「学級崩壊」からいじめへ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/02 02:14 UTC 版)
「桐生市小学生いじめ自殺事件」の記事における「「学級崩壊」からいじめへ」の解説
混乱は給食時だけではなく、一部の児童がおしゃべりなどで授業を妨害しても、「先生は優しいからみんな言うことを聞かなかった」と複数の児童が証言する。こうした状況を、教育評論家の尾木直樹(法政大学教授)は「典型的な学級崩壊」と呼んだ。また、河村茂雄(早稲田大学教育学部教授)は、女児の学級を「なれあい型」と呼び、「教諭は個々の子供に優しいが、規則が徹底されず、子供同士の対立が起きやすく」、「仲良しグループの子が目立つ子の悪口を言い始めると、同調して悪口を言い、運動や勉強が出来る子でもいじめの対象になり得る」 と述べる。 2010年の1学期からすでに、女児の担任教諭に対して一部の児童が「うるせー、くそばばあ」と言ったり、授業中に勝手に教室を出て行ったりする児童がいることが父母の間で問題視されており、他の学級の保護者にも、「授業中に鏡を出して髪の毛をいじる子がいる」といった話が伝わっていた。夏休み明けの8月下旬には、女子児童が、反抗的な態度や担任の発言に揚げ足を取る態度を見せるようになり、学級全体がまとまりを欠くようになった。さらに9月には、教室が非常に汚く、乱れていることが多くなり、クラスの混乱を見かねた数人の児童が、担任以外の教諭に「授業にならないことがある」と相談するほど荒廃していた」。 4月 落ち着きがなく、姿勢の悪い児童が目立つ。 7月 学級全体の落ち着きがなくなり、一部児童が担任に暴言を吐くなどの状況が職員会議で報告された。学校が指導体制を検討し始めた。 8月 反抗的な態度、担任発言の揚げ足取りなど、学級全体のまとまりが欠け始めた。 9月 教室が非常に汚く、乱れていることが多くなった。学校生活改善のため、異学年交流などを増やすことにした。席替え実施。女児がひとりぼっちで給食を食べる姿が見られ始める。 10月 交換授業を決定。給食時のグループ編成が乱れていたため、席替えを実施。同23日、女児が自殺。 — 崩壊する学級 女児の父親は、「先生に何を言っても無駄、と娘から聞いていた。担任の手に負えなければ、なぜもっと早くほかの先生や校長に助けを求められなかったのか」 と学校側の対応への失望を表明した。 いじめにかかわっていたのは男女5人前後で、その中には担任に反抗し学級崩壊の中心になっていた児童もいたという。 10月22日の夜に校長も出席した会合では、女児の学級の児童の保護者でもあるPTA役員が、「2学期になってからは特にひどい。中学に行ける状態ではない」と学級崩壊の深刻さが指摘され、保護者側から事態の改善要求がなされていた。
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