ホッブズ【Thomas Hobbes】
ホッブズ
トマス・ホッブズ
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トマス・ホッブズ(Thomas Hobbes, 1588年4月5日 - 1679年12月4日[1])は、清教徒革命(イングランド内戦)から王政復古期にかけてのイングランドの哲学者。
- ^ Thomas Hobbes English philosopher Encyclopædia Britannica
- ^ a b c 【明日へのLesson:第1週ブック】トマス・ホッブズ リヴァイアサン(1651年)どこまで国家に委ねるか『朝日新聞』朝刊2022年4月7日(教育面)2022年6月10日閲覧
- ^ 伊豆藏好美「ホッブズ」『哲学の歴史 第5巻 デカルト革命【17世紀】』(小林道夫 編、中央公論新社、2007年)70頁
- ^ "Hobbes, Thomas (HBS608T)". A Cambridge Alumni Database (英語). University of Cambridge.
- ^ 福田歓一『政治学史』p.322、レオ・シュトラウス『ホッブズの政治学』pp.12-13
- ^ Load Acton Essays on Freedom and Power, p.p. 47.. The Beacon Press/The Free Press,.1949.
- ^ 『國際的精神の養成』。国際連盟協会『震災に関する諸名士の所感』、1923年。
- ^ J. A. Thomas, https://www.jstor.org/stable/2548202. Jstor.
- ^ カール・ヨアヒム・フリードリッヒ『伝統と権威 権力と正当性と権威』(三辺博之訳、福村出版、1976年)p.145。原著:Carl J. Friedrich, Tradition and Authority. Phaidon, London, 1972.
- ^ B W. Hauptli,Selected Criticisms of Hobbes and Ethical Egoism. Florida International University, 2013.
- 1 トマス・ホッブズとは
- 2 トマス・ホッブズの概要
- 3 概要
- 4 年譜
- 5 人工的な国家理論
- 6 著述
- 7 批判
- 8 参考文献
ホッブズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 14:06 UTC 版)
「万人の万人に対する闘争」。ホッブズは、この有名な文句で自然状態において個人が基本的に平等で、それゆえに競合状態にあることを端的に表した。ホッブズによれば、個人の能力はほかの個人を完全に従属させるほどには不平等なものではない。また人間にはほかの動物と異なり、理性という予見能力があるので、動物が現に生存を脅かされたときのみ生存の危機を感じるのに対し、人間は未来の生存の危機から現在の生存を守ろうとする。現在のみの生存が現に生きていることによって保証されるのに対して、未来の生存はいまだ明らかにされていないのだから、保証されることがない。ゆえに人間においては生存の優位はつねに相対的である。そのため未来の生存を確保するための欲望は際限がない。またこのような未来の生存を確保するために暴力などの積極的な手段に訴えることは自然権として善悪以前に肯定されるものとされた。前述したように、個人の能力は他人を完全に従属させるほど強力ではないから、このような競合状態は基本的に永遠に続く。 ところで、個人にとって最大の不幸は死、とりわけ自分の意志に反して他人の暴力によってもたらされる死である。他人の暴力は他人の自然権に由来する者であるから、自然権は矛盾を孕んでいることになる。このことから予見能力としての理性は「各人の自然権を制限せよ」という自然法を導く。 さて自然権は理性の予見能力に基づいていることから、自然権を制限するということは理性、すなわち判断力を委ねることである。社会契約とは、ある一者に自然権の判断を委ねることである。社会契約により個人は暴力も、ましてや生存権も放棄するものではないが、社会契約の結果としての国家理性、リヴァイアサンに自然権の判断を委ねるのである。ホッブズにおいては自然状態は不完全で、自己完結していない状態と考えられている。 ホッブズにおいて注意すべきことは、社会契約を結んでリヴァイアサンが形成されたとしても、個人間の闘争が決着するのみで、リヴァイアサン同士の闘争は永遠に続くということはカール・シュミットの指摘するところである。
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ホッブズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/18 15:51 UTC 版)
グロチウスの自然法論の主題が、分裂する市民国家間の合理的な法規制にあったとすれば、ホッブズのそれは、市民国家そのものの正当化である。ホッブズは、次のような順序で、自然状態から必然的に市民国家が生じると説明する。 自然状態においては、人間の自然本性と人間が置かれた自然的条件のゆえに、万人に対する万人の戦争が起こる。 この状態を抜け出すための必要な条件(=自然法)を理性が発見し、平和な社会状態に移行することが可能である。 社会状態を維持するための必要十分条件は、主権の設立とそれへの服従である。 このようなホッブズの論証は、思考実験的な性格を有している。つまり、仮に市民国家を持たない人々がいるならば、彼らはどのような規範を受け入れるのかということである。実際に自然状態が存在したかどうかは重要ではない。また、ホッブズは、事実から規範を直接的に導出するという自然主義的誤謬をも入念に回避している。ホッブズの主張の要点は、自然状態から市民国家へ移行すべしということではなく、仮に自然状態が生じるとしても、人々はそこで市民国家へと向かう自然法を受け入れるであろうという予測である。
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