秋田弁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/01 21:27 UTC 版)
文法
秋田方言の文法にも、様々な特徴的な現象が見られる。秋田県内でも地域差があり、また周辺の県と連続する現象もある。以下では日本語の共通語を平仮名で、秋田方言を片仮名で表記し、共通語と適宜対照しながら記述する。秋田方言として不適格な表現や、過去に存在したと思われるが現存しない形式などには*を付して記す。他の語に付属して用いられる語は「-ドゴ」のように-を付けて表記し、併用される形式は「コレ(ヨリ/ヨッカ) マシンダ」のように表記する。何かが存在しないことを示すのにはØを用いる。
用言
単独で文節を構成できる自立語のうち、動詞、形容詞、形容動詞など、活用をする品詞を用言という。秋田方言の用言の活用は、共通語に比べると単純化が進んでいる部分があり、特に形容詞はほとんど活用をしなくなっている。
動詞
秋田方言の動詞の活用の種類は、共通語と同じく五段活用、上一段活用、下一段活用、カ行変格活用、サ行変格活用の5種類がある。上一段活用と下一段活用をまとめて一段活用と扱うこともある。
秋田方言の動詞の活用を表にして示すと以下のようになる。使用地域が限定されているものは括弧に入れて示す[26][27][28]。秋田方言では終止形と連体形は動詞、形容詞、形容動詞のいずれにおいても全く差がないため、ここでは便宜上両者を合わせて「基本形」とする。また、意思を示すときに使われる形を「意向形」、連用形のうち五段動詞で音便が現れる形を「音便形」とする。
動詞 | 未然形 | 連用形 | 基本形 | 仮定形 | 命令形 | 意向形 | 音便形 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
活用 | 語例 | |||||||
五段 | 書く | カガ- | カギ- | カグ- | カゲ- | カゲ | カゴ(ー) | ケァ- カエ- |
上一段 | 見る | ミ- | ミ- | ミル- | ミレ- | ミレ (キロ) |
ミロ(ー) | ミ- |
下一段 | 寝る | ネ- | ネ- | ネル- | ネレ- | ネレ (ネロ) |
ネロ(ー) | ネ- |
カ変 | 来る | コ- | キ- | クル- | コエ- (クレ-) (ケ-) |
コエ ケ |
クロ(ー) コロ(ー) |
キ- |
サ変 | する | サ- (シ-) |
シ- | シル- シ- |
シレ- シェ- |
シレ シェ |
シロ(ー) ショ(ー) ソ(ー) |
シ- |
後続する接辞 | -ネァ -(サ)シェル -(ラ)レル (-(ラ)サル) (-ンバ) |
-(中止) -テァ・デァ |
-(終止) -(連体) -シ-・-ス -ンベ(シ) (-ンデロ) (-ガロ) |
-ンバ | (-ンバヤ) | -テ・デ -タ・ダ |
意向形は意思や勧誘を表す場合に使われるが、県南部で多く使われ、県北部や中央部では基本形で代用されることが多い。
「-バ」は仮定形に接続して仮定条件を表すが、鹿角地方では、「-ンバ」が未然形に接続して「-なら」という仮定条件を表す用法がある。これは文語の未然形と已然形の区別に相当するものである。
ワ行五段活用は鹿角地方や北秋田地方ではラ行五段に変化している。一段活用では命令形が多くの地域でエ段になるのが特徴的である。ただし鹿角地方では共通語と同様のオ段である。カ変の仮定形には「コエ-」が多いが地域によっては「クレー」「ケ-」が用いられることもあり、また命令形には「コエ」と「ケ」が並存する。サ変は一段化への動きと五段化への動きが絡み合い複雑な様相を呈している。未然形が「サ-」となることと、基本形に「シ」(ス)、仮定形、命令形に「シェ」が用いられることがあるのが特徴的である。
