人によって引き起こされた核爆発以外の大爆発一覧
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1970年代
- 天六ガス爆発事故(1970年4月8日)
- 大阪府大阪市北区菅栄町(現・天神橋六丁目、通称:天六)、死者79名 / 負傷者420名
- 地下鉄谷町線天神橋筋六丁目駅工事現場で都市ガスが漏洩。引火・爆発し、多数の死傷者を出した。
- フリックスボロー大爆発事故(1974年6月1日)
- イギリス・リンカンシャー州フリックスボロー、死者28名 / 負傷者36名
- ナイロン原料となるΕ-カプロラクタムを合成する工場でプラントの不具合から仮復旧中の後に再稼働したところ、ガスが空気中に噴出して爆発。セベソ事故と並んで化学工場での安全基準の策定に影響を与えた。
- 裡里駅爆発事故(1977年11月11日)
- 大韓民国(韓国)・全羅北道裡里市、死者59人 / 負傷者1343人
- ダイナマイトなどの爆発物を輸送中の貨物列車が裡里駅に停車中に爆発。
- ロス・アルファケス大惨事(1978年7月11日)
- スペイン・カタルーニャ州タラゴナ県アルカナー、死者217人 / 負傷者200人以上
- 過積載状態のタンクローリーが、キャンプ場のそばを通過中、積荷の可燃性物質プロピレン23.47トンが爆発し、キャンプ場にいた多数のキャンプ客が爆発に巻き込まれ、大惨事となった。
1980年代
- 静岡駅前地下街爆発事故(1980年8月16日)
- 静岡県静岡市、死者15人 / 負傷者223人
- 静岡駅北口の地下街の飲食店で地下の湧水処理漕に溜まっていたメタンガスにガスコンロの火が引火しガス爆発が発生した。この爆発によりビル内の都市ガスの設備が破損し、都市ガスが漏洩して更に爆発、多数の死傷者を出した。事故後、地下街に関する保安基準が厳しくなり、1987年の川崎アゼリアまでしばらく新設が認められなかった。
- シベリア横断ガスパイプライン大爆発(1982年6月)
- ソビエト連邦・シベリア、死傷者なし
- ガスのパイプラインが爆発。アメリカの情報機関の推定によると爆発の規模はTNT火薬で3kt相当だったとされるが、遠隔地での爆発だったため死傷者は出ていない。後に、CIAが故意に欠陥のあるシステムをソビエトに売り込んで爆発を起させたとの報道がなされたことがあった。これに対しパイプラインの計画責任者は、爆発の原因は単なる設計上のミスであるとして、CIA関与説を否定している。
- サン・フアン・イスアテペク爆発事故(1984年11月19日)
- メキシコ・メヒコ州トラルネパントラ・デ・バス市、死者500人から600人(推定) / 負傷者5000から7000人(推定)
- 液化石油ガス貯蔵施設で、パイプから漏れたガスが150m大の可燃性蒸気の雲となって、さらに何らかの理由で引火。沸騰液膨張蒸気爆発(BLEVE)によって上空500mに直径300mの火球が発生して周囲のタンクを飲み込みながら誘爆を起こし、5時間にわたる大規模火災となった。犠牲者のほとんどは熱放射により燃え尽きてしまい、回収された遺体のうち身元が確認できたのは2%だけであった。
- マイナー・スケール(1985年6月27日)
- アメリカ合衆国・ニューメキシコ州トゥラロサ盆地(ホワイトサンズ・ミサイル実験場)、死傷者なし
- 小型の核弾頭の爆発をシミュレートするために計画・実行された。目的は各種兵器に対する爆発の影響調査で、特に当時開発中だったミゼットマンミサイルの発射装置が主要目的だった。TNT火薬で4kt相当のアンホ爆薬を爆発させた。
- チャレンジャー号爆発事故(1986年1月28日)
- アメリカ合衆国・フロリダ州ブレバード郡メリット島(ケネディ宇宙センター)、死者7人
- スペース・シャトルチャレンジャー号が射ち上げから73秒後に分解し、7名の乗組員が犠牲になった。
- ペプコン大爆発(1988年5月4日)
- アメリカ合衆国・ネバダ州ヘンダーソン、死者2名 / 負傷者372人
- PEPCONロケット燃料工場で火災が発生。チャレンジャー事故によるスペースシャトル計画凍結のため、出荷されずに工場建物内に保管されていた過塩素酸アンモニウム3,900トンが乾燥過程において炎上爆発した。この爆発はコロラド州の国立地震情報センターでマグニチュード3.0 - 3.5の規模の地震であると観測され、工場から16km離れたラスベガス市街地にも被害を及ぼした。
1990年代
- グアダラハラ爆発事故(1992年4月22日)
- メキシコ・グアダラハラ、死者206名 / 負傷者約500名
- パイプラインの腐食によりガソリンが漏出、水道管や下水管に流入し、30℃を超す高温により揮発、引火し爆発。約15,000名が家を失った。
