「ミッドナイト」用改造車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 04:35 UTC 版)
「国鉄キハ56系気動車」の記事における「「ミッドナイト」用改造車」の解説
函館-札幌間夜行快速「ミッドナイト」用として、キハ27形200番台車6両を1988年ならびに1990年に改造したグループである。 函館 - 札幌間には、国鉄末期まで函館本線小樽経由の夜行普通列車が運転されていたが、郵便・荷物列車との併結列車であったため1986年11月ダイヤ改正における郵便・荷物列車全廃と同時に廃止された。しかし、その後もこの区間のエコノミーな移動手段の需要は残されており、1984年から北都交通による夜行バス「オーロラ号」(現・「高速はこだて号」)が運転されて好成績を収めていた。 上記の状況に危機感を抱いたJR北海道は1988年7月から、当初は毎日運転の臨時列車扱いで函館 - 札幌間に室蘭本線・千歳線経由で全車指定席の夜行快速列車「ミッドナイト」を新設した。ダイヤは従来からあった夜行臨時急行「すずらん」に沿う形で設定され約7時間での運転としたが、夜行バス対抗策としてキハ27形200番台に以下の改造を施工した専用車両が投入された。 急行形車両の固定クロスシートではリクライニングシート装備のバスに対抗できないため車内を次の2種類へ変更。座席間隔を広げたバケットタイプのリクライニングシートを装備したドリームカー(500番台) 車内の座席を撤去してカーペット敷きとしたカーペットカー(550番台) バス用サブエンジン方式のAU34A形冷房装置を搭載して冷房化。 塗装を白地に緑2号の帯とアクセントにピンクを配した物に変更。 座席車の後部にはミニサロンと自動販売機を、カーペット車の乗務員室後方は女性専用区画となり客用扉とデッキを閉鎖し更衣室を設置した。 改造車は函館運転所(現・函館運輸所)に配置され、当初はカーペットカー+座席車「ドリームカー」の2両編成で運行された。普通乗車券と指定席料金のみで乗車でき、特にカーペットカーは横になって寝られることから評判となり、1990年には定期列車化と多客期の3両編成運転に対応すべく2両が追加改造された。しかし老朽化の進行により2000年にキハ183系気動車に置換えられ、2001年3月31日付けで全車廃車となった。 ミッドナイト用改造車一覧 車両番号旧車番施工年月日改造施工所キハ27 501 キハ27 210 1988年6月23日 苗穂 キハ27 502 キハ27 217 1988年6月25日 苗穂 キハ27 551 キハ27 203 1988年6月23日 五稜郭 キハ27 552 キハ27 208 1988年6月25日 五稜郭 キハ27 553 キハ27 201 1990年3月6日 苗穂 キハ27 554 キハ27 207 1990年3月8日 苗穂
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