形容詞
秋田方言の形容詞は、語尾と語幹が母音融合を起こし、その形が語幹となってそこに語尾が付いていく点に特色があり、形容詞が活用をしないということができる。
秋田方言の形容詞の活用は以下のようになる。形容詞の活用形には動詞のような意向形、音便形はなく、また命令形も欠く[29][30][31]。
形容詞 | (未然形) | (連用形) | (基本形) | (仮定形) |
---|---|---|---|---|
高い | タゲァ- | タゲァ- | タゲァ- | タゲァ- |
後続する接辞 | -ンベ -ガンベ (-ンデロ) (-ガロ) (-ゴッタ) |
-グネァ -グネァガッタ -グテ -(ク)テモ -ガッタ |
-(終止) -(連体) -ンドモ (-ンバッテ) |
-ンバ -ケァ -ガラ |
以上のように、どのような語が付いても、形容詞は基本形相当の形のまま変化しない。共通語の「高く」「高くて」などにあたる形には「タゲァグ」「タゲァグテ」のような形が現れるが、「高くて」にあたる表現には「タゲァフテ」「タゲァシテ」のような形もあり、また「-グ」は「ヨメルグナル」(読めるようになる)のように動詞にも付くことができるので、独立の接辞とみなすことができる。
多くの地域で推量を表す「-ンベ」や「-ガンベ」、由利地方の「-ンデロ」「-ガロ」、鹿角地方の「-ゴッタ」も基本形と同じ形に接続する。また共通語の「-ければ」にあたる形も、基本形と同じ形に「-ンバ」などが接続した形で表される。
形容詞化
秋田方言には、擬音語・擬態語から形容詞を派生することができる語尾「-ジ」「-デァ」「-デ」があり、形容詞と同じように語尾が付いて様々な意味を表す。「-デァ」「-デ」は主に沿岸部で、「-ジ」は主に内陸部で用いられる傾向がある[29][32]。
形容動詞
形容動詞の活用形は以下のようになる[33]。
形容動詞 | 連用形 | 基本形 | 仮定形 | ||
---|---|---|---|---|---|
連用形 | テ形 | タ形 | バ形 | ||
静か | -ニ | -ンデ | -ンデアッ -ンダッ |
-ンダ (-ナ) |
-ンダ (-ナ) |
後接する接辞 | -(用言) | -ネァ | -タ | -(終止) -(体言) -ンベ (-ンデロ) (-ガロ) |
-ンバ |
共通語では形容動詞の場合に限って、終止形は「-だ」、連体形は「-な」で区別があるが、秋田方言では終止の場合も連体接続の場合も「-ンダ」と同じ形を用いることが特徴的である。また「-なら」にあたる仮定の形も「-ンダンバ」となる。ただし県南部では共通語と同様に連体接続の場合に「-ナ」を用い、仮定に「-ナンバ」を用いる傾向がある。
共通語の「-だった」にあたる「タ形」は、秋田方言では県北部から中央部にかけて「-ンデアッタ」を、県南部で「-ンダッタ」を用いる傾向がある。また、否定の形には共通語では「-ではない」のように「テ形」と「-ない」の間に「-は-」が入るが、秋田方言では「-ンデネァ」のように「-ンデ」に直接「-ネァ」が接続する。
助動詞
活用する助動詞としては、共通語とほぼ同様のものがある。受身・可能などを表す「-(ラ)レル」(共通語の「-(ら)れる」、使役を表す「-(サ)シェル」(「-(さ)せる」、否定を表す「-ネァ」(「-ない」)、願望を表す「-テァ」(-たい)、断定を表す「-ンダ」(「-だ」)などである。その他に秋田方言に特徴的な助動詞として、県北部で自発を表す「-(ラ)サル」がある。
体言
単独で文節を構成できる自立語のうち、活用がない名詞、副詞、連体詞、接続詞、感動詞などの品詞を体言という。
名詞
名詞には固有名詞、普通名詞、代名詞、形式名詞などの種類がある。秋田方言の名詞の働きは共通語と同じである。
