千年アイテム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 09:12 UTC 版)
本作において重要な鍵を握るアイテム。1つ1つ異なる不思議な力を持つ。すべての千年アイテムは黄金でできており、千年錠を除く全てにウジャト眼の紋章が付けられている。所持者は、闇のゲームを仕掛け敗者にさまざまな罰ゲームを与えることができる。しかし誰でも使いこなせるわけではなく、千年アイテムはそれ自体が所持しようとする者の魂を試し、所有するに値しない者と判断された場合は体の内から魂を焼かれる。古代においては「千年宝物」と表記され、人間の心に宿る魔物や精霊を呼び出し、操るための力として使われた。 数千年前、隣国の大軍隊により国が滅亡の危機に扮した際、時の神官アクナディンが、王アクナムカノンにも秘密裏に盗賊の村、クル・エルナ村の住民を冥府への生贄として黄金と一緒に溶かして製作したアイテムで、のちに個々の能力を生かし、罪人を裁いたり、国の危機を事前に予見するために使われるようになるが、本来は冥界の石版へアイテムを収めた人間の「闇」を冥府との契約により実体化するための触媒でもあった。 かつては一箇所にまとめられていたが、現在ではさまざまな経緯を経て世界中に散っている。しかし、千年アイテムはそれぞれがパズルのパーツのようなもので、時が来れば互いに引き合い「王の記憶の石版」に集まるとされている。 M&Wにおける「神のカード」を使用する際にも必要であり、マリクが言うには千年アイテムにかかわりを持つものしか神のカードを操れないとのことだが、詳細については最後まで明かされていない。 作中に登場するのは7つであるが、カードゲーム等の他の媒体では例外が存在する。 千年パズル/千年錘(せんねんパズル/せんねんすい) 初出:学園編 所有者 - 現代:武藤遊戯/王の記憶編:アテム(古代エジプト第18王朝ファラオ) 誰も解いたことのないパズル。多くのピースを組み合わせる立体型のパズルで、完成すると四角錐(ピラミッド)を逆さにした形になる。本作の主人公である武藤遊戯がこのパズルを解き完成させたことから全ての物語は始まる。この千年パズルが収納されている箱には「我を束ねし者、闇の知恵と力を与えん」という言葉が刻まれている。 内部にはかつて古代エジプトで起きた戦いの末に相討ちとなった古代のファラオ(アテム)の魂と闇の大神官の魂(アニメでは、ゾークの魂)が封じ込められている。封じ込められた魂の記憶を映し出す投影機としての能力を備えており、古代編の物語は千年パズルがバクラの闇RPG(ダーク・ロールプレイング・ゲーム)のフィールドに投影したもの。 他のアイテムと比べてこれといって特異な能力は存在せず、完成させたものには結束の力が宿るとのことだが、最後まで具体的に描かれていない。 千年秤(せんねんばかり) 初出:学園編 所有者 - 現代:シャーディー/王の記憶編:神官カリム 裁かれし者の目の前にかざすことで、罪の重さを量る天秤。秤が傾きの有無や大きさで対象の邪念の大きさを計ることができる。初期の学園編でシャーディーがこれを用い、童実野美術館館長の金倉を裁く。 古代においては罪人を裁くための他、2体以上の魔物を融合させるための力としても使われた。 千年錠(せんねんじょう) 初出:学園編 所有者 - 現代:シャーディー/王の記憶編:神官シャダ 人の心の部屋を覗き、また中に入りこむ力を持つアンク型の鍵。心の部屋を見ることによってその者のすべてが分かり、また心の部屋を模様替えして人を操ることもできる。操られた者は、千年錠に触れることによって開放される。千年錫杖、千年眼を併せ持ったような能力を持つが、こちらは前述の通り相手の心の中に一度入り込まなければならない。原作初期の学園編でシャーディーはこれを使用し、遊戯、闇遊戯、杏子、吉森教授などの心の部屋に入り込む。 古代においては、人の心に魔物が宿っているかを見極めるために使われていた。 千年輪(せんねんリング) 初出:学園編 所有者 - 現代:獏良了/王の記憶編:神官マハード 輪の内側にピラミッドを模した様な三角形、外側に円錐状の指針が5本付いたペンダント。形ある物に、人間の心や念を封じ込める能力を持つ。