自然哲学・自然科学における原理とは? わかりやすく解説

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自然哲学・自然科学における原理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/09 00:16 UTC 版)

原理」の記事における「自然哲学・自然科学における原理」の解説

古くアルキメデスアルキメデスの原理見出した17世紀ブレーズ・パスカルが「密閉容器中の流体は、その容器の形に関係なく、ある一点受けた単位面積当り圧力そのまま強さで、流体の他のすべての部分伝える」と指摘し、これは現在パスカルの原理呼ばれている。 17世紀ケンブリッジ大学にはプラトン主義信奉する学者多数いたが、そのひとりであるアイザック・バロー弟子となったアイザック・ニュートンは『自然哲学の数学的諸原理』を著わし、公理論的に構築した理論体系示した。これは結果として古典力学体系骨格となった18世紀20世紀にかけて自然科学者たちは、生命には無生物とは異なる《vital principle 生命原理》がある、と考えるようになり、これが生物学方向性決めるものになった。ちょうどアイザック・ニュートン数学的原理の上ニュートン力学という輝かし体系構築したように、観察によって生命原理事実として受け入れ、それを出発点とする理論体系構築しようと試みたのである。そして《生命原理》は自然法則ひとつだ一般に考えられていた。誤解ないよう言っておくと、当時科学者たちは、こうした考え方を、ニュートン力学同様に科学的な説であると考えていたのであり、主流科学者たちがそう考えていたのである。たとえば現代人高く評価する19世紀実験生物学者パスツール同様の考え方をしており、発酵という現象生命体によってのみ可能だ考えていたのである。この考え方が、科学者らを生物研究へと駆り立てる原動力となっていたのである近年ではこれをヴァイタリズムと言う。この説を単なる忌まわしい説だったとし、“このような説から脱却することが生物学誕生だった”、などとする説というのは、20世紀半ばクリックなどが、生物学起きた事実隠蔽するために語った作り話科学者らの間で広まった通俗的な説であり、これは科学世界で起きた本当歴史を全然踏まえておらず、偽ものの歴史真っ赤な嘘である。 18世紀19世紀ころには「物質」を「実在」と考え信奉し原理据えようとする者が多かったが、20世紀には、物質対物質によって消滅してしまうことがある対消滅)、と知られるようになり、消滅してしまうことがあるようなものは根本原理には据えられないと考えられるようになり、位置づけ低下したオストヴァルトらエネルゲティーク(エネルギー論者)は、宇宙根本は、物質などといったいい加減なものではなく エネルギーだ、と主張し当時科学界で一大勢力となり、主流のような位置付けにすらなっていた時期があったが、後に彼らは様々な経緯があって排除異端視されるようになり、自然科学史でも言及されることが減った20世紀初頭にはアインシュタインが「いかなる座標系においても物理法則不変である」とする相対性原理提唱した。同世紀なかばには不確定性原理理解されるようになった近年では、自然科学で「原理と言っても、ある理論体系出発点だけでなく、より基本的な法則から導かれる副次的なものもある。化学の歴史をたどると、決し根本的な事象から先に発見されていったわけではないため、最初根本原理だと考えられいたものが、後になって、そうでなかったと考えられるようになったものは多いのである。 「原理」の他、「法則」「律」など、慣習によって呼ばれ方異なる。 「原理」は自然科学においても用いられることがある用語だが、かなりの拡大解釈を受け、「機械動作原理」などと言うような用法でもしばしば用いられている。

※この「自然哲学・自然科学における原理」の解説は、「原理」の解説の一部です。
「自然哲学・自然科学における原理」を含む「原理」の記事については、「原理」の概要を参照ください。

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