人称代名詞
秋田方言の一人称には、男女ともに「オラ」(または「オエ」)が用いられる。二人称には「オメァ」が最も普通に用いられ、目上には「アンダ」、目下には「ンカ゜」が用いられる。三人称には、指示代名詞と同じ「コレ」「ソレ」「アレ」(または「コエ」「ソエ」「アエ」)と、「コエジ」「ソエジ」「アエジ」がある。不定称には「ダレ」(または「ダエ」)、「ドエジ」、「ドナダ」がある[34][35]。
指示代名詞
秋田方言の指示代名詞の体系は以下のようになる[36]。
近称 | 中称 | 遠称 | 不定称 | |
---|---|---|---|---|
事物 | コレ・コエ | ソレ・ソエ | アレ・アエ | ドレ・ドエ |
場所 | コゴ | ソゴ | アソゴ・アッコ | ドゴ |
方向 | コッチ | ソッチ | アッチ | ドッチ |
人称 | コエジ | ソエジ | アエジ | ドエジ |
連体詞 | コノ | ソノ | アノ | ドノ |
コンタ | ソンタ | アンタ | ドンタ ナンタ | |
副詞 | コー | ソー | アー | ドー ナント |
コンタニ | ソンタニ | アンタニ | ドンタニ ナンタニ |
場所を表す指示代名詞の遠称は、共通語では「あそこ」であるが、秋田方言では「アソゴ」の他に「アッコ」という形がある。近称、中称、不定称に場所を示す助詞「-サ」が付いた場合、「コサ」「ソサ」「ドサ」という形になることがある。
共通語の「こんな(に)」「そんな(に)」「あんな(に)」「どんな(に)」に相当する形は、秋田方言では「コンタ(ニ)」「ソンタ(ニ)」「アンタ(ニ)」「ドンタ(ニ)」という形になる。また不定称には「ナンタ(ニ)」という形もある。
形式名詞
形式名詞とは、元々は実質的な意味を持って用いられていた名詞が、付属語のように用いられるようになったものである。秋田方言は形式名詞による表現が多様である。
「事」(こと)に由来するものには、仮定接辞の「-ゴッタラ」「-ゴッタンバ」(「-事なら」に相当)や、鹿角地方で推量に用いられる「-ゴッタ」(「-事だ」に由来)がある。
「物」(もの)は終助詞「-モノ」として用いられ、柔らかな語り口の情報提示として用いられるほか、推量の「-ンベ」に「-モノ」が接続した「-ンベオノ」「-ンベオン」「-ンビョン」などの形が推量に用いられる。
「奴」(やつ)は共通語の準体助詞「-の-」に相当するものとして用いられる。地域によって異形が非常に多い。また県南部では同じ用法に「-ナ-」を用いる。
接続詞
接続詞とは、共通語の「だから」「けれども」「そして」「それでは」など、文と文などの関係を表す品詞のことを言う。接続の仕方により分類される。
秋田方言では、「だから」「それで」などに相当する原因理由の接続詞には、「-ガラ」が後続する「シタガラ」「ンダガラ」と、「-ハンテ」に由来するものが後続した「シタンテ」「ンダンテ」がある。また、由利地方南部では、「-サカイ」に由来するものが後続した「ンダサゲ」「ンダハゲ」が用いられる。時間的な継起関係を表す接続詞には、全県的に「シタンバ」が、主に県北部で「シタッキャ」「シタッケ」が用いられる。仮定条件の接続詞としては、「シタラ」が用いられる[37]。
共通語の「しかし」「けれども」にあたる逆接の接続詞には「-ドモ」が後続する「シタドモ」「ンダドモ」や、「-タッテ」が後続する「シタッテ」「シタタッテ」「ンダタッテ」が全県的に用いられる。また、県北部では、「-ンバッテ」が後続する「シタンバッテ」「ンダンバッテ」が用いられる[37]。
共通語の「そうして」「そして」にあたる並列関係を表す接続詞には「シテ」が用いられる。
話題の転換を表す接続詞には、共通語では「では」「じゃあ」が用いられるが、秋田方言では「シェンバ」が用いられる。「センバ」「ヘンバ」とも発音される。