また、指針によって方位磁針のように邪念を感知する能力を持つ(現代では他の千年アイテムの感知能力として使われる)。 内部にはかつて古代エジプトで起きた戦いの際に、闇の大神官の片割れ・魂の一部である「バクラ」の魂(アニメではゾークの本体)が封じられており、たびたび宿主の獏良了は人格を乗っ取られる。その際には、千年輪の指針が胸に食い込むなどの場面が見られる。 宿る意思が邪悪かつ活動的であるため、作中で頻繁に所有者の獏良了から他人の手に渡る。 古代では、その邪念感知の力が王墓の防衛のために使われていた。 千年眼(せんねんがん、ミレニアムアイ) 初出:決闘者の王国編 所有者 - 現代:ペガサス・J・クロフォード/王の記憶編:神官アクナディン 人の思考や心の内を読み取る能力を持つ義眼。所有者のペガサスはこの力を「マインド・スキャン」と呼び、デュエルにおいては優勢に立てる。 所有者となるには自身の眼球を抉り出しその場所に千年眼を埋め込まなければならず、資格を有する者であってもかなりの苦痛を要するが、所有に成功した場合は願い事を1つだけ叶えるという。 古代では罪人の魔物を暴き出し、抽出して実体化させるために使われた。 千年首飾り(せんねんタウク) 初出:バトルシティ編 所有者 - 現代:イシズ・イシュタール/王の記憶編:神官アイシス 近未来を映像として視(み)る(視せる)能力を持つ、チョーカー型の首飾り。視た未来は断片的にしか見ることができない代わりに絶対のものであったが、バトルシップでの海馬とのデュエル後、予知した未来が覆されたことで未来を予知する力が失われる。しかし、マリクとのデュエルで瀕死の状態に陥った城之内を目の当たりにして闘う意思をなくした闇遊戯に、理由は不明だが一時的に未来の映像を視せた。また、アニメ版ではイシズはこの能力を用いて海馬に古代エジプト(過去)の映像を視せた。 千年錫杖(せんねんロッド、ミレニアム・ロッド、せんねんしゃくじょう) 初出:バトルシティ編 所有者 - 現代:マリク・イシュタール/王の記憶編:神官セト 人の心に自分の意思を植え付け、記憶を支配して精神と肉体を操る能力を持つ杖。ただし、洗脳するには杖で対象に触れる必要がある。杖の部分のカバーを外すと鋭い刃物のようになっており、千年アイテムの中で唯一純粋な武器として使用することも可能。また、他者と心を通じて完全な意思疎通を図ることもでき、リシドをはじめグールズの部下たちとは心を通じて会話を可能にしている。演出ではあるが眼の刻印からは光線が発射される。これは千年眼も同様。 なお、現代での所持者であるマリクは武藤遊戯、獏良了同様に闇の人格を有するが、他の2人と違いマリクの闇人格は幼少期の過酷な経験から生み出された二重人格であり、千年錫杖に宿ったものではない。千年錫杖は所有者に古代神官文字の解読を可能とさせる啓示を与えるが、マリクの主人格には真の啓示は与えられていなかった。 古代では、人の心から実体化した魔物を封印の石版に封じ込めるために使われていた。 バトルシティの戦いを通じて、闇人格のマリクは神官セトの記憶が封じられているのではと推測するが、最後までそのことが明かされていない。 その他 千年魔術書(せんねんまじゅつしょ) 7つの秘宝(千年アイテム)の精製法である、99人の人間を生贄に卑金属を神秘の力を持った黄金の宝物に変える「闇の錬金術」が記された禁断の魔術書。 内容の呪文は100年以上解読されていなかったが、若き日のアクナディンにより解読され、千年アイテムが生み出された。 千年の盾(せんねんのたて) カードゲームの『デュエルモンスターズ』にて登場した千年アイテム。 初期テキストでは千年アイテムの一つと明言されていたが、その後テキストからは千年アイテムという単語は削除され、「古代エジプト王家より伝わるといわれている伝説の盾」に変更された。 千年原人(せんねんげんじん) カードゲームの『デュエルモンスターズ』にて登場した千年アイテムを所持する原人。 しかしながらイラストに描かれている千年アイテムは、槍や斧など作中には登場しないオリジナルのものとなっている。
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