コゴメウツギ コゴメウツギの概要

コゴメウツギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/30 03:34 UTC 版)

コゴメウツギ
福島県会津地方 2008年5月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : シモツケ亜科 Spiraeoideae
: コゴメウツギ属 Stephanandra
: コゴメウツギ
Stephanandra incisa
学名
Neillia incisa (Thunb.) S.H.Oh (2006)[1]
シノニム
和名
コゴメウツギ(小米空木)

名称

和名「コゴメウツギ」の由来は、アジサイ科ウツギに似た花をつけ[7]、小さな白い花を粒に見立てたことによる[6]中国名は、「冠蕊木」(小米空木、深裂野珠蘭)[1]

分布と生育環境

日本朝鮮半島[7]中国[7]台湾の東アジア地域に分布する。日本では、北海道日高地方)、本州四国九州に分布する[6]。低山地や丘陵地に生え、林縁などでふつうに見られる[7][6][8]

特徴

落葉広葉樹低木で、高さは1 - 2メートル (m) になる[6]。樹形は株立ちになり、細いをよく分枝して[6]、主幹の先端は下に垂れる。若い枝は紅褐色を帯びて軟毛があり、細くて折れやすい[6]。樹皮は淡灰褐色で薄くはがれる[8]。一年枝は茶褐色で毛があり、ごく細くてジグザグに曲がり、2本平行して出ることがある[8]

は、長さ3 - 7ミリメートル (mm) の葉柄をもって枝に互生し、形は三角状広卵形[6]。葉の先端は尾状に伸びて尖り[6]、基部は心形または切形になり、葉身は長さ2 - 4センチメートル (cm) [7]、幅1.5 - 3.5 cmになる。葉の両面に軟毛があり[7]、裏面に5 - 7対の側脈がある。葉縁は羽状に中裂または浅裂し、裂片は重鋸歯になる[6]

花期は5 - 6月[6]。今年枝の先端や葉腋から、花序軸を伸ばして総状花序を出し、径4 - 5 mmの黄白色の5弁を多数咲かせる[7][6]裂片は長さ2 mmで5個、花弁は萼裂片より長い。雄蕊は10本あり、花弁より短く、雌蕊は1個で直立する[6]果実は球形で[6]、長さ2 - 3 mmの袋果となり、基部には萼が残る[7]。冬に果実が残っていることも多い[8]

冬越しの際に小枝の先端が枯れて、卵型で紅紫色の冬芽が枝に互生する[8]。冬芽は芽鱗5 - 8枚に包まれており、葉痕との間に副芽をつけることが多い[8]。葉痕は三角形で托葉痕があり、維管束痕が3個見られる[8]

下位分類

  • シマコゴメウツギ Neillia incisa (Thunb.) S.H.Oh var. macrophylla (Hid.Takah.) Yonek. [9]

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Neillia incisa (Thunb.) S.H.Oh コゴメウツギ(標準)” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月30日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Stephanandra incisa (Thunb.) Zabel コゴメウツギ(シノニム)” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月30日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Stephanandra gracilis Franch. et Sav. コゴメウツギ(シノニム)” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月30日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Stephanandra incisa (Thunb.) Zabel var. quadrifissa (Nakai) T.B.Lee コゴメウツギ(シノニム)” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月30日閲覧。
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Stephanandra flexuosa Siebold. et Zucc. コゴメウツギ(シノニム)” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月30日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n 西田尚道監修 学習研究社編 2009, p. 81.
  7. ^ a b c d e f g h i 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 178.
  8. ^ a b c d e f g 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 160.
  9. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Neillia incisa (Thunb.) S.H.Oh var. macrophylla (Hid.Takah.) Yonek. シマコゴメウツギ(標準)” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月30日閲覧。


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