「専守防衛」との整合性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 08:56 UTC 版)
「敵基地攻撃能力」の記事における「「専守防衛」との整合性」の解説
しかし、この問題は日本が戦後長く続けてきた「専守防衛」の理念とも絡み、政府も一枚岩ではない。「専守防衛」とは、日本国憲法第9条2項による戦力不保持の理念と、現に自衛隊が存在する現実とのせめぎあいの間で生まれた概念で、日米安全保障条約のもとで、国防を担うとするものである。これに基づいて日本は長い間、弾道ミサイルのような兵器は保持しないとしてきた。 たとえば、1970年に中国が核実験に成功し、北朝鮮が弾道ミサイルを発射して緊張状態にあった時に、当時の中曽根康弘防衛庁長官はこう答弁した。 明らかに日本の自衛行為や自衛力には限界があると思います。文民優位を徹底するということ、非攻撃性の装備でなければならない、徴兵を行なわない、海外出兵を行なわない、これらは日本国憲法の命ずるところであると解します。(中略)私は日本国憲法の命ずるところに従い、従来どおり専守防衛を目的とする日本独自の安全保障体制を整え、平和憲法下における独立国家として当然行なうべき努力を遂行しようと思っております。 — 1970年の中曽根康弘防衛庁長官答弁(1970年2月29日、参院本会議) そして、相手が発射する前に探知し攻撃するのであれば、たとえ自衛のためだったとしても「先制攻撃はしない」としてきた従来の主張ともぶつかり合うこととなる。
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