「遊び」の類型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 14:45 UTC 版)
カイヨワは『遊びと人間』のなかで、遊びを次の4つの要素に分類している。 アゴン(競争) :運動や格闘技、子供のかけっこ、ほか。 アレア(偶然) :くじ(宝くじなど)、じゃんけん、サイコロ遊び、賭博(ルーレット・競馬など)、ほか。 ミミクリ(模倣) :演劇、絵画、カラオケ、物真似、積み木、ごっこ遊び(ままごとなど)、ほか。 イリンクス(めまい) :メリーゴーランド、ジェットコースター、ブランコ、スキー、ほか。 ほとんどのスポーツ、チェス・将棋・囲碁・リバーシなどのボードゲーム(マインドスポーツ)、クイズなどの知的ゲームはアゴンに属し、ホイジンガは、学問や政治はアゴンの進化したものととらえる。この4類型を複合させることも可能であり、たとえば、麻雀やトランプはアゴンとアレアがミックスされたものであるといえる。 また、それぞれの類型においてルドゥスとパイディアという2つのモード(スタイル、様式)があり、前者は確然としたルール的制約の存在するものであり、後者はルールらしいルールがなく、あってもごく緩やかなものである。同じアゴンであってもボクシングや柔道、レスリングはルドゥスに属するのに対し、ただの取っ組み合いはパイディアである。 一面において、「遊び」は人生に不可欠の資質がベースとなっている。アゴンは闘争本能、アレアは決断力や胆力、ミミクリは模倣本能、イリンクスは不快感にたえる忍耐力を必要とする。したがって、「遊び」はこうした人生に不可欠な資質を無駄遣いしながら、それを鍛錬する場ともなっている。
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