自然哲学とは? わかりやすく解説

しぜん‐てつがく【自然哲学】

読み方:しぜんてつがく

一般に、自然を総合的統一的に解釈し説明しようとする哲学をいう。哲学古代ギリシャこのような自然の原理的探究として誕生した近代以降では、自然科学成り立たせる根本概念前提について存在論的、認識論的考察する部門をさすこともある。


自然哲学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/17 09:25 UTC 版)

自然哲学(しぜんてつがく、羅:philosophia naturalis)とは、自然事象や生起についての体系的理解および理論的考察の総称であり、自然を総合的・統一的に解釈し説明しようとする形而上学である[2]自然学(羅:physica)と呼ばれた[2]自然、すなわちありとあらゆるものごとのnature(本性、自然 : nature: Natur[3]に関する哲学である。しかし同時に人間の本性の分析を含むこともあり、神学形而上学心理学道徳哲学をも含む[4]。自然哲学の一面として、自然魔術(羅:magia naturalis[注 1]がある。自然哲学は、学問の各分野の間においても宇宙の様々な局面の間でも、事物が相互に結ばれているという感覚を特徴とする[1]


注釈

  1. ^ ファンタジーに描かれる「魔法」とは異なる。「魔術」は、世界の中に埋め込まれた結びつきを学び、制御し、実践的な目的のために制御することを目指していた。右のキルヒャーの口絵では、「算術」と「医学」の間に置かれ、「太陽を追うヒマワリ」で表されている。
  2. ^ この図式は、19世紀後半に考案されて普及した神話である。

出典

  1. ^ a b c d e f g ローレンス・M・プリンチペ 著 『科学革命』 菅谷暁・山田俊弘 訳、丸善出版、2014年
  2. ^ a b 「自然哲学 physica; philosophia naturalis」『ブリタニカ国際大百科事典」
  3. ^ Droz, Layna; Chen, Hsun-Mei; Chu, Hung-Tao; Fajrini, Rika; Imbong, Jerry; Jannel, Romaric; Komatsubara, Orika; Lagasca-Hiloma, Concordia Marie A. et al. (2022-05-31). “Exploring the diversity of conceptualizations of nature in East and South-East Asia” (英語). Humanities and Social Sciences Communications 9 (1): 1–12. doi:10.1057/s41599-022-01186-5. ISSN 2662-9992. https://www.nature.com/articles/s41599-022-01186-5. 
  4. ^ 岩波『哲学・思想 辞典』
  5. ^ 八杉竜一、『進化学序論』、(1965)、岩波書店、p.29


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自然哲学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/05 00:28 UTC 版)

マーガレット・キャヴェンディッシュ」の記事における「自然哲学」の解説

哲学史家のアイリーン・オニールは、マーガレット・キャヴェンディッシュの自然哲学の概観評価を『実験哲学に関する所見2001年版イントロダクション詳述している。オニールマーガレットの自然哲学をアリストテレス主義機械論否定であり、ストア派的な哲学肯定するものだと述べている。オニールは、女性17世紀に自然哲学について書くのはまれなことであったにもかかわらずマーガレットはこの主題について6冊も本刊行していることに着目している。オニールによると、マーガレット・キャヴェンディッシュは自然哲学について正式に教育受けたことがなかったが、夫のウィリアム・キャヴェンディッシュとその弟チャールズどちらもこの主題興味があり、マーガレットが自らの関心追究して研究進めるよう支援した。さらにマーガレットトマス・ホッブズのような哲学者との社交からも影響受けた可能性がある。オニールによると、チャールズ哲学教えたホッブズマーガレットの自然哲学にも大きな影響及ぼしており、マーガレット自然において無形の魂は存在しない考えホッブス唯物論的哲学支持した17世紀数少ない哲学者のひとりだった。1660年代以降マーガレット・キャヴェンディッシュ同時代著作以前より真剣に研究するようになり、他の自然哲学者との比較対象を行うことで自身議論をより巧妙に表現できるようになろうとつとめた

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 08:15 UTC 版)

中世哲学」の記事における「自然哲学」の解説

自然哲学および科学哲学分野では、中世哲学者たちは主にアリストテレスから影響受けていた。しかしながら14世紀からそれ以降は、自然哲学において数学的推論利用増加したことで、近世科学興隆準備となった重要な人物としてヘイツベリーのウィリアムオッカムのウィリアムがいる。その他の自然哲学に対す貢献者にはリクマースドルフのアルベルトジャン・ビュリダン、オートルクールのニコラなどがいる。連続性テーゼ英語版)(中世知的発展ルネサンスおよび近世知的発展の間には決定的な断絶はないという仮説)を参照

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自然哲学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 01:25 UTC 版)

オッカムのウィリアム」の記事における「自然哲学」の解説

オッカムは自然哲学に関する膨大な量の著作書いており、そのなかにはアリストテレスの『自然学』の長い注釈書もある。存在論的倹約原理に従ってアリストテレスの十のカテゴリーのすべてを使う必要はないとオッカム述べている。たとえば、数学的存在が「現実」ではないために量のカテゴリー不必要である。数学実態や質といった他のカテゴリ適用されなければならず、そのため近代科学ルネサンス予期する一方でアリストテレスが「メタバシス」を禁止したのを破る。

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ヨハネス・ケプラー」の記事における「自然哲学」の解説

ケプラーの自然哲学の中心惑星論にある。ケプラーは「数が宇宙秩序中心である」とする点や天体音楽論英語版)を唱える点で自然哲学におけるピタゴラス的伝統の忠実な擁護者であった。その反面ニコラウス・コペルニクスティコ・ブラーエガリレオ・ガリレイ脱却できなかった円運動に基づく天体論から、楕円運動基本とする天体論を唱え近世自然哲学を刷新した現代の科学者にとってのケプラー大きな功績は、数学的なモデル提出するという方法先駆者となったことである。(彼の提出した具体的なモデル現代人から見れば誤っている面もあるが、ともかくも数学的なモデル構築し提示する、という方法ガリレオ・ガリレイアイザック・ニュートン経て古典物理学成立へとつながっていった。 ただしケプラー数学的なモデルは、基本的にピタゴラス的で、また新プラトン主義的であり、数(数論)や幾何学正多面体)がきわめて直接的に物(の存在)や物の運動支配している、調和されている、と考えており、その多く現代人から見れば奇異なのである例えば彼が初期提唱した多面体太陽系モデルは、「惑星が6個存在することは、正多面体が5種類しか存在しないことと関連があるに違いない」というプラトン以来思考伝統枠内にいる。またケプラー火星の衛星が2個である事を予言したが、これは「地球火星木星の衛星の数は等比数列をなしている」という、ピタゴラス的な考え方思いこみ)によるものである。結果として火星の衛星の数は2個ではあったが、その仮説前提である木星の衛星の数は、当時知られていた4個よりも遥かに多かったのである

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 15:56 UTC 版)

自然観」の記事における「自然哲学」の解説

何らかの論理的統制法則類を見出すのが自然哲学における自然観である。自然哲学は外延的には哲学全体意味しうる拡がりをもっている。 詳細は「自然哲学」を参照

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