接辞
接辞とは、語の前や後ろに付いて、派生語を作ったり語の意味や品詞を変えたりする形態素のことを言う。 秋田方言に特徴的なのは、指小辞の「-コ」を多用することである。秋田方言の「-コ」は、名詞の末尾に付いて、そのものが小さいものであることや、親しみのあるものであることを表す(ワラシッコ=子供、イヌッコ=子犬、など)。また、語り手の口調を丁寧なものにする効果もあり、些細なものとして謙遜したり軽侮したりする場合に用いることもある[38]。指小辞の「-コ」は必ず名詞の後ろに付くが、独立した形態素として意識されているために原則として有声化(濁音化)しない。
名詞に付いて複数形を作る複数辞として、秋田県では県北部で「-ド」「-ンド」が、主に中央部と県南部で「-ダ」が、県南部で「-ダジ」が、主に中央部で「-カ゜ダ」が用いられる。
<例> アラ-ンド、オメ-ダ、オラ-ダジ、など(左から、あいつら、おまえたち、おれたち、の意)。
助詞
日本語の助詞には格助詞、並立助詞、係助詞、副助詞、終助詞、間投助詞、接続助詞などがある。並立助詞を格助詞に、係助詞を副助詞に、間投助詞を終助詞に含めることもある。
格助詞
共通語では主格を表すのに「-が」、目的格を表すのに「-を」という格助詞を用いるが、秋田方言ではこれらの場合には助詞を用いないのが普通である。間投助詞の「-ハ」が直前の名詞と融合した「-ァ」が主格表示に用いられることもある。目的格が人間や動物などの有情物の場合、「-ドゴ」を用いて目的格表示をすることがあり、現在では若い世代を中心に無情物が目的語の場合にも一般に「-ドゴ」が用いられるようになりつつある[39]。
連体修飾節の中の主体には共通語で「-が」や「-の」を用いるが、秋田方言では「-ノ」も用いるが無助詞であることも多い。また名詞を修飾する連体格の用法では、共通語と同様に「-ノ」が用いられるが、南秋田地方など一部の地域では、修飾名詞が人称代名詞で、被修飾名詞が具体物である場合に限り、「オレカサ」(俺の傘)のように「-ノ」を用いない無助詞の用法がある。
移動の方向を表す場合に、秋田方言では「-サ」が用いられる。「-サ」は共通語の「-に」「-へ」が担っている意味領域の一部を覆っており、行為の及ぶ相手、移動の目的、存在場所、使役の目的格、添加などの用法では「-サ」を用いることができるが、行為の目的、動作の時間、動作の結果などでは「-ニ」を用いるのが普通である。若い世代では「-サ」の用法が広がりつつある。
比較の対象を表すのには、秋田方言では共通語と同様の「-ヨリ」の他に「-ヨッカ」が用いられ、一部の地域では「-シカ」が用いられる。
係助詞
文の主題の提示(主題提示、提題)の用法には、共通語では係助詞「-は」が用いられるが、秋田方言では一般に無助詞である。「-ハ」が直前の名詞と融合した「-ァ」が用いられることもある。また特に提題を明示した場合に、「-ンダンバ」が用いられることもある。これは共通語の「-なら(ば)」にあたる仮定条件の形式から転じたもので、用法も重なり合う部分がある。県北部では「-ンダッキャ」、県南部では「-ナンバ」が併用される[40][41][42]。
意外性を表す場合に、共通語では「-モ」が用いられるが、秋田方言では「-さえも」に由来する「-シャモ」が用いられる。
副助詞
程度や限定を表す場合に、それぞれ「-ばかり」「-くらい」「-ほど」「-だけ」「-しか」に相当する「-ンバリ」「-グレァ」「-ホンド」「-ンダゲ」「-シカ」が用いられる。共通語で「-ばかり」を用いることができない事柄の限定や程度を表す用法に「-ンバリ」を用いることがある点が特徴的である。また否定と呼応した限定には、共通語では「-しか」が用いられるが、秋田方言では「-シカ」とともに「-ヨリ」「-ヨッカ」が多用される。
