半熟英雄 半熟英雄の概要

半熟英雄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 14:38 UTC 版)

概要

1988年、もともとPC向けに作られていた[1] ものをファミリーコンピュータ用ソフトとして第1作が発売。家庭用ゲーム機としては初となる「リアルタイムシミュレーションRPG」とされている。本作発売以前のシミュレーションゲームはコマとなる1キャラクターの能力を示すステータスの表記が多く、それによりシステムが複雑なものとしていたが、本シリーズではそういったものを極力排除し、視覚的にわかりやすく、感覚的に遊べるゲームに仕上げられた。攻略した城の収入を元手に領土を拡大するシステムではあるが、内政に注意を払う必要は少なく、最新作の『4』では完全に廃止。基本的なシステムは最新作でもほとんど変化していないが、より戦闘に特化した内容となっている。

物語はゲームとしては非常に異色なもので、登場人物は舞台の上で芝居を演じるという形をとっている。全編がコメディタッチで描かれ、ギャグやパロディが随所にちりばめられている。

  • 第1作では収入と支出のバランスがシビアな上、戦闘の難易度も高く、コミカルな外見によらず戦略性が要求された。また、特定のラストボスが存在せず、複数の敵勢力が登場し、大陸の統一がクリア条件という、シミュレーションゲーム色の強い内容だった。攻略するマップは選択制で、ストーリーはどれも同じ。
  • 第2作目からは難易度が下がり、ギャグ、パロディを前面に押し出すようになる。ラストボスが設定されたのも第2作からで、ゲームのベースとなるストーリーが設けられた。
  • 第2作発売より10年の時を置いて発売された第3作目の『半熟英雄 対 3D』では、開発陣内で「半熟ならどんなネタを盛り込んでも成立する」という空気が漂っていたため、ギャグ、パロディ、世情風刺が非常に濃厚な作品となっている。話題となったスクウェアエニックス合併劇最中の開発であることを、セルフギャグとして用いた演出も随所に仕込まれている。
  • 第4作目『半熟英雄4 〜7人の半熟英雄〜』では、合併後の同社の代表作品『ドラゴンクエストシリーズ』の「ロトの勇者」の格好をするキャラクターまで登場した。

シリーズ作品

半熟英雄

半熟英雄シリーズ1作目となる作品。VC版はエミュレーションで、内容はFC版と全く同じ。ダウンロード配信。

ストーリー
先代のアルマムーン王ダークフリードは不思議な「卵」の力と騎士団を駆使し、大陸を統一した英雄だった。しかし、統一の翌日に急死すると、アルマムーンに服した国々はたちまち反旗を翻した。
征服した領土をあっという間に失い、後継者である若き王子(主人公)に残されたのは本拠のアルマムーン城とわずかな忠臣だけ。
英雄として半熟な王子は、不思議な「卵」の使い方もまだ知らない。しかし父譲りの才能と忠臣の力を頼りに、再び大陸制覇に乗り出していった。

全3話だが、マップや登場する敵国数(最大11)が違うだけで、基本的な展開は同じ。ただし、もっとも難しい第3話をクリアするとスタッフロール付きのエンディングになる。

元祖 半熟英雄

第1作のリメイク作品。グラフィックがSFC版に準じたものとなり、インターフェースやゲームバランスが改良されている。

半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!

半熟英雄シリーズ2作目。WSC版は「スクウェア マスターピース」シリーズの1つとして登場。一般公募で採用された12体のエッグモンスターが追加されているが、オリジナル版に存在したパロディの多くが差し替えられ、一部のきりふだ、エッグモンスターの名前が変更されている[3]

2017年10月19日にAndroid/iOS用にリメイクされ、配信された[4][5]。課金アイテムやエクストラステージ、図鑑モード及びチャレンジモード[6] の実装を行っている他、漫画家ちょぼらうにょぽみ考案エッグモンスター[7] と一般公募で採用された8体のエッグモンスターを追加。更にセガとのコラボキャラとしてドクター・エッグマン[8]カーバンクルレンタヒーローがエッグモンスターとして登場する[9]

