牛海綿状脳症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/12 07:03 UTC 版)
人への伝達
国 | BSE事例 | 変異型 クロイツフェルト ・ヤコブ病 |
---|---|---|
オーストリア | 5 | 0 |
ベルギー | [5] | 1330 |
カナダ | [6] | 17[7] | 2.
チェコ | [8] | 280 |
デンマーク | [9] | 140 |
フォークランド諸島 | 1 | 0 |
フィンランド | 1 | 0 |
フランス[10] | 900 | [7] | 25
ドイツ | 312 | 0 |
ギリシャ | [11] | 10 |
香港 | 2 | 0 |
アイルランド | 1,353 | [7] | 4
イスラエル | [12] | 1[13] | 0
イタリア | [14] | 138[7] | 2
日本 | 26 | [7] | 1
リヒテンシュタイン | 2 | 0 |
ルクセンブルク | 2 | 1 |
オランダ | [15] | 85[7] | 3
オマーン | 2 | 0 |
ポーランド | 21 | 0 |
ポルトガル | 875 | [7] | 2
サウジアラビア | 0 | [7] | 1
スロバキア | 15 | 0 |
スロベニア | 7 | 0 |
スペイン | 412 | [7] | 5
スウェーデン | 1 | 0 |
スイス | 453 | 0 |
タイ | [16] | 02 |
イギリス | 183,841 | 176[7] |
アメリカ合衆国 | [6] | 4[7] | 3
合計 | 188,579 | 280 |
狂牛病と変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は、非常によく似ていることから、同一病原体によるものと現在のところ結論されている[1]。イギリスにおいて1993年5月に15歳の少女の発症例が報告され、クロイツフェルト・ヤコブ病は中高年や感染された人から作られた医薬品が原因で発症する病気という従来の常識を覆して、医学界に衝撃を与えた。
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病による死者は1995年を皮切りに、死因がこの病気であると確認された人数は117名。推定を含めると死者は169名に達している(生存者は4名[2]、2010年7月5日現在)。
当初ヒトには、経口感染しないとされた。しかし、狂牛病に感染した獣肉で作られたキャットフードを食べたネコが死に、解剖したところ海綿状脳症であったことから、食物から感染した疑いが非常に高くなり、牛同士以外でも牛肉を通じての感染が疑われた。
1990年代前半までに、イギリスを中心に発生していた変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(異型クロイツフェルト・ヤコブ病とも呼ばれる)が、その後の調査で、牛海綿状脳症が食物を通して感染したことが疫学的に高い確率であることが証明された。
政治的には、1996年3月20日、イギリス保健省大臣がイギリス下院議会において「クロイツフェルト・ヤコブ病患者10人の発病の原因が、狂牛病に感染した牛肉であることを否定できない」と狂牛病は、ヒトに経口感染する見解を明らかにしたのが初めである。
ただ、どの様な経緯で感染し発病するのかは、現在でも病理学的には諸説あり、各国で研究が進められている。原因が明らかでなく、プリオンは熱に極めて強いため、広く規制する措置がとられている。牛の検査や特定の国からの輸入停止、飼料や加工過程についての規制と、感染した牛からの肉や牛乳など直接(肉など)、間接(原料として生産された加工品)に人間にわたらないように、世界各国で配慮がなされているが、畜産業界などの政治的圧力の高い国では、政治的な問題となり、必ずしも解明に積極的ではない。また、当事国内では解決されたとみなされても、国際的には汚染地域として輸出の制限を続けられる場合もある。
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は英語の "variant Creutzfeldt-Jakob disease" で vCJD と略記される。
- ^ 『牛丼のひみつ』72頁。
- ^ 牛海綿状脳症(BSE)の感染源及び感染経路の調査について・厚生労働省BSE疫学検討チーム
- ^ 米国農務省国立動物病センター、(英文)
- ^ 未感染でもBSE発祥 遺伝子異変で異常プリオン、米農務省確認 読売新聞 2008年9月12日13S34面
- ^ “BSE in Belgium” (2006年11月12日). 2008年11月9日閲覧。
- ^ a b “BSE Cases in North America, by Year and Country of Death, 1993-2008”. Centers for Disease Control and Prevention, Department of Health and Human Services (2008年). 2008年11月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “Variant Creutzfeld-Jakob Disease, Current Data (October 2009)”. The National Creutzfeldt-Jakob Disease Surveillance Unit (NCJDSU), en:University of Edinburgh (2009年10月). 2000年10月14日閲覧。
- ^ “BSE Positive Findings in the Czech Republic” (pdf). State Veterinary Administration, Ministry of Agriculture, Czech Republic. p. 2 (2007年). 2008年11月9日閲覧。
- ^ “The Current Status of BSE and scrapie in Denmark” (pdf). Danish Veterinary and Food Administration (2007年5月). 2008年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年11月9日閲覧。
- ^ France reports more than 900 BSE cases
- ^ “BSE in Greece”. 2008年11月9日閲覧。
- ^ “Israel: BSE testing according to source of cattle and age groups, 2002-2008”. 2008年3月5日閲覧。
- ^ “vCJD Cases Worldwide 2011”. 2011年7月2日閲覧。
- ^ “BSE cases - Italy 2001 - 2006” (2006年). 2008年11月10日閲覧。
- ^ “dad=portal&_schema=PORTAL&p_document_id=110016&p_node_id=1161644&p_mode=BROWSE Overzicht BSE-gevallen” (Dutch). Ministerie van Landbouw, Natuur en Voedselkwaliteit (2008年). 2008年11月9日閲覧。
- ^ The number of BSE cases is not available for Thailand.
- ^ “1980年から1996年の間に英国に1日以上滞在された方からの献血見合わせ措置に関するQ&A”. 厚生労働省. 2020年3月18日閲覧。
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