼的見られ従来のものに盲目的にしがみつく」だけである。そのように存在者は回復経験する人間はこの存在(Seyn)の開け見守ることしかできない。これらはハイデッガー従来からの命題既在的に将来すること」の深化でありすなわち歴史的でありまた予言的ともみえ、高度資本主義社会における実存不可解暗示しているかにもみえる。いま重要なのはこの覚書現実との接点のない詩・絵空事・夢であると決めつけず、また一部研究者のいうような単なるアイデア貯蔵庫」とかたずけ良しとせず、また黙示録性にたいし臆せず現在の時代性において読み説くことであろう

※この「『哲学への寄与論稿』」の解説は、「マルティン・ハイデッガー」の解説の一部です。
「『哲学への寄与論稿』」を含む「マルティン・ハイデッガー」の記事については、「マルティン・ハイデッガー」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「『哲学への寄与論稿』」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「『哲学への寄与論稿』」の関連用語

『哲学への寄与論稿』のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



『哲学への寄与論稿』のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのマルティン・ハイデッガー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS