−1 に関すること
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 03:25 UTC 版)
−1 は最大の負の整数であり、絶対値が最小の負の整数である。 −1 をかけると反数になる。つまり、a × (−1) = −a となる。このような場合 a × −1 とは書かないのが一般的である(−1 × a という形はよい)。 −1 を2乗すると 1になる。よって −1 は 1 の平方根のうちのひとつである。一般に −1 を偶数乗すると 1 になる: (−1)2n = 1. よって −1 は全ての n > 0 に対し 1 の 2n 乗根(のひとつ)である。 一般の環において −1 を2乗すると 1 になることは、以下のように示される。0 = −1 ⋅ 0 = −1 ⋅ (−1 + 1) であり、これを分配法則にしたがって展開すると 0 = ( ( − 1 ) ⋅ ( − 1 ) ) + ( ( − 1 ) ⋅ 1 ) = ( ( − 1 ) ⋅ ( − 1 ) ) − 1 {\displaystyle 0=((-1)\cdot (-1))+((-1)\cdot 1)=((-1)\cdot (-1))-1} となる。よって ((−1) ⋅ (−1)) = 1 である。 −1 の平方根のうち一つを虚数単位と呼び i = √−1 と書く。−1 の平方根は i と −i の二つである。i2 = (−i )2 = −1. − 1 = cos 180 ∘ + i sin 180 ∘ = cos π + i sin π {\displaystyle -1=\cos 180^{\circ }+{\mathit {i}}\sin 180^{\circ }=\cos \pi +{\mathit {i}}\sin \pi } と複素数平面内の単位円周上で θ = π rad の点として表すこともできる。 自然数の −1 乗の総和は収束せず、正の無限大に発散する(→調和級数)。 1/(−1) = −1. 負の整数の逆数が整数になるのは 1/(−1) のときのみである。逆数が自分自身である整数(または実数)は −1 と 1 のみである。 (−1)−1 = −1. x が負の数のとき xx が整数になるのは x = −1 のときのみ。 x の逆数を x−1 で表す。例えば 3 の逆数は 1/3 = 3−1 となる。一般に x ⋅ x−1 = x−1 ⋅ x = 1 であり、(x−1)−1 = x である。 関数 f の逆関数を f−1 で表す。一般に f(f−1(x)) = f−1(f(x)) = x であり、((f −1)−1(x)) = f(x) である。 関数 f: A → B による C ⊂ B の逆像を f−1(C) で表す。 行列 A の逆行列を A−1 で表す。一般に A ⋅ A−1 = A−1 ⋅ A = I(単位行列)であり、(A −1)−1 = A である。 座標平面上で直交する2本の直線の傾きを掛け合わせると −1 になる。 kn − 1 = (k − 1)(kn−1 + kn−2 + ⋯ + k2 + k + 1) と因数分解できる(k, n は整数で k, n ≥ 2)。k ≥ 3 のとき kn − 1 は k − 1 を約数にもつ合成数である。したがって k = 2 のときのみ kn − 1 は素数になる可能性がある(→メルセンヌ素数)。 異なる n 個のものを円形に配置する並べ方は (n − 1)! 通りである(円順列)。 (−1)!! = 1: −1 の二重階乗は 1 である。 三角関数において、0 ≤ x < 2π のとき、sin x は x = 3π/2 のとき最小値 −1 をとり、cos x は x = π のとき最小値 −1 をとる。 log x の微分は x−1 である。 eiπ = −1. オイラーの公式と呼ばれるもので eiπ + 1 = 0 とも書かれる。数学で最も基本的な定数である、ネイピア数 e, 虚数単位 i, 円周率 π, 1, 0 がこのような単純な関係式で表現できるのは非常に興味深く、この式に美しさを感じるという数学者も少なくない。 空集合の帰納次元 は −1 である。
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