障害者雇用(しょうがいしゃこよう)
企業や地方自治体などは、常勤の従業員のうち一定割合の障害者を雇用することが義務づけられている。働き口の少ない障害者の雇用を促進するために用意された制度。
障害者雇用促進法によると、一般の民間企業では常勤の従業員うち1.8%以上、国または地方公共団体の機関では常勤の職員のうち2.1%以上の障害者を雇用・採用しなければならない。すなわち、従業員数56人以上の企業や職員数48人以上の公共機関に障害者の雇用義務がある。
しかし、企業などが障害者の雇用義務に違反したとしても、罰則は定められていない。障害者雇用納付金さえ出せば障害者の法定雇用率を達成できなくても行政によるおとがめはない。
逆に、一定比率以上の障害者を雇用する企業などには、調整金が支給される。障害者の雇用を制度的に奨励しようとする試みだ。
(2002.11.29更新)
障害者雇用
戦後まもなくは障害者に対する社会の理解が十分ではなく、社会的条件の整備が遅れており障害者には非障害者に比べ十分な雇用の場が与えられていなかったが、昭和35年の身体障害者雇用促進法を始め、障害者の就労支援、雇用確保に向けた様々な施策がとられてきた。障害者の雇用には日本国憲法第27条の勤労の権利や国際連合の国際障害者年行動計画におけるノーマライゼーションの理念などが根拠として挙げられる。
民間企業に対しては障害者の法定雇用率の設定、それに関する雇用納付金制度の導入などの措置がとられており、平成22年6月1日時点では雇用障害者数34万2973.5人(前年比3.1%増)、法定雇用率1.68%(前年比0.05%増)で過去最高となっている。
法定雇用率に関して企業規模別に見ると1,000人以上規模企業(1.90%)、同500~999人(1.70%)、300~499人規模企業(1.61%)、同100~299人(1.42%)、同56~99人(1.42%)となっている。また法定雇用率達成企業の割合は47.0%である。
民間企業が障害者を雇用することは以下の3つの側面が挙げられる。
1)法定雇用率の達成という法令順守(コンプライアンス)の側面
2)障害者に雇用機会を提供することは企業の当然の義務であるという企業の社会的責任(CSR)の側面
3)健常者と変わりなく人材に対する「投資」と位置づける事業戦略的側面
障害者雇用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 04:13 UTC 版)
障害者雇用促進法は、民間企業に常用労働者の1.8%以上、国・地方公共団体に2.1%以上の障害者の雇用を義務づけている。 大阪府では、障害者の雇用率を高めるために2000年と2001年に大阪府障害者雇用促進協会に事業を委託、民間企業の障害者雇用の経験者が障害者雇用推進アドバイザーとして雇用率未達成企業に働きかけをしていた。 赤ちゃん本舗は2001年に障害者の法定雇用率1.8%を超え、2002年の法定雇用率は2.19%となり、日本障害者雇用促進協会(現:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)発行「働く広場」2003年4月号の職場ルポで紹介されている。
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障害者雇用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 07:16 UTC 版)
1960年に都立青鳥養護学校(現・都立青鳥特別支援学校)卒業の2名の障害者(15歳、17歳)の女性を正社員として雇用し、以後もほぼ毎年障害者の雇用を続け、1975年には全国初の心身障害者雇用モデル工場第1号として川崎工場を開設。1981年には美唄工場も心身障害者雇用モデル工場となった。社長(当時)の大山泰弘や従業員が厚生労働大臣表彰・内閣総理大臣表彰を受けたほか、2005年には日本理化学工業が社団法人日本フィランソロピー協会より、企業フィランソロピー大賞社会共生賞を受賞した。 知的障害者による生産工程のオペレーションのため、制度や工程中に使う治具などに工夫が凝らされている。現在、川崎工場は従業員47名中重度知的障害者22名・軽度知的障害者10名、美唄工場は従業員28名中重度知的障害者13名・軽度知的障害者9名を雇用しており、全員が正社員で、製造部門は知的障害者が主力となっている。障害者雇用率は2013年6月時点で106.5%と算出されている。 なお、1960年に入社した第一期の知的障害者は、60歳の定年を迎えた後も嘱託社員として、それぞれ68歳(53年間)、65歳(48年間)まで勤務していた。
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障害者雇用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 08:33 UTC 版)
障害者雇用に積極的であり、昭和45年より知的障害者の受け入れを始めている。障害者の大半は寮生活をしており、就業時以外のサポートも行っている。これを可能としているのは知的障害者施設「山ゆり学園」の協力によるところが大きい。全従業員に対して7.6%が障害者となっている。(2004年時点)
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障害者雇用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 07:48 UTC 版)
ユニクロで特筆されるものとして、障害者(身体障害者、知的障害者)の積極的な雇用が挙げられる。 聴覚障害者の勤務する沖縄県那覇市の店舗でのサービス向上事例をきっかけに、企業の社会的責任(CSR)も兼ねて、2001年頃から各店舗に最低1人の障害者を雇用する方針が打ち出された。その結果、2004年以降、障害者雇用促進法による民間企業の法定雇用率1.8%をはるかに超える7%台の障害者雇用率を誇っている。これは、従業員5,000人以上の企業では突出した高率である。2006年を対象に厚生労働省が行った調査では、従業員5,000人以上の民間企業でトップ(7.42%)であった。 その後の2008年6月時点の厚生労働省の同様の調査では、さらに比率を8.06%に高めている。常用労働者約11,000人のうち約700人の障害者が勤務しているという。 勤務する障害者は知的障害者が多く、バックヤードでの納入された商品のチェックや分別、品出し作業や、開店前や閉店後の店内清掃などの作業に従事していることがほとんどのため、一般の来店客には存在が目につかないことが多い。聴覚や視覚や肢体などの障害を持つ人も、健常者に混じって勤務している。障害者の雇用に留まらず、スペシャルオリンピックスの支援などの活動が認められ、内閣府から再チャレンジ支援功労者表彰を受けた。
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