ストーリー
前作で大陸の再統一を果たし、イリス姫と結婚した王子。
しかし、剣の稽古こそ欠かさなかった王子だが、私生活は全くだらけきっていた。幼児退行して自分の名前さえ書けなくなり、寝る時は大臣に絵本を読んでもらうという有様。イリス姫は愛想を尽かして出奔し、政治の実権を握った大臣は財政赤字に苦慮していた。
そんなある日、「完熟なる者」達がアルマムーン王国に戦いを挑んで来た。アルマムーン王国の卵が上か、完熟なる黒き卵が上か。まずは完熟軍の先兵、完熟クイーンに寝返った城を取り戻し、さらに完熟軍のボスを目指して戦うことになる。しかし、物語は意外な展開を見せるのだった。

全12話。面クリア制で、最初の1話をクリアすると2話、3話…と進めて行く。また、最終話に登場する中ボスとの戦いの結果によって、ラスボスの形態が2種類に分岐する[10]

登場するエッグモンスターは公募作品の採用も含め、雑誌掲載とゲーム本編で名称の変更が多くされている。

半熟英雄対3D

半熟英雄シリーズ3作目。前作までと設定が変わり、主人公の王子は11歳の少年になっている。

ストーリー
先代は恋敵のオディオを倒し、大陸に覇を唱えた英雄だった。しかし両親を早くに亡くした王子は頼りなく、これまた政治そっちのけで遊び惚けていた。
ある日、女の声に助けを求められ、うたた寝をしていた王子が返事をすると、城ごと彼女の力によって異次元世界に飛ばされてしまった。アルマムーン王国は二次元世界であり、住民も二次元人である。
王子達が飛ばされた先は三次元の世界。そこではカトリ王国が3D軍団に滅ぼされ、囚われの身となっていた王国の姫が助けを求め、それをたまたま聞いたのが王子だった。救出したカトリイネはとんでもないブスで、王子に一方的な愛情を注ぎ、アルマムーンの新たな悩みの種となる。だが彼女の力で連れてこられ、自力で帰ることのできない成り行き上、王子たちにカトリイネを拒むすべはなかった。

全13話。前作同様、面クリア制。ただし第1話は先代の話で、本編は第2話から。

なお、タイトルの「3D」は3作目としての「3」という意味も持ち合わせている。

作品の根底にあるテーマ(ネタ)は、ステージやボスに見られるコンピューターグラフィックスの進化と、昨今の3Dグラフィック重視の風潮への自虐と皮肉が、特に挿入曲『絶叫すべき咆哮』に込められている。このため、アルマムーン軍が終始ドット絵のキャラクターであるのに対し、ステージを進めるほど敵軍は最先端のグラフィック技術を使用したものへと変わっていく。

また、BGMの大半は初代のアレンジになっており、その中には8bitゲーム機風の音源が使われているものも多い。

半熟英雄4 〜7人の半熟英雄〜

半熟英雄シリーズ4作目。

全8話+メインダンジョン。2-6話は1話で既に攻略したアルマムーンを除き、全部で6つの惑星を選択して進行する形式で、いきなり難易度の高い惑星に進行することも可能。また、途中のイベントに登場する人物もそれに合わせて変化する。

1話1面ではなく、惑星ごとに数面用意されている。全てクリアすると自動的に第7話に進み、以降は一本道。惑星ごとに用意されたダンジョンとメインダンジョンは、一度出現させればいつでも入り直しができる。

ストーリー
3D軍、四次元皇帝との戦いを終えてアルマムーン王国に帰還した王子は、嫌々ながらカトリイネと婚約させられていた。
しかし婚礼の儀の当日、空から巨大な火の玉が落下し、その中には卵を使う謎の機械生命体の姿があった。
どうにか撃退した王子たちだが、エッグワールドの伝説に「この広い宇宙には7人の英雄が存在するという。英雄の持つ7つのたまご呼び合うとき…すべての世に災厄訪れん…」という記述があることを知る。どうやら何者かが7人の英雄とその卵を狙っているらしい。
こうして王子たちはまだ見ぬ英雄に出会うため、アルマムーン王国の存在する惑星アルマムーンから宇宙へ飛び出すことになるのだった。

外伝

本編と違いジャンルはRPGである。

エッグモンスターHERO

スクウェア・エニックスのニンテンドーDS参入第1弾ソフトで、同ハード初のRPG。

ストーリー
アルマムーン王国では平和が続いていた。先代のアルマムーン王は「伝説のたまご」の力で大陸を統一した英雄だった。
しかし、幼くして跡を継いだ若は平和にかまけて惰眠を貪る生活を送っていた。見かねた大臣は、若の精神を鍛え直すべく修行の旅に出させることになった。
修行の地として無理矢理連れて来られたのは大自然の残る「ハードボイル島」。その地で出会った少女カトリイヌによれば「完熟軍」を名乗る軍団が島に眠る「伝説のたまご」の封印を解こうとしているのだという。
そして若がたまごを持っているのを見たカトリイヌは、若を無理矢理完熟軍討伐に駆り出すのだった。

外伝だが内容は番外編に近く、本編とは人物関係などがやや異なる。主人公は3作目以降のデザインだが、ストーリーは2作目『半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!』をベースにアレンジしたもので、カトリ王国の設定も異なる。また、システムも本編と異なり純粋なRPGになっている。

半熟英雄モバイル

2007年に配信サービス終了。

ゲームシステム

作品によって多少システムが異なるものの、基本的には以下のようなものである。

基本システム

1つの章につき、フィールドマップが一面ずつ用意されている。マップ上に複数の城があり、アルマムーン城を拠点として将軍を派遣して全ての城を占領し、その後に新たに現れる敵拠点に陣取るボスを倒せばその章のクリアとなる。

イベント

各章の初めと終わりに発生するストーリーに関わるイベントと、月イチコマンド(後述)などで発生することのあるランダムイベントに大別される。

フィールド画面と月イチコマンド

大きく分けて「戦闘パート」と「内政パート」がある。戦闘パートでは、フィールド画面を表示している間はゲーム上でも時間が経過する。

ゲーム上で1か月経過すると、内政パートになり月イチコマンド(『4』では「月刊半熟英雄」)と呼ばれる画面に切り替わる。イベントが発生することもある。全てのイベントの終了後に編成画面に切り替わり、この画面で将軍の登用、兵士の募集、城の築城などによる軍の増強ができる(第1作では将軍募集がイベントのみ)。「切り札」も作品により買えるものと買えないものがあり、第3作では敵を倒した時に入手するテトリス状のブロックを組み合わせて開発、量産する。編成画面を終了すると再び戦闘パートに戻る。ただし内政パートは基本的に戦闘の補助が多いため、各種コマンドも戦闘に特化している(4作目では築城ができなくなり、内政の要素はさらに減った)。

戦闘パートで動くことが出来るフィールド上には、城以外にも温泉や洞窟などの施設があり、それらに将軍を派遣することでランダムイベントが発生する。洞窟のみ、将軍を派遣した翌月の月イチコマンドの際にイベントが発生する。イベント詳細を参照。また、モモリスや屋台のゲンさんといった、ランダムに登場するNPC(ノンプレイヤーキャラクター)も存在し、それらと将軍が遭遇することでもイベントが発生する。第3作までは、フィールドのほとんどの場所に任意で移動ができたが、第4作では特定の場所指定のみとなっている。

敵勢力は、全作品を通じてチートが掛かった状態になっており、財政赤字は決して発生せず、兵士も無尽蔵に持っている。味方は将軍募集ができないフィールド画面においても、時間経過で勝手に将軍が補充される(第4作は例外、一部のケースを除く)。このため、敵の将軍をすべて討ち取っても、城が残っていれば時間経過によって将軍が補充されてしまう。ただし、第2作以降のボスキャラクターはこの限りではなく、倒した時点で勝利となる。また、第2・4作で敵が使う卵は、使用回数(またはHP)の回復はされず、壊してしまえば修理もされない。

ゲームオーバー

アルマムーン国王を含む主要キャラクターが倒されるか、本拠地(第2作までは自軍の城全て)が敵に占拠されるとゲームオーバーとなる。第1作目では葬式、第2-3作目では三途の川か天国のどちらか、第4作目からは天国。

