薬剤抵抗性
薬剤抵抗性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/09 02:55 UTC 版)
薬剤抵抗性(やくざいていこうせい)とは、生物の集団に薬剤を使用することにより、抵抗性因子が淘汰により蓄積される現象のこと。薬剤耐性とも呼ばれる。
- 1 薬剤抵抗性とは
- 2 薬剤抵抗性の概要
薬剤抵抗性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 18:13 UTC 版)
1990年代には、殺鼠剤のワルファリンに耐性のある肝臓の毒代謝能力の高い「ワルファリン抵抗性ネズミ」が現れている。クマネズミ以外のネズミにも、同様の薬剤抵抗性を持つ個体が見られるようになり、これらを含め総括して「スーパーラット」と呼ばれる。 スーパーラットにも効く殺鼠剤も研究されて、急性毒であるリン化亜鉛やジフェチアロール配合の殺鼠剤が、ドラッグストアやホームセンターで市販されている。但し、スーパーラットのほとんどがクマネズミである。
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薬剤抵抗性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 07:04 UTC 版)
クマネズミおよびドブネズミの一部には、ワルファリンへの薬剤抵抗性を有した個体が存在し、スーパーラットと呼ばれている。このスーパーラットは1980年代に出現が報告され、1991年には、ワルファリン0.025%の毒餌と水だけで441日生存し続けたクマネズミが報告され、2000年代には東京都区部のクマネズミは、80%がワルファリン抵抗性を有している。 血液凝固性薬剤に対する薬剤抵抗性を獲得した個体は、肝臓でのVKOR代謝能力が高く、体内で抗凝固剤の毒性が高まる前に、排泄されていることが明らかとなった。薬剤の濃度が高いと喫食せず、濃度が低いと一過性の中毒症状だけで死亡することなく回復する為で、弱い個体のみが死亡し、生き残った個体の耐性は、徐々に高くなって行くと考えられている。また、ワルファリン以外の薬剤に対して、抵抗性を持った個体も報告されている。
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薬剤抵抗性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/17 22:08 UTC 版)
一般的に使用されるグリホサート除草剤に薬剤抵抗性をもつものの出現がアルゼンチンとアメリカ合衆国で報告されている。
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薬剤抵抗性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/08 14:21 UTC 版)
一般に、グラム陰性菌の方がグラム陽性菌よりも、薬剤抵抗性が強い傾向にあるが、緑膿菌はグラム陰性菌の中でも特に強い薬剤抵抗性を持つ、すなわちこれらの薬剤による殺菌に強い抵抗力を持つことで知られる。 この抵抗性には、緑膿菌が元から持っていたもの(自然耐性)と、後天的に獲得したもの(獲得耐性、いわゆる薬剤耐性)がある。これらが組み合わさることで、緑膿菌の薬剤抵抗性は広い範囲に及んだ、いわゆる多剤耐性の状態にあるものが多く見られる。 消毒薬では逆性石鹸やクロルヘキシジン(ヒビテン Hibitane)などに対する自然耐性が強く、低濃度の場合にはこれらの消毒液中で緑膿菌が増殖することもある。抗細菌薬(いわゆる抗生物質)においては自然耐性の高さだけでなく、獲得耐性によって無効になったものも多い。ペニシリンやセフェム系などのβ-ラクタム系抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質は当初から効果がなく、広域ペニシリン、第三世代セフェム、カルバペネム、抗緑膿菌性アミノグリコシド、ニューキノロンなどの開発によって、ようやく緑膿菌治療に有効なものが得られた。ただし、現在ではカルバペネム系薬・アミノグリコシド系薬・ニューキノロン系薬の3系統全てに耐性を示す多剤耐性緑膿菌も出現している。多剤耐性緑膿菌に対して有効と考えられているのは、抗MRSA薬である硫酸アルベカシン、モノバクタム系薬であるアズトレオナム、ポリペプチド系薬である硫酸ポリミキシンBやコリスチンメタンスルホン酸ナトリウムなどである。 この他、緑膿菌は一般に用いる石鹸や食塩による殺菌や静菌効果も低い。一方、酸や銀イオンによる殺菌には感受性であり、またEDTAに対しては感受性を示すだけでなく、EDTA存在下では他の消毒薬の効果が増強される。 緑膿菌の薬物抵抗性には、複数の薬剤耐性メカニズムが関わっている。 薬物の細胞内への取り込みを制限する機構。 取り込まれた薬物を再び細胞外に排出する機構。 獲得した耐性酵素による薬物の分解や修飾。 抗生物質の標的となるタンパク質の変化による阻害回避。 バイオフィルムによる薬剤浸透性の低下。 これらの薬剤耐性は、抗生物質使用によって緑膿菌が既に獲得していた機構が誘導されるだけでなく、性線毛を介した接合による薬剤耐性プラスミド(Rプラスミド)の伝達や、形質導入による薬剤耐性遺伝子の獲得などによって、異なる菌株から新規に伝達される場合もある。 なお、細菌検査の分野では、逆性石鹸の1種である消毒薬のセトリミド(Cetrimide)に抵抗性があることを利用して、セトリミドを加えた培地を用いて選択的に分離培養することができる。セトリミドとともに、抗菌剤であるナリジクス酸を加えた、NAC (Nalidic-Acid, Cetrimide) 培地が緑膿菌の選択分離に用いられている。
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