東葉高速鉄道1000形電車 東葉高速鉄道1000形電車の概要

東葉高速鉄道1000形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/11 05:13 UTC 版)

営団5000系電車 > 東葉高速鉄道1000形電車
東葉高速鉄道1000形電車
東葉高速鉄道1000形
(2006年9月8日 / 葛西駅)
基本情報
運用者 東葉高速鉄道
種車 営団5000系電車
改造所 メトロ車両深川工場新木場CR
改造年 1995年 - 1996年
改造数 10両編成10本(100両)
ほかに将来増発用として10両編成2本(20両)を確保(未改造)
運用開始 1996年3月16日
運用終了 2006年12月4日
投入先 東葉高速線東京メトロ東西線
主要諸元
編成 10両編成(8M2T)
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 直流1,500V(架空電車線方式)
最高運転速度 100 km/h
設計最高速度 100 km/h
起動加速度 3.5 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 5.0 km/h/s
編成定員 1,424(座席564)人
車両定員 先頭車 136(座席50)人
中間車 144(座席58)人
車両重量 30.0 - 38.0t
編成重量 358.4t
全長 20,000 mm
全幅 2,870mm
全高 4,135 mm
パンタグラフ折りたたみ 4,145 mm
床面高さ 1,150 mm
車体 セミステンレス車両
台車 SUミンデン式台車 FS-502A形
主電動機 直流直巻電動機
主電動機出力 100kW
駆動方式 WN駆動方式
歯車比 99:16 (6.19)
編成出力 3,200kW
制御方式 界磁添加励磁制御
制御装置 三菱電機製 ABFM138-15MRH
制動装置 回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ
保安装置 自動列車制御装置 (WS-ATC)
備考 上記のデータは鉄道ファン1996年3月号記事から
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後継の2000系は2000形とはならずに“系”とされたが、その後も本形式は“系”に変更されることはなかった。

導入の目的

1996年平成8年)4月の東葉高速線開業に合わせて、同社が1995年(平成7年)から、乗り入れ先である帝都高速度交通営団(以下「営団」)東西線で使用されていた5000系電車10両編成10本の計100両(全てセミステンレス車)を譲受し、整備改造した車両である。これらの他に10両編成2本の計20両も譲受しているが、その後の計画変更により鉄道車両としては入籍されなかった。

当初計画では新車導入も考えられていたが中古車両導入となった理由は、東葉高速線の建設費が当初予想を上回ったために(「東葉高速鉄道#設立の経緯と路線建設」を参照)車両製造費を削減する必要があったこと、同時期に営団が05系投入による5000系の置き換えを進めており丁度余剰となっていたこと、乗り入れで引き続き営団東西線を走行するのに際して検査など営団での取り扱い上有利だった(営団深川工場に委託していた)ことなどが挙げられる。

譲渡された車両は、1993年(平成5年)頃に05系の5 - 7次車により置き換えられた、5000系の3次車を中心とするグループである。東葉高速線の開業が当初の予定より遅れたため、営団で余剰となってからしばらくの間は深川検車区・行徳検車区(現・深川検車区行徳分室)・綾瀬検車区・新木場検車区(現・和光検車区新木場分室)に分散して保管された。

東葉高速線の開業は1996年4月27日だが、開業より早い同年3月16日に東西線のダイヤ改正が実施されたため、先行して同線内の営業運転に就いた。

改造

譲受にあたっては、特に東西線と相互直通運転をすることから東葉高速鉄道としての独自性と近代的なイメージをアピールするデザインをめざした。

改造工事は1995年(平成7年)4月より深川工場内の車体更新修繕場と新木場検車区(当時)内の新木場CRにおいてメトロ車両で実施された。改造後は同年12月上旬より順次、八千代緑が丘車両基地回送された。

主な改造内容は以下の通り[1]

車外

1000形の前面
(2006年10月17日 / 西船橋駅)

車内

改造に際して、内装は全面的に更新されている。

  • 客室
    • 側面は化粧板を白色系のものへ交換。床敷物は座席前がベージュ色、中央通路が東葉高速線沿線にあるクヌギの幹をイメージした茶色系のものへ交換。
    • 座席モケット新緑萌えたイメージの黄緑色地に黒松をイメージしたモザイク模様を入れた総柄モケットへ、優先席部は薄紫色系のものへ交換。
    • 客用ドアは新調し交換、ドアガラスを大形化・複層構造化し、車内側が化粧板仕上げとなった。また種車に戸袋窓のあったものは、車内外ともに板材を貼り戸袋窓を撤去(新製時から省略されていた車両と同様の外観)。
    • 側窓は種車から変更なく上段下降・下段上昇式の2段式のままだが、カーテンはベージュ色の物を新調。
    • 妻面は化粧板を白色系を基本として上部を緑色としたものへ交換。妻面窓および貫通扉は存置。
    • 網棚は種車によって金網式とパイプ式が混在のまま。つり革はいずれも白色の丸形、座席前レール方向とドア付近レール方向のみ設置。
    • 冷房用ダクトは同時期の営団5000系への改造と同様、車内側天井にFRP製のダクトを取り付けた簡易形のスポット式を搭載。扇風機は40cm径のものを新調し各車5台ずつ設置。
  • 乗務員室
  • その他
    • これらの改造は、同時期に営団が5000系に実施されていた冷房搭載改造や大規模改修工事B修工事(主に初期車が対象)施工車と同様の内容である。改造コストを抑えるため、冷房装置は屋根の補強を抑えられる集約分散方式とし、車体全体の補強も極力控えられた。同様の改造をした営団5000系は、改造後10 - 15年程度の使用が見込まれていた。

注釈

  1. ^ この正面形状は「窓の周りを囲う」という意味から「額縁型」と呼ばれ、1970年代後半から1990年代前半にかけて流行した形状である。
  2. ^ これに合わせて西船橋方先頭車後部にあったパンタグラフ撤去跡が整形されている。
  3. ^ 5000系も同様の理由により05N系に置き換えられることとなった。
  4. ^ その後、5000系も翌2007年3月で全車引退。
  5. ^ 深川検車区→中野駅八王子駅川崎貨物駅神奈川臨海鉄道千鳥町駅川崎市営埠頭インドネシアという経路で行われたため、東西線に入線する必要があった。

出典

  1. ^ 交友社「鉄道ファン」1996年3月号記事ならびに鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」1996年10月臨時増刊号新車年鑑
  2. ^ 日本鉄道車両機械技術協会『ROLLINGSTOCK&MACHINERY』1996年7月号国内情報「東葉高速線開業の概要」pp.46 - 50。
  3. ^ a b 日本地下鉄協会会報「SUBWAY」2005年3月号記事


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