- 炮台山爆破工事(1992年12月28日)
- 中華人民共和国・広東省珠海郊外、死傷者なし
- 空港(現在の珠海金湾空港)建設のために陸軍工兵によって爆破工事が行われた。準備は10ヶ月間かけて行われ、規模はTNT火薬12,000t相当で当時世界最大とされる[13]。
- 長征3Bロケットの爆発(1996年2月14日)
- 中華人民共和国・四川省涼山彝族自治州、死亡6名 / 負傷57名[14]
- 西昌衛星発射センターから打ち上げられた長征3Bロケットが制御不能となり、同センターに隣接する作業員宿舎地区に墜落・爆発した。強い腐食性を持つ非対称ジメチルヒドラジンが一帯に飛散し、住居80棟以上が破壊された[15]。当局は現場を封鎖して証拠隠滅を図ったが、すぐに世界の知るところとなった。当初は死者約500名との報道もあったが、当局はこれを否定している[16]。
- ^ 規模から、火薬の爆発だけを原因とするには疑義があり、なんらかの天災の可能性も排除されていない。参照:“Solving a Mystery of 400 Years-An Explanation to the "explosion" in Downtown Beijing in the Year of 1626” (英語). allbestessays.com (2013年4月29日). 2015年12月20日閲覧。
- ^ Gilbert 1994, p. 6-7.
- ^ Gilbert 1994, p. 5.
- ^ 日外アソシエーツ編集部 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年9月27日、26頁。ISBN 9784816922749。
- ^ Gilbert 1994, p. 7.
- ^ Gilbert 1994, p. 5-6.
- ^ “原因はたばこか 玉栄丸爆発事故で新証言”. 日本海新聞. (2007年5月31日). オリジナルの2008年1月28日時点におけるアーカイブ。 2008年4月24日閲覧。
- ^ Gilbert 1994, p. 8-9.
- ^ “伊江島米軍弾薬輸送船爆発事故関係資料”. 沖縄県公文書館. 2009年6月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月10日閲覧。
- ^ 「百余名が重軽傷 鳴門海岸 魚雷など大爆発」『朝日新聞』昭和26年1月30日
- ^ 失敗事例 > 硫酸アンモニウム回収中の過剰濃縮による硝酸アンモニウムの爆発 失敗知識データベース
- ^ 川合恭平, 鈴木汎, 化学工場における事故災害対策 : 東亜合成化学工業 (株) の爆発事故対策の例」『有機合成化学協会誌』 1979年 37巻 6号 p.494-500, 有機合成化学協会, doi:10.5059/yukigoseikyokaishi.37.494, NAID 130000924058
- ^ “航空城集团立足三支点 助力珠海航空产业腾飞”. 国际空港信息网. 2020年8月6日閲覧。
- ^ “官方辟谣"中国火箭坠毁砸死500人":6死57人伤”. 网易. (2016年2月18日). オリジナルの2016年2月27日時点におけるアーカイブ。 2016年2月18日閲覧。
- ^ “CZ”. Encyclopedia Astronautica. 2010年3月14日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 公式発表通りの被害でも、中国の宇宙開発史上最悪の事故である。
- ^ “武器庫爆発、「水のない津波に襲われたよう」 コンゴ共和国”. AFPBB. (2012年3月6日) 2020年12月31日閲覧。
- ^ “米化学工場で爆発、70人超死傷 住民に屋内退避呼びかけ”. CNN. (2013年6月14日) 2020年12月31日閲覧。
- ^ “列車爆発の死者5人に、町が壊滅的被害 カナダ”. CNN. (2013年7月8日) 2020年12月31日閲覧。
- ^ “天津爆発、死者104人に 習主席が再発防止を指示”. CNN. (2015年8月16日) 2020年12月31日閲覧。
- ^ “レバノン爆発 首都非常事態宣言、治安維持軍に 被害額150億ドルに達する可能性も”. 毎日新聞 (2020年8月6日). 2020年12月31日閲覧。
- ^ “Bata blast: Satellite images show Equatorial Guinea destruction”. BBC NEWS. 2021年3月13日閲覧。
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