終助詞
疑問を表す終助詞として、秋田方言では「-ガ」のほかに丁寧な「-ギャ」がある。主に県北部で、疑問の意味を持たない詠歎に「-ガエ」が用いられることがある[43]。
丁寧の終助詞としては基本形接続の「-シ」(「-ス」)が使われる。県北部では「-ッシ」、県南部では「-ンシ」のように発音される傾向がある。沿岸部では用いないことが多い。
回想の終助詞「-ッケ」が多用されるのが特徴的である。これは話者が観察し認識した事実を報告するのに用いられる。
共通語の「-よ」にあたる呼びかけの終助詞には「-デァ(-デャ)」「-デ」「-ジャ」「-ヨ」が用いられ、県北部では「-ヤ」も用いられる。
相手の注意を喚起しつつ説明を続けていく場合に「-モノ」が多用されるのが特徴的である。秋田市を中心とした地域の若年層の女性には「-モンネ」が用いられる。
意思を表すのに、動詞の基本形に「-ハ」が付いた形が用いられることもある。動詞の基本形と融合した形が用いられることもある。
動詞の基本形に「-ンバ」が付いた形が疑問や反語を表すのに用いられる。また由利地方では意向形に「-ンバ」が接続した形が反語専用に用いられる。
感嘆、丁寧を表す終助詞として「-ゴド」(事)が使われる事も多い。
間投助詞
秋田方言では、提示詠歎の間投助詞として「-ハ」が用いられる。共通語の「-は」とは異なり「-ワ」とは発音されない。撥音の直後では「ナ」になる。直前の名詞と融合した場合には主格表示に用いられる。
共通語の「-さ」「-ね」「-よ」にあたる間投助詞としては「-シャ」(「-セァ」)や「-ヤ」「-ヨ」が多用される。
接続助詞
共通語の接続助詞には、「-ば」「-たら」「-なら」「-と」「-から」「-ので」「-けれども」「-が」「-のに」「-ても」などがある。
仮定条件
秋田方言の仮定条件の表現では、仮定形接続の「-ンバ」と、未然形接続の「-ンバ」があるのが特徴的である。両者は意味が異なり、仮定形接続の場合は共通語の仮定形接続の「-ば」とほぼ同じ意味であるが、未然形接続の場合は「-なら(ば)」のような意味を表す。また未然形接続の「-ンバ」が用いられるのは県北部の一部に限られる。未然形接続の「-ンバ」が一段活用、カ変活用、サ変活用の語に接続する場合は「ミランバ」(見るなら)、「クランバ」(来るなら)、「シランバ」(するなら)のような形になる。これは文語の未然形と已然形の区別に相当するものであるが、意味の上でも語形の上でもやや違いがある。
共通語の「-たら」に相当する音便形接続の「-タラ」もあるが、共通語と比べると用法が狭く、接続助詞の後ろ(後件)に警告や禁止が来る場合は共通語と異なり「-ンバ」が用いられる。また、時間的な前後関係を表す場合には専用の形式があり、全県的に「-タンバ」が、県北部では「-タッキャ」「-タッケ」が用いられる。
共通語の「-(の)なら(ば)」にあたる形は、「-ゴド」「-モノ」「-ヤジ」「ナ-」などの形式名詞に「-ンダンバ」「-ンダラ」が後接して融合した形を用いる。地域によって変異形が多様である。また、基本形接続の「-ガラ」もあり、県北部では未然形接続の「-ンバ」も用いられる。
確定条件(原因・理由)
原因や理由を表す確定条件の表現は秋田県内に多様な表現が見られる。全県的に「-からに」が原型の「-ガラ」が見られる。また、「-程に」から変化した「-ハンデ」が原型の「-ハンテ」「-ヘンテ」「-エンテ」「-アンテ」「-ンテ」などの表現がほぼ全県で用いられており、さらに「からに」と混合した「-ンテガラ」「-ンテガ」「-ンテガニ」「-テガニ」のような形も広く用いられる。由利地方の本荘以南には「-境に」に由来し近畿から伝播した「-サゲ」や「-ハゲ」などが用いられる。県北部や南秋田地方では「-為に」に由来する「-タメニ」「-タエニ」が用いられる。ほとんどの地方で複数の表現を併用しているが、秋田市中心部では「-ガラ」のみである。