月イチコマンドの内容

兵士補充
兵士を雇用する。上限は、出撃中の将軍に付き従っている兵士を除くと、第2・3作では999人まで、第4作では9999人まで。1人金1(通貨単位は第1-2作・第3作の第1話では「ゴールド」、第3作の第2話以降・第4作では「ポッキリ」)。
将軍募集
「将軍援護会」に将軍募集を斡旋する。コマンドとして実行できるのは第2作から。主人公などを含めた上限は、第2作では32人まで、第3作では20人まで。候補は3択で、募集費用は第2作では50ゴールド、第3作以降では男女別の募集となり第3作では男性50/女性60ポッキリ、第4作では男性180/女性200ポッキリ。いずれも月イチイベントで募集が行われた場合は無料。
商人
切り札を買う。第1作では一度に1種類につき1つしか購入できない。第3作で廃止。
将軍解雇
将軍をクビにする。クビにするとその月の給料が戻ってくる。第1作では主人公の英雄度、第3作では人気が下がる。赤字になったら必ず実行しなければならない。
築城
城レベルを1上げる(1人も将軍がいない城は不可能)。レベルを上げる特典としては、1度の籠城戦で迎撃できる人数が増える(後述)。他にも、第1作では籠城側が有利になり、第2作では籠城時に使える「おくのて」の威力が上がり(自分にダメージが返ってくる場合も被害が減る)ほかに防御力も上がり、第3作では籠城時に「おくのて」でより有利な選択を引きやすくなるうえに防御力上昇と城自体の攻撃が追加され(白兵戦のみ)、収入が増える。第4作で廃止。
メインメニュー
通常と同じように現在の状態を確認できる。地図、兵士数、将軍データ、卵の状況、切り札の種類や数など。ただし第2作では通常と異なりセーブコマンドのみ使用不能。
たまご回復
第2-3作、及び第1作の携帯アプリ版に登場。ランプキン(第1作携帯アプリ版はモンスター)に金を払い、卵の使用回数を回復してもらう。費用は1人につき50ゴールド(第2作)/50ポッキリ(第3作)。なお第1作では勝利したモンスターの城を訪れる事で無料回復が可能。携帯アプリ版ではそれに加えて、有料で城に呼ぶことができるようになった。誰が呼ばれるかはランダムだが、呼び直しは無料で何度でも可能。
たまご復活
第3作以降に登場。あたし(カトリイネ)に金を払い、壊れた卵を修理してもらう。なお第2作ではフィールド上の「あたしの家」に行く事で、その将軍の卵を修理できる。
貢ぐならどっち?
第4作に登場。カトリイネ、またはカトリイヌに金品を貢ぐ。ある程度貢ぐと、将軍として出撃させられるようになる。出撃可能後も貢ぎ続ける事によってパワーアップしていく。
てっしゅー
第4作に登場。現在攻略中の惑星から撤収する。撤収すると倒された英雄(後述)が全て復活するが、その惑星の攻略を最初からやり直す事になる。

