牛海綿状脳症 特定危険部位

牛海綿状脳症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/11 23:46 UTC 版)

特定危険部位

特定危険部位は国によって違いがある。日本においては脊髄、背根神経節を含む脊柱、舌と頬肉を除く頭部(具体的には扁桃など)、回腸遠位部(小腸のうち盲腸との接続部から2メートルの所まで)が特定危険部位に指定されている。これらの部位を摂取するとvCJDを発症する危険が高くなる。

各方面への影響

日本では、2001年9月10日千葉県内で飼育されていた牛がBSE発症疑いであることが農林水産省から発表される。後にBSE発症が確定となり、日本においても狂牛病が発生した地域となった。

また、アメリカ合衆国においても2003年にBSE牛が発生した事に伴い、農林水産省は2005年末まで米国産牛肉の輸入を禁止した。

化粧品

化粧品については、日本ではメーカーによる自主規制と回収が促されている。

牛を原料としたゼラチン

牛を原料としたゼラチンについては、世界保健機関の専門委員会では安全であると認定されている。

外食産業

BSE発生による食肉業界への農林水産省の救済策を悪用した牛肉偽装事件が、2002年以降相次いで発覚した。また、吉野家米国産牛肉の輸入禁止により、牛丼2004年から2008年まで長期間に渡り販売中止にする影響が出た。

牛肉を大量に使用している焼肉店や、焼肉文化に支えられている焼肉のたれといった焼肉関連産業も、大きなダメージを被った。

献血

日本赤十字社は、1980年から1996年の間に、1日泊以上イギリスに滞在した事のある者からの献血を、輸血による感染の防止から禁止した(ヒースロー空港で再々乗り継ぎの有無は、条件になるかどうか不明)。制限は2005年6月1日から2010年1月26日までに行われる献血に適用された。2010年1月27日以後の献血については、献血禁止条件を「英国に1日(1泊)以上滞在歴」から「英国滞在歴通算31日以上」に緩和された[17]

脚注


  1. ^ 『牛丼のひみつ』72頁。
  2. ^ 牛海綿状脳症(BSE)の感染源及び感染経路の調査について・厚生労働省BSE疫学検討チーム
  3. ^ 米国農務省国立動物病センター、(英文)
  4. ^ 未感染でもBSE発祥 遺伝子異変で異常プリオン、米農務省確認 読売新聞 2008年9月12日13S34面
  5. ^ BSE in Belgium” (2006年11月12日). 2008年11月9日閲覧。
  6. ^ a b BSE Cases in North America, by Year and Country of Death, 1993-2008”. Centers for Disease Control and Prevention, Department of Health and Human Services (2008年). 2008年11月9日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k Variant Creutzfeld-Jakob Disease, Current Data (October 2009)”. The National Creutzfeldt-Jakob Disease Surveillance Unit (NCJDSU), en:University of Edinburgh (2009年10月). 2000年10月14日閲覧。
  8. ^ BSE Positive Findings in the Czech Republic” (pdf). State Veterinary Administration, Ministry of Agriculture, Czech Republic. p. 2 (2007年). 2008年11月9日閲覧。
  9. ^ The Current Status of BSE and scrapie in Denmark” (pdf). Danish Veterinary and Food Administration (2007年5月). 2008年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年11月9日閲覧。
  10. ^ France reports more than 900 BSE cases
  11. ^ BSE in Greece”. 2008年11月9日閲覧。
  12. ^ Israel: BSE testing according to source of cattle and age groups, 2002-2008”. 2008年3月5日閲覧。
  13. ^ vCJD Cases Worldwide 2011”. 2011年7月2日閲覧。
  14. ^ BSE cases - Italy 2001 - 2006” (2006年). 2008年11月10日閲覧。
  15. ^ dad=portal&_schema=PORTAL&p_document_id=110016&p_node_id=1161644&p_mode=BROWSE Overzicht BSE-gevallen” (Dutch). Ministerie van Landbouw, Natuur en Voedselkwaliteit (2008年). 2008年11月9日閲覧。
  16. ^ The number of BSE cases is not available for Thailand.
  17. ^ 1980年から1996年の間に英国に1日以上滞在された方からの献血見合わせ措置に関するQ&A”. 厚生労働省. 2020年3月18日閲覧。






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