逆接
逆接の表現では、前件(接続助詞の前の部分)も後件も事実的な場合、共通語では「-のに」が用いられるが、秋田方言では「-ニ」や「-ドギ」「-ジギ」が全県的に用いられる。また、県北部では「-アジ」、県南部では「-ナサ」が用いられる。前件が事実的で、後件が意思文や命令文の場合、共通語では「-けれども」が用いられるが、秋田方言では「-ンドモ」が用いられ、県北部では「-ンバッテ」が用いられる。前件が仮定的な場合、共通語では「-ても」「-たって」が用いられるが、秋田方言でも「-テモ」「-タッテ」が用いられる。
態(ヴォイス)
態(ヴォイス)には受動態、使役態、可能態、自発態などがある。
受動態
受動態(受身)の表現は、共通語と同様に、五段動詞とカ変動詞には未然形に「-レル」を、一段動詞とサ変動詞には未然形に「-ラレル」を接続して表す。「-エル」「-ラエル」とも発音される。鹿角地方ではカ変には「クラレル」または「クラエル」が用いられる。
受動態の動作の主体を表すには、「-ニ」「-ニガッテ」「-ガラ」が用いられる。共通語において「-が」が後接する名詞が動作の対象、「-に」が後接する名詞が動作の主体を表す「まともの受身」の文や、「-を」が後接する名詞が動作の対象、「-に」が後接する名詞が動作の主体、「-が」が後接する名詞が「-に」が後接する名詞の所有者である「持ち主の受身」の文では「-ニガッテ」が用いられ、迷惑や被害を表し自動詞を受身形にとる「第三者の受身」では「-ニ」が用いられる。
恩恵の意味が強い場合は、「-テモラウ」を用い、助詞には「-ニ」または「-ガラ」を用いる。動作の移動性が弱く、共通語では「-に」のみが用いられる場合にも秋田方言では「-ガラ」を用いることができる。
使役態
使役態の表現は、五段動詞とサ変動詞には「-シェル」を、一段動詞とカ変動詞には「-サシェル」を未然形に接続することで表す。ただし「-サシェル」の代わりに「-ラシェル」が用いられることもある。「-(サ)シェル」は「-(サ)ヒェル」「-(サ)セル」とも発音される。鹿角地方では、カ変の使役に「クラセル」「クラシェル」が用いられる[44]。
使役態の被使役者を示す助詞には、共通語で「-を」が用いられる文脈では無助詞あるいは「-ドゴ」(前接名詞が有情物の場合のみ)であり、共通語で「-に」が用いられる文脈では「-サ」が用いられる。
可能態
秋田方言の可能の形式には、動作の主体の持つ能力によって行為が可能である「能力可能」と、動作の主体を取り巻く状況によって行為が可能である「状況可能」の区別が見られることが特徴的である。全ての動詞を通じて、能力可能には可能動詞形が用いられ、五段動詞とサ変動詞には仮定形に「-ル」を接続し、一段動詞とカ変動詞動詞では未然形に「-レル」を接続して「カゲル」(書ける)、「ミレル」(見られる)、「コレル」(来られる)、「シェル」(できる、「*シレル」から)のように言う。また能力可能の否定も「カゲネァ」「ミレネァ」「コレネァ」「シェネァ」のように可能動詞の否定形を用いる。状況可能では、肯定では基本形に「-ニエー」を接続して「カグニエー」「ミルニエー」「クルニエー」「シルニエー」のように言い、否定では五段動詞とサ変動詞には未然形に「-レル」を、一段動詞とカ変動詞には未然形に「-ラレル」を接続した可能接辞形を用い、「カガレネァ」「ミラレネァ」「コラレネァ」「サレネァ」を用いる。