戦闘システム

戦闘発生条件
以下のような場合、フィールド画面から戦闘画面に切り替わり、戦闘が発生する。
  • 自軍の将軍が敵の城に攻め込んだとき
  • 敵軍の将軍がプレイヤーの城に攻め込んだとき
  • 自軍の将軍と敵軍の将軍が遭遇したとき
また、月イチコマンドで発生するランダムイベントなどにおいて戦闘が発生することもある。
戦闘
基本的には将軍・兵士同士の白兵戦となり、ボタンをタイミングよく連打すると有利に戦える(第3作にて「連打リングバトル」と命名)。籠城戦では築城による城レベルに応じて防御力ボーナスがつくが、特に第1作では城レベル以外に加えて城の数も加味され、ボーナスも白兵戦の攻防両方に付く。第3作では城レベル2以上だと城自体が敵兵に支援攻撃をしてくれる(コマンドバトルでは支援無し)。
1-3作目では、籠城側の迎撃できる将軍数はレベルと同数。最大のレベル5ならば5人まで迎撃できるが、レベル1ならばたとえ他に将軍が残っていても、最初の1人が倒された時点で即落城となる(作品によっては敵軍には当てはまらない)。また、迎撃する将軍の指定はできず、戦闘力の低い順(ただし、主人公は必ず最後)に迎撃する。
その他、自軍は任意にコマンドを呼び出して特殊な行動を選択できる。コマンドが出ている間は白兵戦の時間が停止している。
きりふだ
「切り札」という戦闘用アイテムを使用する。基本的に使い捨て。第2作目までは籠城戦だと使用不能。
たまご
「エッグモンスター召喚」(後述)を行う。たまごを持つ将軍のみ選択可能。
おくのて
第2作以降の籠城戦で、たまごを持っていない場合に使用可能。何度でも使用できるが、どんな攻撃ができるかは候補がランダムで決定され、中には自滅技もあるが、キャンセル不可能なのでどれかを選ぶ必要がある。第2-3作では築城で城レベルを高めると有効な奥の手が出やすくなるほか、第3作では将軍のタイプによっても候補がそれぞれ異なる。
第4作では一度の戦闘で1回しか使えなくなり、どの技を使うのかがルーレットで決定されるため完全に運頼みとなった。
たいきゃく
戦闘から逃げ出す。籠城戦だと使用不能。HPと兵士数が激減する(第1作目では退却に失敗して、その場で倒されてしまう可能性もある)。
エッグモンスターが出現している時は、連打リングバトルではなく「コマンドバトル」となり、両軍が1回ずつコマンドを選択して戦う完全なターン制バトルになっている。
こうげき
片方の軍にエッグモンスターが出現している場合のみ選択できる将軍のコマンド。将軍と兵士が各自普通の攻撃を行う。
もうこうげき(第2作まで)/ とつげき(第3作以降)
同様の条件における将軍のコマンド。将軍と兵士が一度に突撃する。ダメージは大きいがミスもしやすい。
エッグモンスターの固有技
モンスターごとに設定されており、効果はさまざまな上、説明などは一切ないためどんな攻撃を行うかは使ってのお楽しみという要素がある。第3作以降ではある条件を満たすと3つ目の技が追加される。
たまごにもどれ
呼び出したエッグモンスターをたまごに戻して、再び将軍と兵士による戦闘に戻る。両軍からエッグモンスターがいなくなれば、再び連打式の白兵戦となる。
なお、白兵戦における上記のコマンドも選択可能。

召喚システム「エッグモンスター」

本シリーズ最大の特徴。将軍の持つ卵からエッグモンスターと呼ばれる怪物を召喚し、兵士たちの代わりに戦闘をさせることができる。このとき、敵将軍がコマンドを選択してエッグモンスターに挑んでくる。左に人物、右にモンスターの構図は、丁度ファイナルファンタジーシリーズの逆になっていて、ここに逆転的な面白さがあった。

プレイヤーサイドがモンスターで敵を攻撃するシステムは好評で、ファイナルファンタジーシリーズの召喚魔法やアビリティ「あやつる」の原形となった。『ファイナルファンタジーV』では、エッグマンが召喚獣として登場する隠し演出があった。

第2・4作では敵側も卵を持っているため、敵軍も同様に召喚してエッグモンスター同士が戦うこともしばしばある。特にボス戦では強力なエッグモンスターが必須である。 卵には数種類あり、その種類によって召喚できるモンスターは異なる。エッグモンスターの中には、他の自社作品のキャラのパロディであったり、そのままエッグモンスターとしてゲスト出演しているものもいる。

英雄度(ヒーローど)
第1作のみ登場。敵城攻略や将軍登用で増え、将軍解雇で下がる。これが高いと、ランダムイベントで「スーパーウルトラミラルクルマン(「元祖 半熟英雄」では「スーパーウルトラミラクルマン」)」が現れるようになる。
半熟値
第2作より登場。戦闘経験値で、基本的には戦闘に勝つと上がり、退却すると下がる。イベントで上下することもある。半熟値が一定以上になると「半熟レベル」が上昇し(下がることはない)、召喚するモンスターが変化する(第4作では召喚候補が増える)。おおむね半熟レベルが高いほど強いモンスターを召喚できる。ただし第2作では、半熟レベルが最高になると直接攻撃のできないランプキンしか召喚できなくなる現象が発生する。
タコメーター
第4作に登場。コマンドバトルのみ影響。攻撃によって互いの感情が「ブチギレ」と「アキレ」のどちらかに動いて行く。敵の感情(画面上の表現)が「ブチギレ」に振り切れると敵側に、敵の感情が「アキレ」に振り切れると味方側に、それぞれ1ターンボーナスが与えられるうえ攻撃力も倍になる。漫然と攻撃して行くと敵をブチギレさせてしまい手痛い反撃を喰らうために、敵をアキレさせる能力を持つエッグモンスターや切り札が重要な役割を持つようになった(敵側が技を使用した時のタコメーターは、味方側の使用時とは逆方向に動く)。たとえば、エッグモンスターのエッグマン(敵にダメージを与えられない)、ゾンビ(自滅技しかない)、ウゴカザル(命令を絶対に拒絶して動こうとしない)などは、第3作までは無為無能の代名詞的存在だったが、今作ではいずれも敵を大きくアキレさせる効果が追加されたため、このようなエッグモンスターでも実戦に役立つようになった。

