ハワイ諸島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/26 16:12 UTC 版)
歴史
ハワイ諸島は現在は、アメリカ合衆国領であるが、かつてはマルケサス諸島やタヒチから航海カヌーで来住したポリネシア系の人々が幾つかの王国を造っていた。
最初にハワイ諸島への植民が行われた時期には諸説あるが、かつてコンピュータ・シミュレーションによって古代ポリネシア人の偶然漂流説をほぼ論破したことでも知られるポリネシア考古学の権威の一人、ジェフリー・アーウィンは8世紀ごろではないかとしている[2]。
記録に残っている限り、この諸島に最初にヨーロッパ人が来航したのは1778年のジェームズ・クックに率いられた探検隊であった。当時イギリス海軍本部管理委員会の長だった第4代サンドウィッチ伯爵ジョン・モンタギューの名を取って、この諸島は「サンドイッチ諸島」と命名された。
ハワイ諸島の島々
ハワイ諸島は以下の19の島および環礁からなり、総面積は約28,313km2である。
8つの主要なハワイ諸島 :南から順に掲載。カホオラウェ島には人間が住んでいないという記述も散見されるが、実際にはプロテクト・カホオラウェ・オハナ (Protect Kaho`olawe `Ohana) というNPOのスタッフがこの島に居住して環境回復活動を行っている。ウィンドワード(windward、風上)諸島とも呼ばれる。
- ハワイ島(Island of Hawai‘i、または、Big Island)
- マウイ島(Maui Island)
- カホオラウェ島(Kaho‘olawe Island)
- ラナイ島(Lāna‘i Island)
- モロカイ島(Moloka‘i Island)
- オアフ島(O‘ahu Island)州都ホノルルの所在地
- カウアイ島(Kaua‘i Island)
- ニイハウ島(Ni‘ihau Island)
小さな島、環礁、および、暗礁(ニイハウ島の北西に連なり、北西ハワイ諸島、リーワード(leeward、風下)諸島と呼ばれる。ミッドウェー環礁以外は現在は無人島であるが、かつてはポリネシア人のコミュニティが存在した島もある)。
- カウラ島(Kaula Island)
- ニホア島(Nihoa Island)
- ネッカー島(Necker Island)
- ディサピアリング島(Disappearing Island)
- フレンチフリゲート瀬(Frenchi Frigate Shoals)
- ガードナー尖礁(Gardner Pinnacles)
- マロ環礁(Maro Reef)
- レイサン島(Laysan Island)
- リシアンスキー島(Lisianski Island)
- パールアンドハーミーズ環礁(Pearl and Hermes Reef)
- ミッドウェー環礁(Midway Atoll)
- クレ環礁(Kure Atoll)
ミッドウェー環礁以外はハワイ州に属している。
地質
太平洋プレートが北西方向へ、100万年間に51kmという速度で移動しているため、その上にある列島は北西にある島ほど古く、侵食された期間も長いために小さい。
火山
最近200年間で活動した火山は最南東のハワイ島にしかなく、さらにその南東海中にはロイヒ海山(en)という海底火山が成長している。アメリカ合衆国地質調査所のハワイ火山観測所が最近の火山活動を報告し、画像と解析結果を提供している。
ホットスポットで生成されるマグマのほとんどが玄武岩組成を示し、ハワイの火山のほとんどすべてが玄武岩や粗粒の斑れい岩で形成される。ハワイ島はキラウエア火山、マウナロア山、フアラライ山、マウナケア山、コハラ山地の5つの火山でできている。そのうち半分を占めるのがマウナロア山である。海抜4,000mを超え、海中部分は5,000mに達する。噴火のタイプはハワイ式と呼ばれ、流動性のある玄武岩溶岩が流れ出すもので、環太平洋地域で見られる安山岩の激しく危険な噴火と異なる。
最近の火山活動としては、日本時間2018年5月17日午後11時ごろキラウェア火山が噴火し9千メートル以上の高さにまで噴煙が達した[3]。
津波
太平洋海底下で発生した地震が引き起こす津波は時速900kmもの速さで何千kmも離れた所まで伝わる。1960年のチリ地震による津波はハワイ島ヒロで、その湾形によって波高が10mに増幅され、死者61名、重傷282名を出した。ハワイ諸島の火山活動や大規模地すべりも原因になると考えられる。ハワイ沿岸には津波注意サイレンが設置されている。
地震
ハワイ州はアメリカ合衆国で第3位の地震発生州である。地震はもっぱら火山性のもので、最近では2006年10月15日にハワイ島北西海岸でマグニチュード6.7の地震が発生し、5分後に5.7の余震があった。道路や建物に被害が生じ、240km離れたホノルルでも有感であった。いくつかの島で停電になった。全州で災害宣言がなされ、津波警報が発せられたが、死者や重傷者は出なかった。 日本時間で2018年5月5日7時32分頃ハワイ諸島にてM6.9の地震が観測された。
注釈
出典
- ^ https://en.wiktionary.org/wiki/Hawaii 英語にとっても外来地名なので、発音にはかなりの幅がある。
- ^ 『Vaka Moana, Voyages of the Ancestors: The Discovery and Settlement of the Pacific』 Bateman/Hawai'i University Press、2006年。
- ^ キラウエア火山が爆発的噴火、噴煙は最大規模(YOMIURI ONLINE)
- ^ ハワイの気候・天候概要
- ^ 以下、主として木元(1979)p20-22による。
- ^ これについてはアシナガグモ属を参照
- ^ 小野(1994)p.127-129
- ^ “Hawaiian Islands Biosphere Reserve, United States of America” (英語). UNESCO (2019年6月). 2023年2月19日閲覧。
固有名詞の分類
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