共通語では一段動詞やカ変動詞では「見られる」「来られる」のような可能接辞形が規範的で、「見れる」「来れる」のような可能動詞形は「ら抜き言葉」と呼ばれ非規範的なものとされているが、秋田方言では否定形において可能動詞形が能力可能、可能接辞形が状況可能として使い分けられる。例えば「着る」に対する「キレネァ」は「子供がまだ小さすぎて一人で服を着られない」のような文脈に用いられ、「キラレネァ」は「子供が大きくなったのでこの服はもう小さくて着られない」のような文脈に用いるというような区別がある。
自発態
共通語では自発を表す文法範疇が確立しておらず、「思われる」「感じられる」などの一部の感情動詞や知覚動詞にあるに過ぎないが、秋田県の北部には自発態が文法範疇として確立している地域があり、五段動詞とサ変動詞の未然形に「-サル」を、一段動詞とカ変動詞の未然形に「-ラサル」を接続することで、五段型の自発動詞を一般の動詞から生産的に生み出すことができる。これは青森県や岩手県と連続するものであるが、秋田県の中央部や県南部ではあまり用いられない。
時制(テンス)と相(アスペクト)
出来事が起こった時間を発話時を基準として表す形式を時制(テンス)といい、出来事の完成度を表す形式を相(アスペクト)という。共通語では例えば動詞においては「する」と「した」、「している」と「していた」のように非過去と過去の時制が対立し、「する」と「している」、「した」と「していた」のように完成相と非完成相(継続相)が対立する。時制の対立のみを持つ形容詞述語、形容動詞述語、名詞述語、存在動詞を状態述語といい、時制と相の対立を持つ動詞述語を動態述語という。
秋田方言では、状態述語のうち、状態動詞「エル」(居る)と、「カゲル」(書ける)のような可能動詞において、現在の時制を表す場合に「エダ」「カゲダ」のように共通語の過去の形式にあたるものが用いられるのが特徴的である。未来の時制では共通語の非過去の形式が用いられる。また、これらの動詞で過去を表す場合、「エダ」「カゲダ」のような形式も用いられるが、過去であることを明示する場合に「エデアッタ」「カゲデアッタ」(県南部では「エダッタ」「カゲダッタ」)のような形式が用いられる。名詞述語や形容動詞述語で共通語の「-だった」にあたる語尾は、「-ンデアッタ」(県南部では「-ンダッタ」)で表される。
動態述語では、未来の時制は共通語の非過去とほぼ同様に完成相が「シル」(する)、継続層が「シテル」(している)のような形式で表されるが、「している」などにあたる現在継続相においては「シテダ」や「シテラ」が用いられ、「した」などにあたる過去完成相には「シタ」のほかに中央部で「シテアッタ」、県南部で「シタッタ」が用いられる。「していた」にあたる過去継続相には「シテアッタ」が県北部と中央部で、「シテエデアッタ」が中央部で、「シテダッタ」と「シテラッタ」が県南部で用いられる[45]。
法性(モダリティ)
文が表す出来事と現実との関係や意図、聞き手に対する態度などを表す文法範疇を法性(モダリティ)という。法性(モダリティ)の表現として命令、禁止、義務、授受、依頼、推量、確認要求、意向、勧誘、比況、推定、伝聞などがある。
共通語の「-てはいけない」「-てはならない」にあたる丁寧な禁止に、仮定形接続の「-レンバ (ワガラネァ/デギネァ/ヤジャガネァ)」が用いられる。「ワガラネァ」「デギネァ」は「分からない」「出来ない」に相当する表現であるが、共通語と用法が異なる。「ヤジャガネァ」には「ヤザガネァ」「ヤジガネァ」「ヤジャネァ」「ヤザネァ」「ヤジネァ」など多様な形がある[46]。「カガレネァ」(書かれない)のように状況可能の否定の形式が丁寧な禁止として用いられる。
義務の表現には、共通語では未然形接続の「-なければならない」が用いられるが、秋田方言では未然形接続の「-ネァンバナラネァ」が用いられるほか、「-ネァンバネァ」という表現が用いられることがある[46]。また、県南部には、「-ネァンバ デギネァ」(「なければできない」に相当)が用いられる地域がある[47]。