イベント詳細

既述したように、イベントはストーリーに関わるイベントと、主に内政パートでの月イチコマンドの際に発生するランダムイベントに大別される。また、月イチコマンドの際に発生するランダムイベントは、特定の月に必ず(もしくは非常に高い確率で)発生する定期イベントと、その他のイベントに大別される。

ここでは、ランダムイベントを中心に代表的なものをいくつか解説する。

定期イベント

第2作より登場。

正月のお祝いとお年玉(1月)
お年玉をもらって収入になる。
バレンタインデー(2月)
第3作以降。カトリイネにチョコレートを押しつけられる。第4作では、カトリイヌ、ルーナエ、メルクリィがチョコをくれることもある。
ホワイトデー(3月)
第3作以降。カトリイネにお返しを強要される。カトリイネ以外にチョコを貰った場合も、それぞれお返しを出費させられる。
花見(4月)
第4作のみ。花見代300ポッキリを支払うと、よっぱらい500人が志願兵としてアルマムーンの兵士に加わる。
ゴールデンウイーク(5月)
畑から金塊が掘り出されて収入になる。
ヒートアイランド(8月)
第3作では「兵士ストライキ」。猛暑で兵士が夏バテするのでなんとかする。バカンスをやると兵士が半分逃亡、ボーナスをやると資金半減。全員解雇を命じると、兵士が0になる(第3作以外では、解雇を命じても、所持金が少なければ兵士が要求を思いとどまることもある)。
クリスマス(12月)
サンタクロースがプレゼントとして切り札をくれる。
貢ぎ物(2月・3月以外毎月)
特定の女性に金品を要求される。拒否はできず、3択で金額を選べるのみ。
  • 第1作では不定期に発生。正解を選ぶか所持金が尽きるまで際限なく請求する。
  • 第2作でも不定期に発生。第1作ほどしつこくは要求されない。
  • 第3作では2月・3月以外毎月発生。相手はカトリイネで、このうち料理代を選択すると勝手に料理を兵士に振る舞うことがあるのだが、食中毒で兵士が半分再起不能になってしまう。貢いだ金額が一定以上になると将軍として使用可能になる(金額に応じて強化される)。

