『オルナンの埋葬』と『画家のアトリエ』
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「ギュスターヴ・クールベ」の記事における「『オルナンの埋葬』と『画家のアトリエ』」の解説
詳細は「オルナンの埋葬」および「画家のアトリエ」を参照 今ではクールベの代表作とされている、大作『オルナンの埋葬』も、発表当時の評判はさんざんであった。この絵にクールベが付けた題名は『オルナンの埋葬に関する歴史画』というものだった。当時のフランスの人々にとって「歴史画」とは、古代の神々、殉教者、英雄、帝王などを理想化された姿で描いた格調高い絵画のことであった。これに対し、オルナンという、山奥の田舎町の葬式に集まった名もない人々という主題を、まるで歴史上の大事件のように扱い、このような巨大な画面(縦約3.1メートル、横約6.6メートル)に表して「歴史画」と称するのは当時としては常識はずれのことだった。 もう一つの代表作『画家のアトリエ』も大作である(縦約3.6メートル、横約6メートル)。この作品には「私のアトリエの内部、わが7年間の芸術的な生涯を要約する現実的寓意」という長い副題が付せられている。「寓意画」とは、たとえば「愛」「真実」「信仰」「死」のような目に見えないもの、形のないものを擬人化したり、静物画で表したりする、西洋絵画の伝統的な主題の一つであるが、クールベは、アトリエで制作する自分自身の姿と、周囲に集まる30人ほどの人々を描写したこの絵を「寓意」だと言っている。画中に描かれた人物たちは、全員が何らかの「寓意」を表しているとされ、知人で作家のシャンフルーリに出した手紙でこう説明されている。 舞台はパリの私のアトリエです。画面は二つの部分に分かれています。真ん中で私が描いています。右側は株主たちすべて、つまり友人たち、労働者たち、芸術界の愛好家たちです。左側は野卑な生活の別の世界で、民衆、悲惨、貧困、富、搾取者、被搾取者、死によって生きる人々です。 クールベは、上記2作品のようなグループ肖像画のほか、森の中の動物を主題にした風景画や、官能的な裸婦像などにも傑作を遺している。
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