授受表現には、共通語では他者が話者に与える求心的方向の授与には「くれる」を用い、話者が他者に与える遠心的方向の授与には「やる」「あげる」を用いるが、秋田方言では両者をともに「ケル」で表す。にかほ市では「クレル」「クエル」も用いられる。求心的方向の授与を「ケデケル」、遠心的方向の授与を「ケデヤル」で表し分けることもある。南秋田地方を中心として、遠心的方向授与のみを表す「ダシ」(「ダス」)が「ケル」と併用される。
依頼の表現には、共通語では「くれ」が用いられるが、秋田方言では「ケレ」が用いられる。敬意を持った依頼には、共通語では「ください」が用いられるが、秋田方言では地域により「タモレ」「タンエ」「タンシェ」「クナンシェ」「クダエ」「クダハレ」クダセ」など様々な語形が用いられる。
推量の表現には、秋田方言では由利地方以外では広く「-ンベ」が用いられ、さらに「-モノ」が接続した「-ンベオノ」「-ンベオン」「-ンビョン」も用いられる。鹿角地方では「-ゴッタ」も用いられる。由利地方では「-ンベ」はほとんど用いられず、沿岸部で「-ンデロ」、山間部で「-ガロ」が用いられる。確認要求では「-ンベオノ」「-ンベオン」「-ンビョン」が用いられない以外は推量と同様である。
意向の表現では基本形による表現が広く見られるほか、県南部では意向形による表現が見られる。間投助詞「ハ」を基本形に接続させた「カグハ」(書こう)のような形や、それを融合させた「カガァ」のような形も見られる。勧誘の表現では由利地方以外では「-ンベ」が用いられ、主に県北部では勧誘に限り「-ンベシ」が用いられる。県南部では意向形による表現が用いられる。
比況や推定の表現には共通語では「-みたいだ」「-ようだ」が用いられるが、秋田方言では主に比況で「-ミデァンダ」が、主に推定で「-ヨンタ」「-エンタ」が用いられる。「-ミデァエンタ」「-ミダエンタ」「-ミデンタ」「-ミデッタ」などの表現もある。
伝聞には引用の終助詞「-ド」が広く用いられるほか、県南部で「-ジモノ」「-ジオノ」「-ジオン」「-ゾン」が、山本地方や南秋田地方では「-デモノ」「-デオノ」「-デオン」が用いられ、鹿角地方では「-ジ」が用いられる。
敬語
秋田方言では尊敬語や謙譲語はあまり発達していないが丁寧語の使用は広く見られ、由利地方以外では用言の基本形に接続する「-シ」が広く用いられる。県北部では「-ッシ」と促音を介し、県南部では「-ンシ」と撥音を介して発音する傾向がある。また「-シ」は「-ス」と意識されていることが多く、シとスを区別する話者は「-ス」として発音する[48][49]。
鹿角地方や秋田市、由利地方には連用形接続の「-アンシ」(「-アンス」)が用いられるが、否定の形は鹿角地方では未然形接続の「-ナエンシ」「-ネァンシ」、秋田市では未然形接続の「-ナガンシ」、由利地方では連用形接続の「-ヤヘン」とそれぞれ異なる。
県内の各地域で主に用いられる丁寧語の形をまとめると以下のようになる[49]。
区画 | 鹿角方言 | 県北方言 | 中央方言 | 県南方言 | 由利方言 |
---|---|---|---|---|---|
書きます | カガンシ | カグ(ッ)シ | カグス カグ(ッ)シ カグデアンシ |
カグ(ン)シ | カギアンシ |
書きません | カガナエンシ カガネァンシ |
カガネス カガネァ(ッ)シ |
カガネァ(ッ)シ カガナガンシ |
カガネァ(ン)シ | カギヤヘン |
そうです | ソーダンシ | ンダ(ッ)シ | ンダス ンダ(ッ)シ ソーデアンシ |
ンダ(ン)シ | ンデゴザリアンシ ンデガンシ |
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