その他のイベント

農民の報告
通常収入の他に、その月の収入が2倍となる豊作や収入が2分の1となる凶作がある。さらに2作目以降では収入が4倍となる大豊作や、収入が4分の1となる大凶作が追加された。
スーパーウルトラミラルクルマン登場
第1作のみ。英雄度が高いと現れることがあり、希少価値の高い切り札をくれる。「ミラクルマン」ではない(『元祖 半熟英雄』では「スーパーウルトラミラクルマン」となっている)。
商人登場
第1作では「フクスケ」、第2作では「中華商人」が現れ、格安で切り札を売ってくれる。ただし、フクスケの売り物は福袋で、中身はランダム。中華商人は洞窟でも登場。第4作ではダンジョンのみ中華商人が登場し、兵士を補充してくれる(ただし価格は通常の10倍)。
暗殺
第1作では「こがらしモンスター」、第2作では「隠密戦隊ゴニンジャー」に敵将軍の暗殺を依頼する。成功すると敵将軍が1人死亡する。ただし城内の敵将を倒した場合はすぐ補充されるため依頼の効果は状況次第。第3作で廃止された。
地震
第1作では自国の城1つ、第2・3作では自国全ての城のレベルが1下がる。
作曲家の登場
ゲーム中の楽曲が聴ける、いわゆるサウンドテストモードになる。第2作ではすぎやまこういち、第4作では植松伸夫が登場。
将軍謀反
第2作より登場。将軍が謀反を起こし、兵を率いて主人公に斬りかかってくる。負ければゲームオーバー、勝ってもその将軍を討ち取ったことになる(第2作ではそのかわり大幅な半熟値のボーナスがある)。
しかし、主人公は元々非常に強いので、兵士が一人もいない状況でもない限り、負ける事はまずありえない。
第3作以降では将軍の出奔する夜逃げバージョンもあり、こちらは生命の危険こそ無いが、無条件で将軍を失う。ただしいずれも再雇用できる場合がある。
火星人来襲
第2作より登場。収入と城に大損害を受けるが、強力な切り札「キャトルミュー」が手に入る。
建築法違反
第2作のみ登場。城が「建築法違反」と難癖を付けられ、レベルが1下がる。賄賂を払えば見逃して貰える。
99年7の月
第2作のみ登場。99年7の月までゲームを進めると、ノストラダムスの大予言第10巻72番にちなんだイベントが発生する。
バクトのケン登場
第3作より登場。丁半バクチで所持金を増やすミニゲームに挑戦できる。

洞窟に将軍を派遣した際に起こるイベント

  • 宝を見つける
  • 事故や罠などで将軍が死亡
  • いっぱつエッグのエッグモンスターと対決
  • 敵軍と対決…etc.

  1. ^ http://skky17.hatenablog.com/entry/2015/05/21/230313
  2. ^ iモード版の対応機種は903i703i以降でiアプリに対応している機種。
  3. ^ 例として「くちびるナイト」が「リップナイト」、「コロボックル」が「ミニマムマン」に改名されており、WSC版以降に発売された作品では改名後の名前で登場している。また、WSC版で追加された12体のエッグモンスターはスマートフォンアプリ版では登場しない。
  4. ^ SFCの名作「半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!」がスマホアプリに 今秋配信”. ねとらぼ. ITmedia (2017年6月12日). 2017年6月13日閲覧。
  5. ^ 「半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!」が2017年10月19日に配信決定。1週間の配信記念セールも開催予定” (2017年10月11日). 2017年10月11日閲覧。
  6. ^ 各ステージクリア時のターン数に応じて報酬(課金アイテム入手、エッグモンスター、将軍の強化、ボスモンスター、ボス将軍解放の3種類)が得られる。
  7. ^ choboraunyopomiのツイート(921253942759104512)
  8. ^ ただしゲーム内での表記は文字数制限で「エッグマン」になっている。
  9. ^ 配信は10月!スマホアプリ『半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!』8体の公募エグモンが大発表!” (2017年9月24日). 2017年9月24日閲覧。
  10. ^ 株式会社QBQ 編 『懐かしスーパーファミコン パーフェクトガイド』 マガジンボックス(M.B.ムック)、2016年。ISBN 9784866400082 p33
  11. ^ 『半熟英雄 対 3D 公式ガイドブック☆ ノーカットエディション』株式会社レッカ社、スクウェア・エニックス編/スクウェア・エニックス、370頁
  12. ^ ただし、ドラゴンクエストシリーズはトンヌラを除くと主人公やメインパーティーの人物は参加していない。
  13. ^ 初代『半熟英雄』の取扱説明書にはゼウス、ヴィーナス、アキレスアドニスの4将軍のイラストが掲載されているが、ゲームには反映されていない。
  14. ^ これに限らず、3作目第1話はほぼ全て『ライブ・ア・ライブ』のパロディで構成されている(第1話の雰囲気に合わせて原作同様にシリアス)。
  15. ^ 解説書では使用頻度が明言されているが、明確なレベル設定は『半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!! てきぱきクッキングガイド』p73より。ただし敵将軍が持っている卵がまねっこエッグの場合は例外的に使用しない。
  16. ^ 『半熟英雄 対 3D 公式ガイドブック☆ ノーカットエディション』株式会社レッカ社、スクウェア・エニックス編/スクウェア・エニックス、419頁


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